幼稚園か保育所か

 幼稚園は、幼児の身体、運動機能的、知的、社会的、情緒的な諸能力の芽生えを全面的、調和的に発達させることを目的として、学校教育法の規定に基づいてつくられている学校で、文部科学省の所管になっています。
 満三歳から小学校に入学するまでの幼児が入園できるのですが、義務制ではありませんから、何歳から入園させるかは、保護者の自由です。
 保育には、幼稚園教諭があたり、一日の教育時間は四時聞か標準になっています。設置は、国、地方公共団体と学校法人が原則となっていますが当分の間、個人でも設置することができますので、国立、公立、私立などがあります。
 幼稚園は、保育所(園)とともに、就学前の子どもたちを対象とした保育の機能をもつ機関であって、小学校の準備教育をするところではありません。
 ところが、最近、私立幼稚園などで、本来の就学前教育の目標から逸脱して、幼児に知識や技能を教え込み、英才教育や小学校の予備校化した保育をする幼稚園があり、心配されています。

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 保育所(園)は、戦後公布された、児童福祉法によって、わが国で初めて掲げられた児童福祉の理念である「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、かつ、育成されるよう努めなければならない、すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」に基づいて児童福祉施設の一つとして発足したものであり、厚生労働省の所管になっています。
 幼稚園と違って、一日八時間の保育を原則として行われていることは、一見むかしの託児所と似ているようですが、保育所の役割はもっと積極的な児童福祉事業の性格をもっています。
 ですから、保育所を利用できる家庭は、両親が共働きだとか、母子家庭だとか、母親が病気で乳幼児の保育ができないなど、市町村長が認めた家庭に限られることになっていますが、このような家庭は必ずしも低所得家庭ばかりとは限りません。保育所は、こうした家庭で、日中子どもの保育のできない状態を袖って、子どもの心身の健全な発達を助長することをねらいとしているのです。
 しかし、最近は、出生数の減少などを背景に、一般家庭から子どもを預かる保育所もあり、幼稚園化の点が指摘されています。
 保育には、保母があたり、生後六か月ころから小学校入学までの乳幼児が入園できることになっています。
 子どもを育てるのは、親の義務であり、特に乳幼児は、母親の手元で育てるのが、その成長、発達にとって最もよいということは、誰もが承知していることです。
 ところが、子どもの数が減少する一方で、親にゆとりが出てきたせいか、親の子どもへの手のかけ過ぎが目立っています。そして、家庭保育の過保護、盲愛的もしくは放任的態度からおこる育児の欠陥がいろいろな面に現れ、幼児の正常な成長、発達を阻害している点が指摘されています。また、家庭保育では経験できない、集団生活への参加の必要性も叫ばれる中で、幼稚園や保育所に子どもを託して、就学前幼児のより円満な発達を図ろうとしているわけです。
 このように、よりよい保育をするために、家庭のお手伝いをする反面、共働きや、病気などのため、親が保育しようと思ってもできない状態におかれている幼児の育児を代行してもらうため長時間保育を託す場合があるわけです。
 ですから、所管、目標は違っても、幼稚園、保育所のいずれにしろ、三歳以上の保育内容については違うものではありません。
 だから「なぜ子どもを預けるか」の親の目的を明確にして、地域の幼稚園、保育所の中から選択することが適切かと思います。
 ただ、都会地などで、親が自分本位の旅行やレジャーなどのため、子どもを足手まといに考えて一時預けにする親の増えていることは考えさせられる問題です。近ごろのベビーホテルや無認可保育園の増加がそれを裏づけるものであってはならないと思います。
 幼稚園も保育園も、共に就学前の幼児を対象とする保育機関でありながら、現在、幼稚園は教育機関として文部科学省が、また、保育園は児童福祉施設として、厚生労働省がそれぞれ別個に所管していて、両者の間には内容的な調整が図られていません。
 保育園がたんに託児の機関ではなく、保育の機能をもっているものであれば、すべての幼児に差別のない保育の機会が保障されるよう、保育内容の充実が図られなければなりません。そうした理念を名実ともに実現するためには、三歳以上の幼児が、幼稚園と保育園とに区別して入園させられるのではなく、両者を統一して小学校のように無差別平等に幼児教育を行うのが望ましいというのが一元化の考えです。しかし、最近の検討結果の情報では「簡単に一元化が実現できるような状況ではない」として「両者がその目的、機能に応じて適切に整備され、両者が相まって乳幼児の健全育成が確保される必要がある」と強調するにとどまっています。いずれにしても、幼稚園教諭と保母の協力休制づくり、文部、厚生両省の幼保の調整に乗り出すよう求める声は高いようです。

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