学級の担任替え

 今年、小学校二年生になる内気な女の子ですが、四月から受持ちの先生が変わり、がっかりして元気がなく心配しています。一年生の時の担任は年輩のやさしい女の先生で、よくなついていましたが、新しい担任は新卒の女の先生です。やっと慣れたところでなぜ担任を変えるのでしょう。なんとかならないものでしょうか。
 四月始めの始業式にはどこの学校でも新しい受持ちの発表があります。登校した子どもたちは朝から不安と緊張のうちに自分たちの担任の噂でいっぱいです。
 校長先生から順々に発表される時の子どもたちの反応を見ていると、どっと歓声をあげて喜ぶクラスもあれば、しゅんと俯いてしまうクラスもあって、露わな子どもたちの表情に教師に対する正直な評価をまざまざと見るようで厳しいものを感じます。
 そんなとき「教師を選べない」子どもたちの真剣な顔を見ながら考えたものでした。それは、先生方にひとりずつ各教室にいてもらい「さあ、担任の先生は自分で選ぶんだ、どこでも好きな先生の所へ行きなさい」と言ったらどうだろう。きっと子どもたちであふれる教室もあれば、空っぽの教室もあり、おもしろいことになると思いました。
 教師の当たり、はずれを言う親の気持がよくわかるような気がします。

スポンサーリンク

 昔は四年間とか六年間の持ち上りなど珍らしくない時代もありました。そんなころは、教師も一校に十年とか二十年勤続することも多く、中には新卒から退職まで一つの学校で勤め終わる先生もいました。現在は、本人の希望が認められることや人事刷新の点から、教師の同一校勤続の年数も規制されて短くなり、それだけ異動もはげしくなりました。
 また、教育的見地から校長は持ち上りやクラスの編成替えに一定のルールをもっている場合が多いようです。例えば、担任の持ち上りは原則として一・ニ年、三・四年、五・六年とし、二年間以上同じクラスを担任させないとか、クラスの編成替えも担任替えに合わせて二回行うとか、五年に進級するとき一回行うなどの原則を決めているようです。
 しかし、教師の異動や学校全体の事情から原則どおりになるとは限りません。
 四月に担任が決定すれば特別の事情のない限り、一年間は親子はその教師とおつき合いするわけです。当たり教師なら親は長く受け持って欲しいと願うでしょうが、はずれ教師なら一年間はがまんしなければなりません。
 親も子もそして教師もお互いにお互いを選べない縁で結ばれた者同志のようです。
 適材適所に配置された教師が、三十人なり四十人の子どもを分担して直接指導し教育効率を上げることは、学校の根幹であり、経営の成否を左右するものです。また、一度決定した担任は、特別の事情のない限り年度途中で変えることができませんので、担任を決めるのに校長はとても神経を使います。
 そして、教師も希望の学年を気の合った教師と組んで担任できるかできないかは、一年間の教育意欲にかかわる問題なので強い関心を持っています。
 このように親も子も教師も重大な関心を持つ担任を決定するのは学校の責任者である校長ですが、おおよそ次のような手順で行われます。
 学級経営の責任は担任した教師に任せられるものであり、どの学年を担任するかは教師の教育意欲にもかかわるので、三月に入ると新年度の研究分担の希望などと一緒に「何年生の担任を希望するか」についてそれぞれの教師から順位をつけて希望を聞くのが普通です。持ち上りを希望する教師もあれば、一年で他の学年を希望する教師もあり、六年生を卒業させてしまう教師は新しく希望学年を申し出ます。だから親や子どもが心の中である担任を選んでも教師の希望とずれている場合もあるのです。もちろんその逆の場合もあるわけです。
 三月も半ばを過ぎれば教師の異動もほぼ内定し、転出する教師、転入する教師、退職する教師などの目鼻もついて校長には新年度の先生方の顔ぶれがはっきりしてきます。そこで学校経営の立場に立って先生方の配置を考えます。
 男教師、女教師、新卒教師、中堅教師、また教師の性格、能力、適性、健康状態、経験等々を考え、本人の希望と併せて適材適所を考えます。例えば、一年生や六年生の担任が年度の途中で病気や出産などで変わるようなことがあると他学年以上に子どもに不安を与えることになります。
 それぞれの教師がこれまで何年生を担任した経験があるか、また、それぞれの学級がこれまでどんな先生に担任されてきたかを校長は調べておき、低学年ばかり連続担任した教師、主として高学年ばかり担任した教師、女教師ばかりに担任された学級、頻繁に担任の変わった学級など十分に分析検討し新しい担任決定の参考にします。
 大規模の小学校になると一学年が五クラスも八クラスもあり、一つの学年が小規模の学校くらいの人数です。当然学年のチームワークが大切になり、学年経営をしっかりやるにはリーターも必要です。だから学年にリーダー格の教師を配置するとか、教師間の人間関係を考慮し気の合う教師を同学年に組ませるなど協力体制ができるように配慮します。
 その他いろいろの条件を考慮しますが、教師の希望がいれられない場合は個人的に話し合い、教育的に万全を期して担任が決められているのです。これは一般的な手順ですが、学校によってはもっといろいろな配慮をつくして担任決定に慎重を期していることでしょう。
 しかしそれでも親は「はずれ」と言うように万人の期待に添うことは難しいものです。あとは親と教師の協力と熱意によって教育の実をあげることを期待するのです。

幼稚園か保育所か/ 幼稚園の選び方/ 入園の準備/ 幼稚園を嫌がる子/ 園で親から離れない子/ 園で何もしない子/ 園でボスになる子/ 園でケガをしたとき/ 小学校の選び方/ 入学の準備/ 越境入学/ 転校/ 教室で手を挙げない子/ 授業に興味を示さない子/ 落ちこぼれの子/ 本を読むとあがる子/ 学校でいじめられる子/ 遅刻ばかりする子/ 忘れ物をする子/ クラスでのけものにされた子/ クラス替えで元気がなくなった子/ 給食を嫌がる子/ 修学旅行へ行きたがらない子/ 中学校の選び方/ 中学の入学試験に失敗したとき/ 自分の学校に不満をもつ子/ 先生を批判する子/ クラブ活動のあり方/ 高校の選び方/ 実業高校を嫌がる子/ 中途退学/ 大学の選び方/ 大学受験に失敗したとき/ 大学へ行かないと言い出したとき/ 通知表の見方/ 成績物の処理/ 授業参観/ 自活活動/ 謝恩会/ 通学の服装/ PTAの役員/ 学級PTAのまとめ役/ 家庭訪問/ 先生とのつき合い/ 先生に子どもの事を注意されたとき/ 宿題を出さない先生/ 体罰を加える先生/ 先生と話す機会が欲しい/ 学級の担任替え/ 帰国子女の教育/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク