大学へ行かないと言い出したとき

 高校三年生の息子が「勉強はもうたくさんだから大学へは行かない」といいだし困っています。友達と一緒にある会社へ就職するため大学へ行かないようですが、いくら大学を出てからその会社へ行けばよいとすすめても全然聞きません。なにかよい方法があるでしょうか。
 世の中が経済的に豊かになったせいか、それとも、学歴社会という風潮のためでしょうか、将来へのしっかりした目標も持たずに、われも、われもと大学進学を目ざすこのごろです。
 地方へ行くと「うちの息子は、今、東京の大学で勉強しています」と、親は自慢し、東京の親は、「うちの子は、T大学に行っています」と、有名大学の名を誇らしげに言います。大学へ行っていることが、そんなに自慢することなのでしょうか。
 目的地へ行くのに、新幹線で行こうが、鈍行で行こうがその人の都合で自由なのであって、要は、目的地へ予定時間に着くことが大事なのです。まして、乗り物によって人間の値うちを評価するというのはナンセンスというものです。
 現代は、大学など出なくても、やる気と能力さえあれば、いくらでも希望の道を進むことの出来る時代です。
 世間には、有名大学を出なければ大会社へ入れない、大学を出ていなければ出世できない、会社での昇進も給与も、学歴で決まる、と、学歴万能であるかのように、学歴信仰を唱える親たちがいます。社会の実相は、たしかに学歴万能なのでしょうか。
 「大学出たての若者は、再教育しなければ使いものにならない、大学で何を勉強して来たのだろう」と、ある会社の幹部が嘆息して語りました。
 現実は、やはりやる気と能力をもった生産性の高い実力者を求めて厳しいものであり、レッテル人間では通用しないもののようです。
 しかし、将来のため、大学へ進学して、基礎になる能力を身につけるため勉強することは、もちろん大切なことは言うまでもありません。
 ただ、意欲もなく、将来へのはっきりした目標もなしに、進学するくらいなら、早々に実社会に乗り出し、労働に能力を振うことの方がどれだけ、自分のためにも、社会のためにも役立つことでしょう。そして、学問は、人間の生涯に続くものですから、必要になったとき人生の途中からでも学ぶことができるのです。

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 子どもには、苦労させたくない、幸せになって欲しいと、子どもの幸福を願う親の気持ちはいつも変わるものではありません。しかし、時代が変わり、子どもが成人すれば、親の願いが、子どもの希望と喘み合わなくなることのあるのは当然です。
 現代は、すでに親をしのいで成人した、子どもの独立心を認め、若者の希望にウェートをおいて考えてやることが大切な時代ではないでしょうか。
 子どもは、自分の意志が尊重されたことに自信と責任を持ち、きっと意欲を燃やして選んだ道に精進することでしょう。たとえ、失敗しても、人生の尊い経験となり、不屈に前進することと信じます。
 近ごろ、大学入試や卒業式、会社の入社試験にまで付き添う親があると聞いて、ぞっとさせられます。乳離れの悪いこのような親がいる限り独立心をもって厳しい人生を闘い抜くたくましい若者が育たないように思います。
 世の中が貧しかったころは、大志を抱き、勉強しようと、ひたすら親に進学を懇願しても、大学はおろか、中学、高校さえも、進学させてもらえなかったものです。
 ところが、現代は、全く反対に、親がなんとか進学してくれとわが子に頭を下げて頼んでも承知してくれないと悩む時代です。
 学ぶということから考えて、どちらが正常な姿なのでしょう。当然、勉強は自分のためのものであって、親のためでも、他人のためのものでもありません。
 最近、このあたりに勘違いしている点があるのではないでしょうか。率直に言って、進学に目的意識もはっきりもたず、勉強がきらいで、しかも、働きたいと望むのなら、大学などへ進んで無駄な金や時間を空費するより、社会に出て働いた方がよっぽど充実した人生を生きる道だと思います。
 この息子さんは、大学忌避の理由として「勉強はもうたくさん」と言っていますが、理由はただそれだけなのでしょうか「勉強はもうたくさん」になったのはなぜなのでしょう。「友人と一緒に就職したい」という、友人との関係、その会社との関係はどうなのでしょう。また、こんな形で、親に甘えたり、抵抗している面はないのでしょうか。
 その辺に、いくつか疑問を感じます。まずそのあたりから、率直な子どもの意見を関いてみる必要があるようです。
 おそらく、息子さんも、高校入学当時は、大学進学を希望していたことと思います。それが変わって来たのには、高校生活の実態に失望したとか、成績が上がらず劣等感を待ったとか、友人関係で何か影響されているなどいろいろ考えられます。友人や学校とも連絡をとって理由をさぐってみることも大切です。
 「優秀な子だから、本人の将来を考えて、何とか大学だけは出しておいてやりたい」それが親の責任だとお考えのようですが、必ずしも進学だけが最上の道とは限りません。頭のいい子だからこそ、就職の道が将来への最適の道であることも考えられます。
 とにかく、息子さんの、進学拒否、就職希望の理由を十分聞いてやり、納得のいくものであったら、本人の責任で自分の進む道を選ばせることがいいのではないかと考えます。

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