地図や図鑑の利用

 小学校五年生の女の子ですが、社会科には地図、図鑑などの参考書も必要と思われます。高学年になるにつれ参考書の範囲も広くなりますが、社会科の教科書以外のこれら参考書は、どのような目安で用意または利用すればよいのでしようか。
 社会科の学習のおもなねらいは、人々の幸、不幸がどのような事実とむすびついているのか、そのむすびつき方をどのように変えていけば、幸せに近づくことができるのかを考えて、できるところから実行していくことにあります。
 ですから、社会にあるいろいろな事実を一つ一つ見取っていくことをたいへん大切にします。しかし、社会にあるいろいろな事実は無数にあるといっていいほどですから、そのすべてを見取ることはとてもできません。そこでは、当然、お子さんの発達に応じて、事実と事実のむすびつきが見えやすく、将来の学習へ発展するような事実を選んで、お子さんに立ち向かわせることになります。
 このことを無視して、社会の事実を何もかもという勉強を強いますと、社会は暗記物だと、お子さんから遠ざける結果をまねくことになるのです。
 このような意味では、お子さんの手にする教科書の内容も、基本的には、それが学習することのすべてとはいえません。教科書の内容も、学習するねらいに合わせて、社会のさまざまな事実の中から例を選んで記述してあるのです。ですから、お子さんが生活している地域によっては、教科書の内容よりもっと適切な事実をとらえて学習をすすめなければならない場合が多いのです。
 このような時、お子さんの力になるのが、地図帳や図鑑、事典などの参考書といえましよう。

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 社会科地図帳は、四年生になると教科書としてお子さんの手もとにわたされます。地図帳の内容は、日本や世界の地理的なようすがわかる基本図と、いろいろな統計を図的にあらわした資料図とに大きくわけられますが、いずれも、社会科の学習をすすめる手だてとして活用していくものなのです。
 教科書の使い方は、ほぼページの順を追ってすすめていきますが、地図帳の場合は、教科書の内容にしたがって、その関係するページを活用していくのです。国語の学習でいえば、地図帳はちょうど辞書か学引きに当たるといってよいでしょう。
 しかし、お子さんによっては、地図そのもの、地図帳そのものに興味をもって、それを丹念に読んだり、テレビを見ながら地図で確めたり、と独自の学習を楽しんでいます。また、教室によっては、雨の日の休み時間などを利用して、地図帳をひろげて地名あて遊びをしているグループも、よく見かけます。
 いずれにしても、ふだんから地図帳に親んでいるお子さんは、学習時においてもすばやく関係のページを開き、適確な読み取りをすすめていくことができます。地図は地表のさまざまなことを約束にしたがって抽象的にあらわしたものですから、その約束を理解することが本筋なのですが、一方で、地図は感覚的に読みとれるような工夫もされているのです。ですから、約束を理解してからというよりは、まず、感覚的にどんどん読んで、だんだんと地図の約束に気づいていくことが、お子さんによっては親しみやすくなると思います。
 ただ、地図は、もともと球面を平面にしてあらわしたものですから、世界のように広い地域をあらわす場合には、どうしても大きなひずみがでてきます。これは、小学校のお子さんには、なかなか理解できにくいことです。そこで、学校でも地球儀を用意して、お子さんの理解を助けているのです。他の参考書と同様に、家庭にも一つ地球儀を用意しておくことをおすすめいたします。
 「高学年になるにつれ参考書の範囲も広くなりますが」ということですが、これもお子さんの学習の広さや深さに関係してのことで、どのお子さんでもということではありません。参考書をそろえただけで活用しなければ、それこそ宝のもちぐされになってしまいます。
 高学年になってきますと、社会科の学習も直接お子さんの目に触れる事実というよりも時間的にも、空間的にも、距離をおいて間接的な事実に取りくむことが多くなります。歴史的内容、日本全休とか世界との関係をみる地理的内容などです。教科書でこのような内容を扱う場合は、どうしても背骨だけの記述になって、血肉の部分が欠けてしまいがちになります。ですから、お子さんによっては、その血肉の部分を知る欲求にかられ、他にそれを求めようとします。このような場合、お子さんの役に立つのが図鑑や事典などです。
 図鑑や事典は、学年の内容に応じて整理されているものと、そうでなく、辞書のように五十音順に並べてあるものもあります。前者は、学習に即していますので筒使に利用できますが、お子さんの要求度によってはものたりなさを感じ、その意味では発展性に欠けるものといえましょう。後者は、利用の対象を比較的幅広くおさえているものに多く、要求度の高いお子さんに適しているように思います。
 また、図鑑や事典のように、あるまとまった知識ではなく、歴史物語や旅行記のような作品も、お子さんの力になる大切な参考書といえます。そこには、その時代や、その地域に生きる人間がえがかれ、社会的な見方や考え方が総合的、関係的にお子さんに追ってくるからです。お子さんを社会科好きにさせるにちがいありません。

特定の学科だけ好きな子/ 特定の学科だけ嫌いな子/ 国語を好きにさせるには/ 辞書を利用させるには/ 作文の嫌いな子/ 読書の嫌いな子/ 算数を好きにさせるには/ 計算間違いの多い子/ 理科好きにさせるには/ 実験器具の与え方/ 社会科を好きにさせるには/ 地図や図鑑の利用/ 地域観察とは/ 図画工作を好きにさせるには/ 怪獣の絵ばかり描いている子/ 音楽好きにさせるには/ 流行歌だけに興味をもつ子/ 家庭科を好きにさせるには/ 家庭科と男の子/ 体育好きにさせるには/ 水泳の教え方/ ダンスと男の子/ 英語好きにさせるには/ 辞書を引きたがらない子/

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