理科好きにさせるには

 うちの子どもは、小学校五年生になりますが、理科がどうもきらいで弱っています。動物や植物の本は好きで、特に虫の名前はよく覚えていますが、その他の項目はまったくだめです。あまりにもかたより過ぎているのも問題です。なにかよい方法はないでしょうか。
 お子さんは、動物や植物の本は好きで、特に虫の名前はよく覚えているが、他の項目についてはだめで、理科はきらいとのことです。
 このことは、動物や植物の名前だけ覚えていても、理科の力にはならない、机の上の、あるいは本や図鑑だけの理科ではだめだということを物語っています。
 実物との直接的な触れ合い、実際に観察する、さわってみる、育ててみるということが何より大切といえましょう。
 まず、手がかりとして、本で名前をおぼえている虫の一つを飼育してみてもよいでしょう。
 虫かごの中に草をしき込んでやったらよいのだろうか、餌は何だろうか。このことを知るために、本を開くとき、ただ漫然と本を開いていた時とは違って、本の内容がお子さんに生き生きと働きかけてくるはずです。そして、頭や胸、腹、足、触角といった昆虫のつくりも、具体的に自分の目でとらえ、触ってもみることは、図鑑の写真でのみ見ていた時とは異なり、実感を伴った理解につながってくるのです。そして、動く虫、生きて活動する虫を見ているうち、どんな鳴き方をするのだろうか、どんなふうにして呼吸するのだろうか、どんな成長の仕方をするのだろうかといった、生態やその一生にも興味や関心をもつようになるでしょう。
 飼育、観察を通じて具体的に知ることと、本で調べて知ることとがプラスに関連し合い、よりたしかな深い知識としてお子さんの中に定着していくのです。

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 種の発芽を例に考えてみましょう。わたしたちは種をまくと水をやります。お子さんも、自分の好きな草花の種をまき、水をやるでしょう。しかし、その時のお子さんはみんなもそうするからと、当たり前のこととして水をやり、充芽に水が必要なのだろうかと深く考えることはないでしょう。この当たり前のこととして見ていることに目をとめ、立ちどまり考えさせてほしいのです。
 自然現象について、ぼんやりと見ていること、見逃していることに光を当て、疑問をもち、考えていく姿勢をつくることが、理科の好きな子をつくる鍵ともいえるのです。
 さて、充芽には水がいるのだろうかという疑問を解くためには、簡単な実験をしてみます。三つの容器に種をまき、(1)の容器には水をやらない、(2)の容器に種がいつもしめるくらいに水をやる、(3)の容器には水をたっぷり入れる。
 この際、予想をたてることと、水以外の条件は同じにすることが重要です。
 「発芽には水が必要にちがいない。しかし水は多すぎてはいけないのではないか。なぜかというと、鉢植の花も水をやらなければ枯れてしまうが、水をやりすぎてもくさってしまうから」と予想を立てます。この予想と、(1)、(2)、(3)の条件とは関連があるのです。そして、水が必要かを調べるのですから、水以外の条件は同じにしなくてはなりません。同じ種を同じ深さのところにまく。同じ所に置いて、温度や明るさは同じ条件にするということです。
 こうしてはじめて、(1)、(2)、(3)の比較ができ、(2)の適度に水をやった種の発芽がいいということから、発芽には種がいつもしめるくらいの水が必要であるという水と発芽との関連がたしかめられるのです。
 当たり前と思っているごく身のまわりのことの中にも、このように疑問を持って取りくめば、理科学習の教材は豊富にあるのです。
 この中で、理科学習の最も大切な疑問をもつ態度と共に、比較する力、関係をとらえる力も育っていくのです。
 また、水と発芽との関連をたしかめたお子さんは、あたたかくないと発芽できないか、発芽に日光が必要か、発芽に土は必要か、発芽に肥料は必要かと、次々に疑問をふくらませ、この新しい疑問に取りくんでいくはずです。
 理科の苦手なお子さんをみていると、授業中、何となく時を過ごしているのが目立ちます。先生や友人の話をぼんやり聞いている、実験中も参加はしているのだが、何となく、器具をいじったり、グループのメンバーの指示のままにただ計測したり記録したりしているだけということもあるのです。
 まず、学習問題をしっかりつかんでいることが必要です。そして、実験を例にとれば、(1)実験の目的、(2)必要な用具、(3)実験の順序、(4)予想、(5)実験の経過、(6)実験でわかったことこれらが把握されていなければなりません。
 ノートの工夫も大切です。ただ実験中にメモしたデーターの数字だけが並んでいるといったことでは、あとで何のことかわからなくなる恐れがあり、活用もできません。先の(1)〜(6)の項目を、ノートに整理しながら、筋道立って理解していくのです。
 また、ぼくの授業、わたしの授業といった前向きの姿勢で学習に参加していくには、自分の考えを積極的に発表することも大切です。
 科学博物館、科学技術館などへ行くと、実物の展示だけでなく、模型を使って原理の説明をする設備などもあり、思わずひきこまれます。博物館、動物園、水族館などを見学するときも、大切なことはせっかくきたのだから何もかも見て帰ろうと盛りだくさんにしないことです。今、興味を持っていること、今、知りたいことに焦点を当てることです。
 昆虫に興味があるなら、もっと深く知りたいなら、そこに何回でも通うことです。そして、新たに興味、関心をいだいた場所に、また同じように重点をかけて通い、施設を活用していくことです。
 星の学習は学校で観察できないため、理解しにくい分野の一つですが、プラネタリウムは、星の観測入門には最適の施設です。このように、施設を上手に利用することもお子さんを理科好きにする一つの入口なのです。

特定の学科だけ好きな子/ 特定の学科だけ嫌いな子/ 国語を好きにさせるには/ 辞書を利用させるには/ 作文の嫌いな子/ 読書の嫌いな子/ 算数を好きにさせるには/ 計算間違いの多い子/ 理科好きにさせるには/ 実験器具の与え方/ 社会科を好きにさせるには/ 地図や図鑑の利用/ 地域観察とは/ 図画工作を好きにさせるには/ 怪獣の絵ばかり描いている子/ 音楽好きにさせるには/ 流行歌だけに興味をもつ子/ 家庭科を好きにさせるには/ 家庭科と男の子/ 体育好きにさせるには/ 水泳の教え方/ ダンスと男の子/ 英語好きにさせるには/ 辞書を引きたがらない子/

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