家庭科を好きにさせるには

 小学校六年生の女の子ですが、家庭科が苦手です。女の子なので家庭科の勉強は重要なのですが、ぜんぜん関心がないようです。どのように指導すれば関心を持つようになるのでしょうか。
 女の子なので家庭科の勉強は重要と思っておられるお母さんの気持ちの中に、家庭科は、即縫い物や料理とのお考えはないでしょうか。しかも、縫い物についていえば、型通りきちんと縫えることのみを考え、アイデアは二の次、したがって、うちの子は不器用だから家庭科は苦手、と決めつけておられることはないでしょうか。
 そうではないのです。家庭科は、日常生活に必要な衣食住などすべてを内容としていますから、理科的な内容、社会科的内容、算数的内容とも重なり合い、総合教科といえる要素さえ持っているのです。
 六年生の家庭科の内容に少しふれてみましょう。
 衣領域 - 身の回りの簡単な物の製作(カバン・エプロン・刺繍)日常着の手入れ(洗たく、ほころび直し)日常着の着方とその選び方
 食領域 - 二品程度を組み合わせた調理実習、米飯、みそ汁、卵料理、じゃがいも料理、サンドイッチ、飲み物など、調理のみでなく献立の作り方、食事の社交的な意義
 その他の領域 - 健康な住まいの工夫、生活に役立つ簡単な物の製作、家族の生活時間を考え、家族生活に協力する、買い物の仕方やこづかい帳の記録などを工夫する。
 以上のように、五年生が家庭の仕事に焦点をあてるのに対し、六年生は協力して家庭生活をよりよくしていこうとする態度を養い、計画的なうるおいのある生活をめざそうとするねらいを持っています。
 ですから、調理といっても単に技術的なことだけでなく、献立て作り、買い物、そしてお子さんが家族の一員として、家族のために、必要に応じて食事を整えることが可能になることをねらっているのです。
 住まいの工夫についても、彩光、風通し、照明、暖房といったことの他に、気持ちよく楽しく過ごせるために、家具の配置やカーテンの工夫、室内の飾りなど、アイデアの生かせることはたくさんあるのです。

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 ご家庭には来客も多いと思います。それも親しい親戚の方から、お父さんの会社のお客様といった方まで多岐にわたると思われます。学校では、訪問と接待という単元の中で、来客へのあいさつ、お茶やお菓子のすすめ方など、一般的な学習をしますが、このようなことを、相手のお客様に対応して具体的に試みられるのは家庭です。
 楽しく夕食の食卓をかこみながら、ふと、今日の献立の栄養を考えてみます。ごはん、ポタージュスープ、ハンバーグ、粉ふきいも、キャベツの千切り、炭水化物、脂肪、たんぱく質、無機質、ビタミンの栄養素はこの中に含まれています。献立を考える時、いつも主要な栄養素が欠けないように配慮しながら、しかもおいしくて、見た目にも美しく食欲をそそるように工夫しなくてはなりません。学校での栄養の学習や調理実習などを生かして、お母さんと一週間の献立表をつくり、実際に買い物をしたり、台所にも立って一緒に食事の準備をする。こんなことも日々の生活の中でできる学習です。
 お子さんが家庭科に関心がないと決めつけたりせずに、お母さんがちょっと手をさしのべ、一緒に仕事をしながらお子さんの興味が湧くように、言葉をかけたりしてくださると、効果は大きいと思われます。食事の準備にしても後かたづけにしても「六年生なのに、そんなこともできないの」といった責めることばかけでなく、「ああ、その盛りつけは色どりがきれいね」「今日の目玉焼きはなかなか上手にできたわね」といったほめることばかけ、そして、「緑の野菜が足りないけど、何をつけ加えたらいいでしょうね」といった考えるきっかけをつくる言葉がけが大切なのです。
 子ども部屋兼勉強部屋をみてみましょう。気持ちよく過ごすために工夫することはここにも山積みしています。風通しをよくするために窓を少しふさいでいた本棚の位置を変えてみよう。夏の間だけカーテンの他に日よけは工夫できないだろうか。小物がちらばるので、ダンボールの空き箱を利用して、小物入れを作ろう。いずれも楽しい住まいの工夫ですし、工夫や努力の結果は、すべて快適な暮らしにつながっていきますから、お子さんにもやりがいがあるといえましょう。
 このように、家庭生活の中のあれもこれもが教材であり、お子さんを家庭科好きにする素材もあふれているのです。
 最近は、どこの家庭でもお子さんが一人か二人、したがって、お母さんの手は余っています。それでついお母さんがいたれりつくせり日常生活の細々したことに手を出されるのでしょう。ボタンがとれていたらお母さんはすぐにつけて上げる、スカートのすそがほつれていたらすぐにぬってあげる、くつ下もハンカチもいつもきれいに洗濯されたものがお母さんの手で引き出しに整理されている。これは、お子さんにとってはかえってマイナスなのです。少々できは悪くても、ボタンつけや、スカートのすそのまつりぐらいは、自分でやってみることが大切なのです。針目はまがっていても自分でつくろったものはうれしいものです。お母さんは、気づかぬうちにお子さんの仕事を取り上げていることがないか、一度反省してみていただきたいものです。
 また、学校の家庭科の宿題なども、裁縫に類する手仕事やミシンかけなど、ついお子さんを見ていて歯がゆくなり手を出されることはないでしょうか。
 お子さんとお母さんの年令差を十分に考え少々のまずい出来でも、よいところを見つけ出してほめ、お子さんのヤル気を育てることが、お子さんの家庭科好きにつながると思われます。

特定の学科だけ好きな子/ 特定の学科だけ嫌いな子/ 国語を好きにさせるには/ 辞書を利用させるには/ 作文の嫌いな子/ 読書の嫌いな子/ 算数を好きにさせるには/ 計算間違いの多い子/ 理科好きにさせるには/ 実験器具の与え方/ 社会科を好きにさせるには/ 地図や図鑑の利用/ 地域観察とは/ 図画工作を好きにさせるには/ 怪獣の絵ばかり描いている子/ 音楽好きにさせるには/ 流行歌だけに興味をもつ子/ 家庭科を好きにさせるには/ 家庭科と男の子/ 体育好きにさせるには/ 水泳の教え方/ ダンスと男の子/ 英語好きにさせるには/ 辞書を引きたがらない子/

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