辞書を引きたがらない子

 中学校三年生の男の子ですが、辞書を引きません。英文を和文になおす時や、和文を英文になおす時には、必ず辞書を使用した方がよいと思うのに使用しませんので心配です。辞書を引く習慣をつけさせるためには、どのようにすればよいのでしようか。
 お子さんが、どうして辞書を引かないのか、その原因がどこにあるのか、はっきりしませんが、辞書を引かなくても、正しく英文を和文になおしたり、和文を英文になおすことができているのならば、それはそれでいいともいえましょう。しかし、実際は辞書を引かないために、正しい英語の学習ができていないのでご心配しているのだと思います。
 中学生になって、はじめて英語の勉強をするお子さんが大部分ですが、学校では、この入門の時期に辞書の使い方の指導をていねいにします。それは、国語の場合は、辞書を使わなくても、書けない漢字はひらがなで、読めない漢字や意味のとれない言葉は前後の関係で推察してしまうということがままできますが、英語の場合はそれができないからです。
 ところが、せっかく英語の辞書の使い方を指導しても、英語の教科書を見ると、そこに出てくる単語の読み方(発音)や意味が示してあるコーナーがあり、いちいち辞書を引かなくてもすむようになっているのです。ですから、先生が教科書以外の応用的な文章をお子さんたちの前に出さない限り、この時期にお子さんが辞書を引くということがあまりないといってもいいのではないでしょうか。
 しかし、このような状態も、だんだん学習がすすんできますと、単語のコーナーも教科書からなくなり、文章の中にわからない単語がたくさん出てくるようになると、どうしても辞書を引かざるを得なくなってきます。一つでもわからない単語があれば、そのたびに辞書を引いてきたお子さんは、ここでも辞書を活用してのりきることができます。しかし、辞書を引かずに友だちの引いたものを利用させてもらったり、あいまいにしてすませてきたお子さんにとっては、ここにきて大変な苦痛になるわけです。そして、ついに辞書を引かずに教科書準拠の虎の巻のお世話になるということになるのです。

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 虎の巻にたよるということは、自分で努力して獲得した力ではありませんから、応用力に乏しく、その場かぎりのものになりがちです。特に、英語は言葉ですから、その範囲は限りなく広がります。発音、単語、熟語、あるいは文章をも暗記してかかり、しかも、それを応用的に活用できるようにしていかなければなりません。その意味で、英語の勉強は苦しい長期戦なのです。虎の巻の中に逃げ込んでいては、それを達成することはできません。
 さて、お子さんは、辞書の引き方についてはわかっていると思っているのでしょうが、理屈として単に引き方を知っていても、それが実際に身についていなければ、本当にわかっているといえません。引き慣れて、自分のさがしたい文字や言葉が早く見つかり、そして、そこで思わぬ発見をし、発展的、応用的な学習の経験を積むことによって、はじめて辞書の引き方がわかるということになるのです。
 では、辞書を引き慣れるにはどうすればいいかということになるのですが、これは、当然のことですが、数多く引くこと以外に方法がありません。それには、どうしても。手のとどく辞書を、手のとどく所にということが大切になります。お子さんにとって辞書の内容が高度すぎては使いこなすことはできません。お子さんの手のとどく内容のものを選ぶべきです。そして、お子さんのいつでも手のとどく所に、つまり、身近においてすぐ引けることが重要です。
 また、お子さんの性格にもよるのですが、辞書を引く生活をお子さんだけに求めるだけでなく、ご両親をはじめ、家族の人たちが、英語に限らず、辞書を生活の中に位置づけて活用していくことが、お子さんも、辞書を引くことを当たり前のこととして抵抗なく受けとめていくように思われます。
 ところで、辞書だとか、辞典だとかは、わからないことがあった時だけ活用するものと考えられがちですが、そうでない時に、開いてみても、なかなか面白い発見ができるものです。必要に迫られて辞書を引くと、どうしても狭い範囲にとどまってしまいますが、少しゆとりがあれば、その語や言葉を中心にした例文や品詞を関連的に探り、広がりや奥行きを求めることもできます。
 このようにして、語彙を増やし、言葉を理解する力を高めていくことは、単に教科としての英語の力を高めるだけでなく、学習全般、生活全般にわたる思考力を豊かにし、お子さん自身を大きく成長させることにつながるのです。
 どれだけ多くの言葉を知っているか、どれだけ言葉の意味を正しく理解しているか、どれだけその言葉を利用する力があるか、ということが、考えるささえになっていくのです。
 お子さんが、辞書を引くことに慣れてきたら、何種類かの辞書を備えてみることをおすすめします。辞書は、決してすべて同じというわけではないのです。一つの言葉の意味の解釈でも、微妙なところで少しずつちがっていることに気づくにちがいありません。それが、きっと、お子さんに新たな興味を引き起こすことになるでしょう。

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