成績物の処理

 小学校二年生になる男の子の親です。毎日のように子どもが持ち帰る成続物やプリントはたまる一方です。せっかく子どもが真剣に書いた物を捨てたり、焼いてしまったりするのは惜しいし、そうかといっていい手だても浮びません。子どものために生かすいい知恵はないでしようか。
 子どもたちがテストと対決し、一枚の絵、一つの粘土細工に真剣にとり組む美しい目の輝き、無心な姿にいつも心を打たれます。もちろん、それぞれの子どもの能力に違いがあるように、作品のできばえにも違いはありますが、みんな同じように尊いものです。ある図工の先生が「どの子にも5をあげたい」と言ったことを思い出します。
 教師は、子どもの書いた読みにくい作文も、間違いだらけのテストも、おかしな絵や粘土の作品も他の子どもの作品と同じようにていねいに目を通します。子どもを大事にする熱心な教師ほど、子どもの作品を大切にし、評価を記入するにも作品を汚さないように配慮し、必ず目を通して子どもの手元に早く返すものです。
 子どもの作品は子どもの成長の足跡であり、本人も二度と作れない大切なものです。また子どもに屑がないと言うように、彼らの創り出したどの作品にも屑はなく、みんな尊い宝物なのです。

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 子どもが学校から持ち帰った作品を親はどんな目で捉えているでしょうか。
 テストについては点数を見るだけの親、点数を聞くだけの親、いい点のテストだけ壁にはりつけてくれる親、子どもは心得たもので悪い点数のものは破り捨てて親に見せません。子どもの持ち帰った作文などていねいに読んでくれる親は何人いるでしょう。まして図画、工作、習字などの作品となるとどれだけの親が熱心に見てくれているだろうかと心配になります。
 近ごろの親は、教育熱心なようでも子どもの習っている教科書さえも全部読み通していない親が多いようです。それでも子どものテストや作品にていねいに目を通していれば子どもの学習過程がわかるはずなのに残念なことです。
 親は、子どもが真剣に書いた作品を、ただ成績物として捉えるのではなく、子どもが生み出した作品として、子どもを見つめるような温い目で見てやって欲しいと思います。
 紙一枚も不足していたころ、ほとんどの家庭では、子どもの成績物は、ちり紙か焚き付けとして処理されたものです。そんなころ、一週間ほど前に一度返した図画と習字の作品を学校に持ってくるよう子どもに命じました。その時持って来た子はたった一人でした。その子は当時全部の成績物をていねいに保管していたのでした。今もその子のお母さんをよく覚えています。
 子どもの成績物(作品)を粗末にすることは子どもを粗末にする親であり、自分を粗末にする子どもと言えるでしょう。
 では、子どもの持ち帰った大事な成績物はどのように処理したらいいでしょう。次にその一例を述べてみますので、これをヒントに子どもと相談して知恵をしぼってみてください。
 日付けを入れて保管する。持ち帰った成植物には学年、組、氏名は記入してありますから、まずどの作品にも年月日を記入します。次にワイシャツ袖のような大き目の袖を用意しておき、親が目を通したら散逸しないように必ず袖に入れさせます。このくらいのことは一年生でもできますが、習慣がつくまで親が面倒を見てやります。成績物は学年が進むにつれて量も多くなりますから、毎月あるいは学期末毎に中間の分類整理をします。これはテスト、作文、図画、習字、工作、家庭科など、別々に日付順にクリップなどで止めて整理します。
 学年末になったら、整理日を一日とり、たまった一年分を種類別に画用紙で表紙をつけ綴じ込みます。表紙には、日付、学年、組、氏名、年令、担任名などを記入し、子どもの手で表紙絵を描くと記念になります。また、綴りごとに別紙に懸想文を書いて挿入すると、子どもの反省にもなり後の記念にもなります。
 一年間分か整理されたら適当なダンボール箱に収納します。新年度からはまた、空いたワイシャツ箱には新しい成績物を入れていきます。このような整理を繰り返すのですが、根気強い親の指導と兄弟の協力とか、子どもの自主性にうったえてしつけるようにしないと教育的効果は半減します。
 随時の活用。家庭科で作った雑巾やエプロン、工作で作った置物などは随時使用したり、子どもの部屋や応接室へ飾り役立たせて褒めてやり、適当な時にまた大事に保管しては時折り活用します。また、大きめの額縁を一、二枚用意し応接室、玄関、子ども部屋などに子どもの作品を入れて飾ってやります。子どもの絵は上手下手を超えて美しいものです。ただ時々新しいものと入れ替えてやってください。習字の作品も額に入れるとか仮表装するなどして飾ると見映えがします。子どもは親に褒められて自分を見直し、自分の作品を大事にしてくれる親に信頼感をもち激励されることでしょう。時々はたまったテストや作文などを出して見合い、親子で話し合う機会をもつことも子どもの励ましになり、楽しい団らんのひとときとなるでしょう。
 感謝と思い出のために。時がたって幼いころの自分の作品を見ることは懐しく面映いものですが、同時に当時の思い出にひたり、親への感謝と将来への励ましに心をふるわせます。進学、卒業、就職、誕生日、結婚、出産、子どもの入学など人生の転期にダンボール箱を開けて見ましょう。そんな機会に家庭展覧会を開催するのも楽しいでしょう。親友の誕生日や祖父母への贈り物としても心が通うものです。
 子どもを大事にするように、子どもの手がけたものを大切にしてあげましょう。

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