クラスでのけものにされた子

 小学校五年生の男の子ですが、親から見た子どもの性格はどちらかと言うと内向的で友だちも多くいません。そのためか学校の授業で音楽、図工の時間は席が自由に選べるのでひとりぽっちにされるそうです。時にはクラスの男の子にけとばされたりして乱暴されます。もっと根性のある子に育てるにはどうしたらいいでしようか。
 学校では、大勢の子どもたちが屈託なく、元気いっぱい遊んでいるようですが、無邪気そうに見える子どもたちの世界も、よく見ると複雑な大人社会の縮図を見るようです。
 休み時間の校庭を眺めていると、いつも、遊びや遊び仲間がきまっているようです。中には、遊び場を先どりするため、授業の終わるチャイムが鳴ると大急ぎで走ってくるグループもあります。
 ほとんどの子どもは、同じクラスの仲間と遊び、他学年の子と交じって遊ぶ姿はあまり見られません。そして、四年生以上ともなると男女が交じって遊ぶ姿がほとんど見られなくなるのです。
 遊び仲間には、リーダーを中心にした仲よしグループもあれば、ボスに率いられた嫌われっ子の一群もいます。また、中には、大勢の遊びの輪をはずれて、鉄棒や砂場でいつも二、三人でひっそり遊ぶ子。コンクリートの塀によりかかって遊ぶ仲間を眺めて過ごす、ひとりぽっちの子など様々です。
 ところが、教室に入って勉強や作業になると、とたんに仲間関係も様々に変わり、校庭とは違った子どもの世界が展開されるのです。
 ひとり、ひとりの子どもの顔も様々です。先生にべたべたする子、友だちの告げ口ばかりする子、あきっぽい子、おしゃべりの子、おせっかいの子、落ち着きのない子、でしゃばりの子、おとなしい子、内気な子など、子ども世界はこれら様々な子どもたちの描き出す人間模様のようです。
 しかも、子ども社会だからといって、彼等の心の素顔がすべて表面に出ているというものではありません。高学年になるほど大人社会に近く複雑なものになっていきます。
 日常、クラスの人間関係の中におこる様々な競争や協調、好かれる子、嫌われる子、そして泣き笑いのドラマは、子ども社会の人間関係の釣り合いや彼等の隠された心の素頭からおこってくるもので、担任の先生は、彼等の本音をさぐり、集団を操作しながら指導に心を痛めているのです。

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 子どもの心の本音が求める好きな友だちをそっと拾って見ると、その意外なのに驚かされます。
 日常、あまり遊んでいない子に思いを寄せていたり、乱暴な子が全くタイプの違う成績のいいおとなしい子をあこがれていたりします。また、四年生くらいから上になると男女差や、ぶっきりして、一緒に遊ぶことも少なくなるのですが、そっとたずねた彼等の心の本音は、男の子が女の子を友だちに求め、女の子も男の子を求めていることがあるのです。
 また、親友だったはずの相手が一か月もたたないうちに変わってしまう子もいれば、二年間も三年間もお互い選び合った親友関係の変わらない子もいます。
 友人を選ぶ好きな理由も様々です。
 住所が近い、いつも遊ぶ、物を貸してくれる、おとなしい、親切だ、気が合う、勉強ができる、やさしい、まじめだ、たのもしい、注意してくれる、助けてくれる、などで、このような友人選択の理由も、仲よし期間も高学年になるほど定着してくるものです。
 しかし、幼いころから、いろいろな友だちと遊ばせ、交友のルールを身につけさせ、社会性を育てておかないと、友人との交流が柔軟にできなかったり、集団に適応できないことになると思います。
 子どもの心の奥には、いやな友だちを拒否する気持もひそんでいます。嫌いな理由をそっとたずねてみました。
 たたく、つねる、ける、くいつく、いじめる、悪口を言う、文句を言う、あだなを言う、ぐず、のろま、いばる、さわぐ、きたない、くさい、おせっかい、おこる、しつこい、おてんば、だらしない、行儀が悪い、うそつき、わがまま、なまいき、協力しない、注意を素直にきかない、デブ、背が小さい、などで、このような理由は年令によっても違いますが、人間を差別するような理由は、子どものうちから親や先生がよく指導しなければならないと思います。
 しかし、社会性の欠如からくる暴力や嫌われ行為は、友人関係を阻害し、集団に適応できない子にしてしまいます。
 どんな子とも仲よくし、親切に助け合っていくのが理想です。そして親も教師も理想に向かって指導しているのですが、やはり複雑な子ども社会には様々な実相があり、子どもたちは、その複雑な人間関係の中でもまれながら学び、成長していくのでしょう。
 内気な子のため友だちが少ないという心配は理解できますが、内気が理由でのけ者にされたり、乱暴されたりすることについては納得できません。理由はどうあれ、学級集団の中でこのようなことがあってはならないことですから、担任の先生によく相談し、のけ者扱いされる理由を糾明し、クラス集団全体の問題として解決していただくことです。先生もきっと責任をもって指導してくださるでしょう。
 ただ、「根性のある子なら、そんな目に合わないだろうに」と、内心子どもを責めているようにもとれるのですが少し視点が違うように考えます。しかし、今後、彼がエンジンとブレーキのきいた強い子に育つことを願います。それには、多くの友だちと積極的に交流させ、自分のことは自分でやらせ、親は干渉や甘やかしをやめ、自信と忍耐力をつけ独立心を持たせることだと思います。

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