教室で手を挙げない子

 娘が小学校三年生に進級して一か月目の授業参観の日でした。先生の質問に対し手を挙げ、指名されましたが、答が違っており、それ以来手を挙げない子になってしまいました。担任の先生からもいろいろご指導をいただいておりますが、わかっている問題でも絶対に手を挙げようとしません。どうしたら、かたくなな子どもの心を解くことができるでしようか。
 授業中、先生に指名されて答えるということは子どもにとって相当勇気のいることです。特に低学年の場合や内気な子になると、まとまったことを発表するのは大変なことです。だから、先生に質問される子どもたちの気持もいろいろに揺れ動きます。
 「わかるけど、もし間違ったら大変」「さわらぬ神にたたりなし」「わからないけど、手を挙げないとはずかしい」など、手を挙げる子、挙げない子の気持も複雑です。
 こんな子どもの気持を考えて、先生は、緊張をほぐし、気軽に返答できるようにといろいろ工夫します。指名された子が失敗しないように能力を考えて指名し、間違えばヒントを与えて成功させるように、自信をもたせるようにと配慮するのです。
 また、座ったままで答えさせたり、上手に答えたらみんなで拍手を贈ったり、場合によっては、わかっていても発表したがらない子を拾い出して引き立てるようにもします。
 勇気をもってせっかく発表した子どもを、失敗感をもたせたり意欲を失わせてはならないからです。

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 友だちがしくじると一斉にかん声をあげたり、やじったりするクラスがありますが、よくないことです。また、授業参観日にうしろに並んでいる父母が子どもたちに同調して笑ったりするのも参観の態度として褒められません。
 授業者親日は、子どもにとって親が授業を見てくれるうれしい日であると同時に、やはり子どもなりによいところを親に見てもらおうと緊張しているものです。
 まして「今日はお母さんに恥をかかせないようにしっかりやってね」などと出がけに言われたのでは失敗は絶対に許されません。ですから先生方は、ひとりひとりの子どもの能力や性格に細かく気をくばって授業をすすめなければならないのです。
 ところが親によっては子どもの気持を無視して「あんたのためにお母さん今日はとんだ恥をかいたわ、もう授業参観などいかないからね」と失敗した子を叱ります。これでは子どもの失敗感に追いうちをかけるようなものです。
 先生にも友だちにも、そして、参観のお母さんにも褒められようと期待をかけて発表した答えが間違いであり、みんなの前で笑われ者になったとしたらどうでしょう。子どもは失望のどん底に突きおとされ劣等感を味わうことでしょう。
 それが内気な子や頑固な子だったら閉じた心はなかなか開くものではありません。先生や親に諭されれば理屈ではわかるでしょうが感情のこだわりは簡単に解けるものではありません。
 子どもの性格は様々で、人前で笑われてもけろっとして平気でいる子もいれば、貝のように心を閉じてしまう子もいます。
 家庭で甘やかされ過保護に育ち、正しいしつけもされず自己中心的な生活になれてきた子は幼児期の反抗が三年生ころまで続いたり、反対に、親の態度が厳しく、愛情が足りなかったりするとなんでも反対する頑固さができたりします。また、いつも頭ごなしに子どもをしかりつけたり、子どもの自主的な行動を一切認めなかったりすると反抗的な行動をとる子になります。
 こんな子どもが、強情、頑固、ひねくれ、つむじまがりの傾向を示すわけです。このような子が一度抵抗を示したら心のもつれを解きほぐすのが大変です。
 さて、三年生のこの女の子の心を開くかぎとしてまず次のことを考えてみてください。
 どんな性格の子どもか、また、これまで家庭で特別変わった行動はなかったか。家庭では、この子に対する親の養育態度はどうだったか。近所や学校の友だち関係はどうだったか。このような点に今度のことの間違いがひそんでいないでしょうか。
 次のことは第二のかぎとして考えてみてください。
 今まで授業中は、普通に手を挙げ活発に発表していたか。今度のようなことは初めてか。間違った発表をした時、周りの友だちや父母が笑うとか、ひやかすとかしたのか。間違った返答に対し担任はどのように指導したのか。事後、担任や親はどのような指導をしたのか。わかっているのに手を挙げない理由として、子どもは何と言っているのか。これらの点から近因をさぐってみてください。
 以上のいくつかのかぎを考えていくとき、きっと彼女の心のひっかかりが解明され指導の道も開けることでしょう。今は、ただやみくもに手を挙げさせ、答えさせることにあせるのでなく、原因をさぐり反省して子どもの気持の外ぼりから理めていくことが大切でしょう。
 まず、親や担任と子どもとの人間関係を子どもにとって気楽なものに調整していくことです。できるだけ友だちのように相手になってつき合ってあげるといいでしょう。
 また、クラスの友人関係を協力的で温かい支え合いの雰囲気にすることです。緊張感がなく間違っても友だちが笑ったりせず助けてあげ、安心できる仲間関係にすることです。そのうち機会をとらえて答えさせ、うんと褒めてやるといいでしょう。あせらず指導すればきっと心がほぐせれることでしょう。

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