宿題を出さない先生

 小学校三年生の男の子ですが、このごろ家へ帰っても勉強しないで遊んでばかりいます。子どもに聞くと「宿題ないんだもん」と言います。二年生まで受け持っていた先生は毎日欠かさず宿題を出してくれましたが、今の担任になってから宿題を出してくれません。このままで大丈夫でしようか心配です。
 近ごろの親はやたらに教師のやることを批判します。それでは、家庭の教育に信念を持ってしっかり子どもを指導しているかというと、実際はゆき当たりばったりで全く指導がゆき届いていません。
 これは教師にもそっくり同じことが言えそうです。
 「学校から帰っても宿題がないと勉強しないんですよ」「子どもが勉強もしないで遊んでいると気がいらいらしてきます」と、お母さん方は本音を言います。「宿題を出してくれとせがむ親、親にせがまれて宿題を出す先生」親も教師も考えなければならない問題です。
 宿題を押しつけてきたために勉強をいやがる子どもにし、宿題をする子どもの姿に心の安定を求めて来た親は、子どもの立場に立ってよくよく反省したいものです。「先生、プリントの宿題を出してください。あれをやっていると、うちのママとても機嫌がいいんです」と先生に宿題をせがんだ親孝行な子どもがいました。
 「学校で習ったことは反復練習しないと忘れてしまう」「学校で学んだことを実際の生活に応用発展させることが必要だ」「学校以外でなければ有効に勉強できないものを学ばせる」など、家庭を学校の補助的機関のような理由づけをして宿題を家庭に持ち込ませることを教師はやめるべきだと思います。
 現代の親は、よく勉強もしているし、子持ちの教も少ないので、家庭での子どものことは一切家庭の指導者である親に任せて責任をもってもらい、教師は求めに応じて助言する程度にしたらどうでしょう。
 その代わり学習の場で行われる子どもの教育には、プロである教師は万全を期し「私に任せておいてください」と全責任をもって指導し、親を安心させるような実践をすべきだと思います。

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 子どもにとって学校は勉強する所なら家庭は甘える所です。家庭と学校の役割が違うように親と先生の役割も違います。近ごろ、子どもから見ると、家庭には資格もないのに教壇に立った女教師のようなタイプの親が増えており、子どもたちは家に帰っても息づまるようだと訴えます。
 完全に家庭の役割を果たせるような百点満点の親業実践は難しいでしょうが、たっぷり甘えられ、くつろぎのばとなるあたたかい家庭を子どもに用意してあげたいものです。
 父親が会社のごたごたを、母親が近所づき合いの愚痴を、子どもが学校の宿題を持ち込んだのでは、家庭は甘えの場やオアシスというより、逃げ出したいようなギスギスした緊張の場になってしまいます。
 家庭は子どもにとって人間形成の道場と言っていいでしょう。誕生からあたたかい愛情に満ち、明るく、正義を愛する父母や家族に抱かれて人間として育っていくのです。
 そして、乳幼児期に形成された性格は「三つ子の魂百まで」と言われるように一生変わるものではありません。そんな大事な家庭の土壌から子どもたちはどれだけたくさんのことを学習することでしょう。
 学校もちやんとした目標を持ち、きめられた計画と方法によって教育するところですが、人間形成の点からすれば家庭教育のお手伝い的な役割しかできないものなのです。
 この点を親は肝に銘じ自信をもって家庭で豊かな学習をさせなければなりません。
 約束やルールを守る、後かたづけをする、他人の立場に立って考える、嘘を言わない、他人に迷惑をかけない、自分のことは自分でする、礼儀作法、言葉使いなどみんな家庭で学習できることであり、親が責任をもって子どもにさせなければならない基本的な学習であり、宿題なのです。
 ところが最近、この基本的な親の役割を怠けておいて、勉強だけを子どもの宿題や家庭学習と思い込んで教師気どりになっているのは筋違いと言うものです。
 学校では大勢の子どもを一人の教師が扱っているので行き届きませんが、親はわが子一人を導くのですから、その子の能力、性格に合った密度の濃い徹底した個別指導ができるのです。
 ある先生の宿題はいつも「お母さんの仕事」「お父さんの好きなところ」「父母への手紙」「うちの家族」「家での僕の仕事」などを題に作文を書かせたり、期間を区切った生活日記などです。親は平常怠けている家庭本来の宿題についてふり返ってみましょう。
 家庭は勉強する所ではないとか、させてはならないと言うのではありません。勉強は遊びと同様、子どもの生活の一部なのですからやることはいいことです。しかし「勉強しないから宿題を出してください」と先生に頼む親は考えて欲しいのです。
 前述した家庭本来の学習がなされていれば「する」子に育っているはずです。宿題は「させられる」子に必要なものです。
 「ママ、計算問題出して」「お手伝いしたいけど何かすることない」と「させられる」子から、主体的に要求や意欲をぶつけてくる「する」子にスイッチの切り替えをしましょう。

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