英語好きにさせるには

 中学校一年生の男の子です。中学で初めて習らうことになった英語という教科に、うまくなじめないようで、本人もどこからとりついていったらよいのか困惑している様子です。習い始めて半年を過ぎようとしていますが、発音や単語のつづりなどもでたらめで、本人の意欲も薄れがちになっているようです。何かよい指導法があるでしょうか。
 まず、第一に、英語は言葉であるのですから、発音や単語や熟語、あるいは文章をも暗記してしまわなければならないということを覚悟してかかることです。暗記しなくても何とかなるという期待を捨てなければなりません。
 このように、はじめからいうと、少々きついようですが、このほかに英語を好きにさせる方法がないからです。英語が苦手だとか、英語がきらいだとかいっているお子さんをみると、英語の勉強で苦しんでいない場合が多いのです。英語に限って、できる人は遊んでいてもできるということはありません。英語のできる人、好きな人は、必ずどこかで苦しい勉強をくぐってきた人たちなのです。
 お子さんの場合も、英語になじめない、どこからとりついていいかわからないというあいまいな状態から早く脱出しなければなりません。教科書に出てくること、授業で先生のお話されたことを、どんどん暗記することから始めてみてください。
 英語の勉強は、耳、目、ロ、手ぶり、ジェスチャーなど、全身を使います。そして、学校では、わずか週三〜四時間の学習時間ですが、家庭では毎日すすめなければなりません。学校で授業のある日に合わせて、家庭でもときどきということは許されません。しかも、ただまじめに取り組むというのではなく、意欲的に、積極的な学習態度が必要です。少々まちがえることがあってもはずかしがるようなことではいけません。声を出し、手ぶり、身ぶりをしながら取り組む姿勢が大切です。そうしなければ、英語を暗記し、身につけることはできないからです。
 そうしながらも、英語の力は徐々にしかついてこないものです。そういう意味で、英語の勉強は苦しい長期戦といえましょう。

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 英語の勉強は、階段を一段一段登るように一つ一つのことを積み上げていくものです。本問のお子さんの場合、もう半年も経過していますから、この階段を、もう一度点検して、つまずきを発見し、そこまで立ち戻って勉強しなおすことです。もっといえば、教科書のはじめから出直し、読み、意味、書き、そして、そのすべてを暗記することです。
 そして、一課ごとに、たしかに身につけることができたかどうかをテストしてみることです。この場合、暗記したことをノートに書いて教科書と照らし合わせてみる方法もありますが、これだけでは十分ではありません。思いきって先生にお願いしてみること、あるいは、友人と相互にテストしあうこと、お父さんやお母さんに立ち合ってもらうことなどして、一段一段と階段を登っていくようにしたいものです。
 このように、教科書を中心に復習をすすめてくると、英語の言葉のしくみにだんだん慣れてきて、新しい課にすすんでも、それが全く新しいものでなく、前に登った階段の跡がはっきり見えてくるようになります。積み上げのようすが見えてくるのです。これは一つの大きな進歩なのです。ただ丸暗記の状態から考える暗記の段階に入ったのですから。いいかえれば「なるほど、英語っていうのは、日本語と、ここがちがうのだな」ということがいえるようになり、英語に対する一つの興味や関心をもつきっかけができるのです。
 このお子さんの姿を、お父さんやお母さんは正しく認め、さらに学習意欲を起こすように励ますことが大切です。
 教科書を中心にした学習に余裕がでてきたら、やさしい中学生向きの英語の読み物を買って、教科書と同じように、読み、意味、書く、暗記の順に勉強をすすめてみることもよいでしょう。このような読み物には、必ず日本語の注釈がついていますが「絶対見ない」という決心をして、できるだけ辞書を引く回数を多くし、辞書にも馴れていく訓練をしていきたいものです。
 中学一年のO君は、日本の昔話「桃太郎」の英語版を読んで、それをすっかり暗記してクラスのパーティーの出し物として英語で語ったところ、大好評を得て、すっかり英語に自信をつけたのです。この場合、話の筋を知っていますから、読んだり、意味をとったりすることも、そして、暗記することも、楽しみながらできたことがよかったとO君はいっています。そして、パーティーの出し物としても、聞き手の人も話の筋を知っていますから、語り手との間に交流がもて、効果的だったのでしょう。とてもおもしろい試みとして参考になります。
 また、同じ中学一年のE君は、NHKのラジオ講座を聞いて勉強していました。これはテキストにそって毎日連続してすすめる勉強です。外国人のゲストが登場したりして、生きた英語に触れることができるので、その意味でも効果的な勉強と考えられます。しかし、必ずしも、すべての中学一年生の力に合うというものでなく、毎日、先へ、先へと進み、すぐにむずかしくなるという点で、だれにでも勧めていいというものではなさそうです。E君も、ニカ月ばかり歯をくいしばってついていきましたが、とうとう教科書中心に切りかえてしまいました。E君のとった態度はこれでよかったのではないでしょうか。自分の力で精一杯取り組めるところで、はじめて力が発揮できるのですから。苦しんで勉強することと、無理をすることとはちがうのです。

特定の学科だけ好きな子/ 特定の学科だけ嫌いな子/ 国語を好きにさせるには/ 辞書を利用させるには/ 作文の嫌いな子/ 読書の嫌いな子/ 算数を好きにさせるには/ 計算間違いの多い子/ 理科好きにさせるには/ 実験器具の与え方/ 社会科を好きにさせるには/ 地図や図鑑の利用/ 地域観察とは/ 図画工作を好きにさせるには/ 怪獣の絵ばかり描いている子/ 音楽好きにさせるには/ 流行歌だけに興味をもつ子/ 家庭科を好きにさせるには/ 家庭科と男の子/ 体育好きにさせるには/ 水泳の教え方/ ダンスと男の子/ 英語好きにさせるには/ 辞書を引きたがらない子/

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