忘れ物をする子

 小学校一年生の男の子の母親です。息子の通っている学校では先生と親との意見が交換できるように連絡帳があります。その中に書かれていた事で、忘れ物に注意してください等が書いてありました。息子には夜寝る時に時間割を調べて忘れ物がないようにと注意をしてるのですが、あまりくどく言わない方がいいでしようか。
 子どもは、自然のままに育っていくと、次第に自分の身の回りのことは自分でしたいという興味を持つものです。
 自分で寝まきを着たがり、食事をしたがり、顔を洗いたがり、あるいは母親の掃除の手伝いをしたがったりします。そんな時あぶなげなのでかばってやったり、かわいそうだということで赤ん坊扱いしたり、ぐずぐずしていてじれったいとか、また足手まといになるからというので親がやってしまったりすると、自分でやる興味を失い、かえってやってもらうほうが便利だと考えて、それを好むようになり依頼心の強い子になります。
 また、何から何まで子どもの生活にいろいろ干渉して「早く起きなさい」「忘れ物はないの」「宿題はやったの」と言い続けて子ども自身の生活をつぶしてしまうことも依頼心の強い子をつくる原因です。
 溺愛や過保護で、手出し口出しが過ぎることは子どもから自主性をうばい、ひとり立ちできない子にしてしまいます。
 子どもは生まれつきひとり立ちできる力を持っているのですから、子どもの生活にはあまり干渉せず、行動的な生活を楽しむように育て、親は、手出し口出しをほどばどにしておくことが大切なことです。

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 親は子どもをいつまでも赤ん坊のように思っていますが、子どもの心身はどんどん成長しているのです。学校でやっている子どもの自治活動ぶりを見て、家で見るわが子との違いにどの親も驚くことでしょう。
 子どもはやらせればできるのです。もちろん、はじめからうまくできないでしょうが、やらせているうちにだんだん上手にできるものです。
 それに子どもはやってみたがるものです。子どものやれることをやらせず、その芽を鏑んでしまうのが親なのです。
 子どもは、どんなつまらないことでも自分ひとりの力でやってみたがり、やった結果の「できた」「わかった」「つくれた」という満足感は底知れない喜びなのです。そのうえ、親に認められたり、褒められたりしたら、やれと言われなくても、またやってみたくなり、意欲づいてくるものです。失敗してもそれを経験として再度挑戦するものです。
 そんな成功や失敗の経験の中で子どもに自信ができ、自主性がついていくのです。
 また、宿題をやる、忘れ物をしない、ということは、当然子ども自身の問題です。ところが、親や先生がやかましく世話をやくと、親や先生のために宿題をしたり、忘れ物をしないようにしていると思い込んでしまうものです。
 忘れ物をしたらなぜいけないのか、忘れ物をしたら誰が困るのかを子ども自身にしっかり自覚させることです。
 忘れ物は、親や先生にしかられたり、罰を与えられるから、忘れ物をしない類のものではなく、自分自身のこと、忘れたら自分が困り他人にも迷惑をかけることとして認識させることが必要でしょう。
 大人でも、おだてられているとわかっていても褒められると悪い気はしないものです。
 「よくできたわね、もう一度やってごらん」「君ならきっとできるわよ、しっかりしているんだから」という褒め言葉や勇気づけにすぐのってくるものです。
 そして、尻をたたかれるのでなしに、子ども自身のやる気に火がつくのですから意気込みも違います。
 反対に、やらせることだけを目的に、しかったり、ロやかましく押しつけたり、罰を与えたり、賞を餌にしたりしたのではやらせられることになり、また、罰が嫌でやるようになり、目的と方法が逆になったりして、躾が身につくものではありません。
 褒めたり、認めたり、勇気づけたりする躾は、子どもを意欲づけ、自主性をつけ、明るく育てます。
 ある忘れ物常習の三年生の子が、中指のつけ根に赤い輪をつけているのを夕食の時に見つけた母親が「それどうしたの」と聞くと「あっ、忘れてた」と、食事をやめて二階へかけ上りました。しばらくして下りて来た子がホッとした顔で「よかった、ママに言ってもらって」と言ったきりでしたが、その明るい顔に「この子はもう忘れ物はしなくなるだろう」と思わず「偉いわねえ」と、褒めました。
 子どもの躾はあせらず、よくばらず、根気よくしつけることが大切です。そうでないと、しつける方もしつけられる方も、大変なうえに、しつけの心が身につきません。
 一年生の子に夜寝る前に時間割を調べて忘れ物をしないよう注意しているのはとてもよいことです。しかし、できれば夜になると忘れてしまうので帰宅したすぐの方がいいと思います。
 帰宅したらまず、ランドセルの中味を全部出させ連絡帳、家庭通信、成績物、集金袋、ノートなど親に見せるものは見せ、宿題を確認し、持って行く物はランドセルに入れるようにするといいでしょう。初めは親が立ち合ってやり、馴れたら子どもだけでやったあと親が確認し、それも馴れたら子どもだけでちゃんとできるようになります。躾には手順があり、一つの事がしっかり身につくと他の事まで連動してしっかりできるようになるものです。
 人間は誰でも忘れ物をするものです。当然、一年生などは親が放っておけば忘れ物をします。ただ常習となると、性格、躾が問題になるでしょう。しかし、高学年になると、自分でメモを用意したりして、それぞれに気をつけるようになるので心配いりません。あせらず欲ばらずしつけましょう。

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