授業参観

 子どもの学校生活のほとんどは授業時間で占められており、一単位時間を四十五分として年間一年生で八百五十時間、四年生以上になると一千時間以上の授業をしなければならないようにきめられています。そして、この授業時間の中で学習指導要領に盛られている各教科や道徳などの指導内容を子どもに教えていかなければならないのです。
 ところが子どもの能力や学習態度は様々ですから、どの子にも同じように理解させようとすると並大抵のことではありません。教師の間で授業で勝負すると言いますが、教師がこの年間一千時間前後の授業にどうとり組むかで子どもの伸び具合が決定されると言っても言い過ぎではないでしょう。それだけに先生方は研究授業などして、常にプロとしての授業のしかたや子どもの理解に力を打ち込んでいるのです。
 だから父母も「今日はどんな勉強したの、よく答えられた」と、子どもにたずねて心配するのも無理はありません。「授業中手を挙げるだろうか」「発表できるんだろうか」「よそ見をしないで先生の話を関いているだろうか」「先生はどんな教え方をしているのだろう」と、いろいろの不安を待ちながら父母は授業に関心と期待を寄せているのです。

スポンサーリンク

 学校ではこのような父母の関心や期待にそって、学習する教師と子どものありのままの姿を参観してもらい、それを機会に子どもの学校生活や学校の教育方針に理解を深めてもらい、一段と父母の協力を得たいと考えているのです。
 授業で勝負しようと考えている先生方は一時間の授業にも目標を定め、どう指導したら理解させられるかと教科ごとに綿密な計画を立て、真剣に指導過程を考え授業にとり組んでいるもので決して見せ物ではありません。殊に、子どもたちは参観者があると気分が動揺するものです。それが父母の場合はうれしさも手伝って平常の授業雰囲気と変わるので経験の浅い教師は戸惑うこともあるくらいです。だから、父母は授業する教師に協力するよう慎重な態度で参観する心構えが大切です。
 父母の授業参観はあくまで平常のままの授業の中での子どもの学習ぶりを見てもらおうというのがねらいですから、リハーサルなどは考えられませんが、その教師はおそらく父母へのサービスを考えて何か別の意図をもってやったのではないでしょうか。
 「今日はお母さんに恥をかかせないようにしっかりやってね」などと、子どもに緊張感をもたせないようにしましょう。そして、まず授業中、自分の子どもの動きを静観します。授業中の姿勢は、集中力は、先生の質問に対する応答、挙手の様子、発表のしかた、本の読み方などと細かく注視し、そこから、わが子の平常の学習態度や意欲、活動ぶりを想像してみましょう。先生もさっと参観の父母の顔ぶれを見て適当な時に指名してくれるでしょう。
 参観日ごとに授業する教科も変わるでしょうから、教科ごとに授業中の子どもの活動ぶりも理解することができます。
 わが子がおかれているのと同じ環境、条件の中で他の子がどう動いているかを観ることは、わが子をより深く理解することになります。家庭では朗読はうまいと思っていたのにもっとしっかり読む子がたくさんいたり、いくじなしだと思っていたら発表ぶりはクラスで一番しっかりしていたとか、授業の中でよその子の姿からわが子を再認識することがたくさんあると思います。
 このように親は、客観的、冷静に授業を参観した結果から、わが子を賞揚したり、激励したりすることができることでしょう。
 指導する教師の側に立って授業を観ることも大切です。教師はいつも大勢の子どもに眼をくばりながら、学習態度や意欲や能力のそれぞれ違う子どもを、ひとりひとりその子なりに理解させ引き上げようと真剣に授業を進めているのです。
 だから、教師の授業する一筋の真剣さや子どもの扱い方の中に、教師の人柄が彷彿として浮び上がってくるものです。
 授業は、知識を授けるだけではなく、授業を通して人間形成をするものですから、教師は授業の中で子ども同士、または教師と子どもが魂の通い合えるよう綿密に配慮をしているのです。だから、父母は刮目して授業を参観すれば、いろいろのことが見えてくるし、子どもを指導するためのたくさんの示唆を与えられることでしょう。
 授業といっても理科、体育、音楽などのように実技や作業の伴っものもあれば、話し合い活動の形をとるものもあり、またグループで学習を進めるものもありそれぞれに意味があるのです。また教師がどこで発言し、どこでヒントを与えているか、子どもにわからせるためにどのような手だてをとっているかなど子どもの学習指導上学ぶことが多いと思います。
 また、子どもの考える時間や応答を持ってやる教師の辛抱強さや、失敗した子にも劣等感を持たせたり、傷つけたりしないような配慮なども学ぶことができるでしょう。
 また、教室の整理、整とん、壁面の掲示や展示物などから学習環境への心遣いも知ることができます。何よりも父母は先生と子どもたちの人間関係が醸し出す、温かく、明るい授業の雰囲気にひたって安心することでしょう。
 なお、たまの機会ですから先生から授業参観のポイントや見どころなどを教えていただいたり、説明してもらうようにすると一層勉強になってよいと思います。

幼稚園か保育所か/ 幼稚園の選び方/ 入園の準備/ 幼稚園を嫌がる子/ 園で親から離れない子/ 園で何もしない子/ 園でボスになる子/ 園でケガをしたとき/ 小学校の選び方/ 入学の準備/ 越境入学/ 転校/ 教室で手を挙げない子/ 授業に興味を示さない子/ 落ちこぼれの子/ 本を読むとあがる子/ 学校でいじめられる子/ 遅刻ばかりする子/ 忘れ物をする子/ クラスでのけものにされた子/ クラス替えで元気がなくなった子/ 給食を嫌がる子/ 修学旅行へ行きたがらない子/ 中学校の選び方/ 中学の入学試験に失敗したとき/ 自分の学校に不満をもつ子/ 先生を批判する子/ クラブ活動のあり方/ 高校の選び方/ 実業高校を嫌がる子/ 中途退学/ 大学の選び方/ 大学受験に失敗したとき/ 大学へ行かないと言い出したとき/ 通知表の見方/ 成績物の処理/ 授業参観/ 自活活動/ 謝恩会/ 通学の服装/ PTAの役員/ 学級PTAのまとめ役/ 家庭訪問/ 先生とのつき合い/ 先生に子どもの事を注意されたとき/ 宿題を出さない先生/ 体罰を加える先生/ 先生と話す機会が欲しい/ 学級の担任替え/ 帰国子女の教育/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク