小学校の選び方

 幼稚園が終わり、四月から小学校へ通わせることになった女児です。通学区域もきまっており、学校もきまっていますが、小学校にもよい学校と設備など十分でない学校があるとのことです。子どものためには、よい小学校を選ばねばと教えてくださる方もいますが、小学校にも学校差があるのでしようか。
 四月から、小学校へ入学する姐さんを持つお父さんが、ある市へ転勤の内示を受けたので、お母さんは、夏休みを利用して学校さがしに出かけました。学校を決めてから、適当な家をさがそうというのです。
 お母さんは、公立、私立全部の学校を回り、見たり、聞いたり、調べたりしました。施設設備は似たりよったりでしたが、外観がすばらしかったり、校庭やプールが広かったり、整理、整頓が行き届いていたり、全人教育を目標に掲げているどいう先生の説明など、それぞれに、魅力を感じる学校があり、迷ったあげく、市内の有名校として評判の高い公立のA校に決め、その学区内に住むことにしたのでした。
 ところが、一年もたたないうちに「勉強、勉強で、しつけが悪い」「先生方が不親切だ」などと不満をもらしていました。
 とても、熱心なお母さんですが、このような例は特別であって、普通は、住居によって役所が子どもの通学する学校を指定してくれるので、親が苦労して、学校さがしにとび回る必要はありません。
 小学校は、義務教育ですから、日本中どんなへき地へ行っても子どもの学ぶ学校があるわけです。それにしても、このお母さんは、わが子を少しでもいい学校へ入学させようと、学校選びをされたようですが、学校の評価は難しく、見かけだけでは簡単にわからないようです。

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 公立学校の場合、国でも、各自治体でも、どの子も平等に教育を受けられるように、常に学校格差の是正に努めています。校舎の建築、施設設備の充実から、人事面にいたるまで細かく配慮されていますので、基本的にはその面の学校差は考えられません。
 ただ、予算の都合があるので、どの学校も一斉に、鉄筋コンクリートの新校舎に新築するとか、高価な教育機器をそろえるということはできませんから、順々に整備しています。そのための格差を見ることがあると思います。
 環境や施設設備を教育に生かすのは、校長であり、先生方ですから、学校の経営面での違いが出ることは当然です。そこには、校長の経営手腕や先生方の協力体制、指導意欲などがかかわってくる大切な面なのです。
 しかし、これを、外部からはっきり見極めることは難しいことで、校長はじめ先生方は、専門の教養を積み、厳しいチェックを通ったプロが携わっているのですから、これは学校差というよりも、学校の特色と考えるべきでしょう。親は、わが子が学ぶ学校を批判する前にまず、信頼することが何より大切なことだと思います。
 どこへ行っても評判の店があるように評判の学校があるものです。そして「以前は評判だったが、今は」と、評判も時の流れによって変わるようです。
 ところが、店の場合は、値段が安いとか、新鮮だとか、昧がいいとか、評判のポイントがはっきりしているのに比べ、学校の評判となると、そのポイントが曖昧ではっきりしないことが多いようです。
 この評判の善し悪しを学校差と考えるのでしょうか。たしかに、小学校にもいろいろな学校があることは確かです。たとえば、規模の大小からいえば、子どもの数が千人以上も在籍するマンモス校から、都会でも百人に満たない学校もあり、へき地に行くともっと少人数です。そして、子どもの数が多ければ、先生の人数も多くなり、校舎も大きくなるのは当然です。大きい学校がいい学校なのでしょうか。
 また、伝統からみても、創立以来百年以上の歴史をもつ学校から、最近、開校したばかりの学校まで様々です。古いとか、新しいと言うことで、学校の善し悪しが決まるでしょうか。まだ、いろいろの視点から学校を評価できるでしょうが、どうも一般的には「あの学校は進学率が高い」「あの学校へ行ったら勉強ができるようになる」といった点からとられている場合が多いように思われます。
 そして、一途に、子どもの将来を考える親たちは、越境入学してまでそういう学校を選びます。そういう学校では、親の期待に応えようとするため学校内の体制が変わってくるのです。学校によっては、全校児童の半数近くが学区域外の遠方から通学する学校もあるように聞きます。しかし、正常な義務教育を期待したり、学力の劣った子どもを持つ親たちには不評判のようです。
 たとえ、名実ともに当たっている有名校、評判校があったとしても、所詮は、ひとりの自分の子どもの教育の問題です。
 「学校がよければ、うちの子がよくなる」と、簡単にはいきません。この子のために、よい学校、よいクラス、よい先生であるよう学校への協力が大切なことです。
 公立、私立を通じて、いろいろな面で学校差はないとは言えないでしょう。しかし、義務教育の小学校では、学校差のないことが望ましいことです。教育という仕事は、人間を育てるのがねらいですから、どんな子どもが育てられているかという教育効率の点で学校差があってはならないと思うのです。だから、施設設備など物的面はもちろん、校長の学校経営、先生方の指導技術、熱意など総合されて出てくるものと思います。この点、親もその一翼を担って協力していただきたいと思います。

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