本を読むとあがる子

 小学校五年生の娘の事ですが、先日学校から帰宅すると自分の部屋へ閉じこもってしまったので心配になって開いてみたら、学校で国語の時間教科書を朗読するよう言われたのだけど何度もつかえて顔が真っ赤になったら友だちに笑われたのがショックだったようです。今までも何回かあったのですが、どうしたらよいでしょうか。
 みんなの前で話をしたり、本を読んだりするとき、つかえるとあがってしまい次が言えなくなったり、まして、周りから笑われたりすると泣き出してしまう子がいます。
 普通の子は、あとはすぐけろっとしていますが、内気ではずかしがりの子や、劣等感をもった気の弱い子や、うぬぼれで自負心の強い子などは、高学年ともなるとひどいショックをうけ、傷つくことがあるものです。
 学校では、このようなことがないよう、協力的な楽しいクラスの雰囲気づくりに努めたり、ひとりひとりの子どもの性格などをよく考えて担任の先生は指導に当たっています。
 しかし、子どもの心はデリケートですから先生の気の届かないときや、うっかりしているところで子どもの心が傷つけられることはいくらもあるものです。
 このような、心の傷や失敗感(劣等感)を自分でコントロールし、乗り越えていく力のある子に育てることが大切です。

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 人間は、背の高さや容貌、皮膚の色など外見で価値が決まるものではありません。
 まして、身体的欠陥や成績のよしあし、本を読めないなどで差別したり、劣等視するものであってはなりません。子どもも、高学年以上になると、つまらないことを苦にして自信を失うことがあります。人格の上下は人間の心の待ち方や態度で決まるものであるという、人間の価値に対する正しい考え方を常に教え、自分に対する信頼感をもたせることです。
 自分の引け目、劣等感というものに正攻法で努力し、克服していくことです。朗読に失敗したら、徹底的に努力し、名誉を挽回するのです。親も協力して先生と連絡をとり、再度友だちの前で見事に朗読するチャンスを与え成功感を味わわせることです。きっと、自信をとりもどすことでしょう。
 国語の朗読は下手でも、人間には何か得意があるものです。算数とか体育とか、また、作文、編物、歌、ピアノ、なんでもいいでしょう。そういうものでなくても、親切、思いやり、約束を守るなど、心の清い人になることでもいいでしょう。そういうことで自信と生きがいを見い出すことです。
 この自信、生きがいは、やがて、不得意なことをする際にも役立つことでしょう。そして自分をできないという思い込みから救ってくれるものです。
 要求水準が高すぎると自信を持ちにくいものです。自分より上ばかり見て劣等意識をもってしまう目を転じて、自分より下を見る目も大切です。
 自分より朗読の下手な子や、つかえる子はクラスにいくらもいるはずです。そちらに目を転じたとき枚われる気持になるでしょう。
 素直に自分を見つめる心をもつことです。いつも、自分をよく見せようとすると緊張したり、無理したりするものです。虚栄心の強い子、自負心の強い子は、とかく背伸びをし、失敗したり、人に無視されたりするとショックをうけるものです。
 自分に対して客観的になり、普段着の生活になれることです。つまり、自分を過大視したり、過小視したりしないことです。そして、そのことは子どもだけでなく親もまたこの態度が必要だと思います。
 よく「愚痴をこぼす」と言いますが、失敗や悩みは、人に話してしまうと心が軽くなるものです。それには、母と娘が常に愚痴を話し合える関係にあることです。そして、弱点をさらけ出した母親の話に共感し、親密さを深め、あんど感をもつことでしょう。
 学校では、「友だちに負けるな」と言い、一方で「友だちと仲よくせよ」と言います。
 たしかに、学校では矛盾した協調と競争が混在しているようです。しかし、これはどこまでも友情やお互いの信頼感が底を流れていることを忘れてはなりません。
 クラス内の友人関係も同じことが言えると思います。
 友情厚いクラスメートは、いつも支え合い、激励し合い、信頼し合い、困っている級友がいればすぐ手をさしのべ、悩んでいる友だちの相談にのってやり、失敗した子を激励してやるクラスの雰囲気づくりに担任教師は努力しています。
 だから、朗読を指名された子には、無言の支援をおくり、成功を期待するはずです。もちろん、つかえたり、立ち往生したからといってやじったり、笑ったりしません。
 彼女の失敗、はずかしさは、友だちみんなの気持だからです。
 朗読に失敗し、悲観する彼女を、みんなでなぐさめ、激励することでしょう。
 このような、信頼に支えられたあたたかい友人関係こそ、子どもたちを育てるものであり、先生方もこのようなクラス環境を願い、常に努力していることと思います。
 「親に似ない子は鬼子」とは、私たちの子育てに、深い示唆を与えてくれます。
 事にのぞんで極度に緊張したり、はずかしがったり、失敗によってがっくりし、劣等感をもったりする子どもの性格は、親の性格や、子育ての親の態度によって形成されるものです。
 子どもに対する親の期待が強すぎたり、過度にしつけが厳しかったり、また逆に、ひとりっ子などで保護、干渉、溺愛にすぎて、甘やかし、わがまま、依存的に育ててしまい、社会性が未熟だったりする子に多いようです。養育態度についてふり返ってみてください。

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