クラス替えで元気がなくなった子

 小学校四年生の女の子です。四月にクラス替えがあってしばらくたつたのですが、子どもが学校から帰つてきてもブツブツ文句を言っているので聞いてみると、三年生の時仲がよかったグループガバラバラになってしまって今度のクラスでは友だちになれそうな子がいないとか、前のクラスはよかったなどと言うのです。どうしたらいいでしようか。
 学年が単級の小規模学校では学級の編成替えはありませんが、学年が二学級以上になるとどこの学校でも必ず学級の編成替えを行っています。
 これは、いろいろな人格の先生や友だちとふれ合うことによって、誰とでも仲よくつき合えるようにし、子どもの人格形成に役立てようという教育的な意味があるのです。
 また、教師も人間ですから、どうしても主観や偏見がはたらきます。それぞれの子どもの個性を正しく伸ばしてやるためには、ちがう教師がちがう目で見、指導してやることが大切です。
 それに、ある固定した学級雰囲気の中にひたっていた子どもたちが新しい構成員によって新しい学級雰囲気をつくり出し、その雰囲気にひたることにも意味があるのです。
 学級は能力別に編成されることはほとんどなく、どの学級も、子どもの身体、知能、学力、行動、人数、男女、その他が大体均等になるよう編成されるのが普通です。しかし、成長期の子どもたちですから指導差もあって、一、二年するといろいろな面で学級差が出てきます。そのため編成替えによって均等にするという意味もあります。
 ある小学校では、学年が八学級編成で、学校の方針により毎年全校の学級編成替えを行っているそうです。
 ここでは、一学級平均四十名だそうですから、編成替えによって同クラスになる友だちは五名程度です。それでも毎年の例になっているのでみんなさらりとしてこだわることもなく、親も子どもたちもすぐ新しい友だちとなじんでいきます。
 そして、子どもにレッテルを貼られるようなことがなく、毎年新しい目で先生や友だちに見直されていることを喜んでいるそうです。

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 母親が、みんなの心の休まる楽しい家庭をつくるように、子どもの心のなごむ楽しい学級経営をするのが受持ちの先生の仕事です。
 先生は、どの子もそれぞれにかわいがり、子どもたちは、先生を信頼し、慕うのです。だから、一年、二年と好ましい学級風土の中で結び合っていると幕い合う気持が強くなりお互いに別れにくくなるのは当然です。しかし、別れなければならない場合があるのです。
 べたべたするだけが愛情の深さ、結びつきの強さを示すものではありません。ゆき届いた母親や学級担任にしつけられた子どもたちは、強いきずなをもちながらも、あと追いせず、乳離れのよさがあるものです。
 先生もまた、子どものあとを追わないものです。
 愛情豊かで学級経営に熱心な先生は、子どもの人間関係を大事に操作し、信頼関係に強く結ばれたあたたかいクラスをつくります。
 このような恵まれたクラスの子どもたちは、友だち同士支え合い、気持が安定しているので、この仲よしグループから抜け出ることは不安であり、つらいことです。
 まして、四年生ころは、仲間意識の強くなる徒党時代と言われる年ごろですからなおさら友だちとの別れがつらいものです。
 しかし、クラスは仮の宿です。学年、学校というまとまりで友人関係を結び、指導を考え学年経営を重視する現在のことです。クラスセクトの躾をしている先生はいないでしょう。クラスが変わっても、いつでも会えるし、いつでも友情をあたためられます。別れてまた新しい深い友情を結び合えることでしょう。
 他人とかかわり合っていかなければ生きていけないのが人間です。
 子どものときから親しい友人と会ったり別れたりし、別れのつらさに耐え、つらい気持を自分で調整し、また新しい友だちと支え合っていくという経験は、子どもの将来にとても大切なことです。
 学級の編成替えのあと、子どもを愛する先生ほど、自分の担任していた子どものあと追いをしたり、子どもにあと追いさせるようなことをせず、未練なく突き離し、ふっ切りよく子どもと別れ子どもたちにもそのことを指導するものです。
 新しい担任は、子どもたちが早く前のクラスのことを忘れ、新しいクラス集団がまとまっていくよう努力する一方、特に自分の前担任だった一部の子どもに偏見のないよう細心の注意をします。
 このような担任の学級経営の努力によって遅くても一学期、ベテラン教師なら一、二か月もすればすっかり落ち着いた新しい学級にまとめてくれることでしょう。
 しかし、一部の内気な子や特別強い結びつきをもつ友人同士などは、しばらく別れのショックが後遺症として残ることがあるでしょう。そんな子どもたちは、登下校に待ち合わせたり、休み時間に校庭で遊んだり、帰宅後の交遊などで旧交をあたため情報の交換をしたりしながら新しい友だち、新しいクラスに次第になじんでいくものです。
 クラス替え当初、担任の先生は子どもたちの友人関係を観察しながら、クラスが落ち着くまではよく指導してくれるので心配はいりません。家庭では寂しい子どもの気持をよく聞いてやり、クラス替えの意味や誰でも友だちになれることを教えて元気づけてあげてください。

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