辞書を利用させるには

 小学校五年生の男の子ですが、毎日国語の学習や日記をつける時、辞書を引いたことがありません。辞書はそれほど高度な本ではありませんが、わからない字はひらがなで書き平気な顔をしています。引き方がわからないのではなく、どうも面倒だという感じで引きたがらないと思います。よい指導方があれば教えてください。
 辞書は、引き慣れていないと意外と活用されず、お部屋の飾り物になっていることが多いのです。
 では、どうしたら気軽に活用するようになるでしょうか。
 まず、引き方に慣れるという点について考えてみましょう。
 お子さんは、辞書の引き方がわからないのではないといっていますが、理屈として単に引き方を知っていても、身についていなければ本当に知っているとはいえません。引き慣れて、自分の探したい言葉や文字が早く見つかれば、自然におっくうでなく辞書を引くようになるからです。
 では、辞書を引き慣れるにはどうすればよいか、ということになるのですが、これは、数多く引くこと以外には方法がないのです。
 ですから、お子さんが、しじゆう辞書を引くように仕向けることが必要です。それも「面倒がらずに辞書を引きなさい」とか、「ひらがなで書かないで、調べて漢字で書きなさい」などと、命令的に言っただけでは効果は上がりません。「その字はひらがなでなく漢字で書いた方が中味がまちがいなく伝わるわね。辞書で引いてみましょうよ」と、お母さんが一緒に辞書を開いてみるのです。そして、それとなく手をさしのべながら、最終的にはお子さんにそれを発見させるのです。
 すると、お子さんは「あっ、あった。この間学校で習った字だわ」と、眼を輝かせるでしょう。発見するというのは、とてもうれしいものなのです。このように発見の喜びをささえにしながら、辞書を引く技術に慣れ、それを身につけさせていくとよいと思います。

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 次には、引くことに慣れるという段階になるでしょう。
 気軽に辞書を開いて、すぐに調べてみる。辞書をいわば自分の片腕のように活用し、生活の中に根づかせるのには、どのような配慮が必要となるのでしょうか。
 それには、どうしても。手のとどく辞書を、手のとどく所にということが大切になります。
 お子さんにとって、辞書の内容が高度すぎては使いこなすことはできません。ですから辞書を買い求める時は「辞書は、ずっと使うのだから、少し難しく、詳しいものに」という考えを捨てなければなりません。今、お子さんの手のとどく内容のものを選ぶべきです。そして、お子さんのいつでも手のとどく所に、つまり、身近かにおいてすぐ引けることが重要なのです。奥まった部屋の立派な本棚の、しかも高い所に大切におさめておくといったことでは、つい、おっくうになって引きそびれてしまうからです。
 そして、より大切なことは、お子さんが辞書に親しむようにと心をくだく以前に、ご両親が、まず、辞書を引き、ご自分の生活の中に辞書を位置づけていくことです。手紙を書きながら、わからない宇があった時「面倒だからひらがなですましておくわ」ではなく、小説や随筆を読みながらでも、読めない字があった時、推察で読みとはしてしまうのではなく、さっと辞書を開いて調べる。そんなご両親の姿があれば、それを見ながら、お子さんも、辞書を引くことを当たり前のこととして受けとめ、抵抗なく自分の生活の中に辞書を位置づけていくにちがいありません。
 みんなで気軽に引けるやさしい辞書を、茶の間やダイニングキッチンの隅にでも一冊備えておくことをおすすめします。
 ところで、辞書だとか、辞典だとかは、わからないことがあった時に調べるものとだけ、一般には受けとられているように思われます。しかし、無目的に開いてみても、なかなか面白い発見ができるものなのです。
 国語辞典についてみても、一つの言葉のさまざまな意味、慣用句やことわざの意味、筆順、言葉に当てはまる正しい漢字などが、一つながりになってわかるのです。なにげなく目を遊ばせているうちに「おや」「なるほど」といった事実に出合って、辞書、辞典に親しみをもつようになるのです。
 遊びながら、楽しみながら、語彙量をふやす、言葉を理解する力を高めるということは、単に、教科としての国語の力を高めるだけでなく、学習全般、生活全般の思考を豊かにし、。個の中身を豊かにしていきます。言葉を理解するということはどれだけ多くの言葉を知っているか。言葉の意味を正しく理解しているか。その言葉を利用する力があるか。ということだからです。
 そのためには、一種類の辞書を備えるだけでなく、いろいろな種類の辞書や辞典を用意して、引き比べ、読み比べていくことがよいのです。辞書は、決して、すべて全く同じというわけではないのです。言葉の意味の解釈でも、微妙なところで少しずつちがっていることに気づき、きっと、新たな興味をいだかれるにちがいありません。

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