帰国子女の教育

 一か月程前に、主人の転勤で四年ぶりに帰国しました。中学校二年生の娘が、通学しだして二週間目ぐらいから学校ヘ行くのをいやがるようになりました。友達がいないのと授業についていけないのが原因のようです。外国に居る時は、日本人学校へ通学させていましたが、やはり学力に差があるようです。どのようにすればよいのでしょうか。
 近年わが国の経済、文化など各方面にわたる国際活動が拡大し、海外に在留する日本人も商社、銀行、メーカー、留学生、研究者など家族を含めてその教は約二十万人近いそうです。このような在留邦人の急増に伴って、同伴する児童生徒の数も急増しており、義務教育年令相当者(六歳〜十五歳)の数も二万五千人からになっています。
 こうした事態の中で海外子女教育、帰国子女教育は大きな関心事となり、関係省庁、地方自治体、各教育機関で次第に積極的な努力が払われ、莫大な予算を計上してその振興をはかっています。
 海外在留邦人子女の教育実態も、アジア、中南米、中近東、アフリカ、北アメリカ、ヨーロッパ、など地域によって様々ですが、海外における主な教育機関は、全日制の日本人学校、選一〜二日程度の補習学校、現地校などで、総じて日本の教育に比較するとその水準の低いことが心配されています。
 低年令の子どもほど適応が早いとは言え、三年とか六年間の海外生治から帰国した子女が出合う不適応は言葉と文化と学力の問題にあると聞きます。しかし、このような問題も今後の在外教育施設の拡大充実と親の海外在留中の教育的関心の高まりによって次第に克服されるものと思います。
 親は将来に伸びる子どものことを考え、ただ安易に帰国後の適応だけに心を向けるのではなく、せっかくの得がたい海外生活というチャンスで身につけた子どもの特性を積極的に生かす教育も考えるべきではないでしょうか。調査によると帰国中学生の特質として次のことが挙げられています。
 外国語が優れている。日本文化と異文化との比較考察ができる。国際感覚を身につけている。自我が強く自分の意見をもつ。自主的積極的に学習に向う。明朗で強調性がある。大らかでのびのびしている。視野が広い。社会性に富む。物の見方が広く日本と比較して考えられる。などで、もちろんデメリットもあるわけですが、子どもが身につけたこのような特質に自信をもたせ、それを生かしながら適応を考えることが大切ではないかと思います。

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 海外帰国子女の実態は、年令、在留地、在留期間、在学した教育機関、親の教育的関心、子どもの能力などによって様々であって、親の心配もまたそれぞれに違っています。
 例えば、同じアメリカ滞在六年間で帰国した子どもでも、アメリカンスクールだけの子、土曜日だけ補習校にも通っていた子、全日制の日本人学校に通っていた子、日本人の家庭教師についていた子、家庭では日本語以外使用しないように育った子などによって子どもの言語、文化、学力のハンディキャップや帰国後の適応に大きな差があるものです。
 だから、親は海外に子どもを同伴して移り住む前に関係機関や経験者などから現地の教育事情などを詳しく聞き、子どもの年令などと考え合わせて綿密な教育計画と対策を考え、万全を期して赴くべきだと思います。
 長期在留の場合、ある期間帰国させて日本の学校に在学させるとか、夏季の一時帰国期間に一か月でも日本の学校に体験入学させることも考えられます。
 本来海外子女教育は、日本の主権の及ばない外国でなされているもので、義務教育そのものではなく、基本的には民間の自助努力を基礎とするものですが、その重要性から文部省、外務省はじめ民間機関が強力に援助、推進し、研究も盛んに行われているものです。
 しかし、ただそれらに依存するだけでなく、親はわが子の教育の切実な問題としてこれをとらえ、帰国する以前の海外での子女の教育の段階から真剣に考えなければならないと思います。それは海外での家庭生活ともかかわるものであり、その努力は帰ってからの親の心配を半減させるものと思います。
 さて、この中学生の海外でのことについて詳しい説明はありませんが、言葉についての心配はないようです。しかし、一般に日常会話に不自由はなくても、敬語の使い方がおかしかったり、国語の読み書き、読解力が劣っているのが普通です。
 編入当初は、クラスメートに珍しがられたり、人気者扱いされることもあるようですが、海外での学校生活が身についてしまった子どもにとって、日本の学校のきまり、礼儀作法、給食、服装などにとけ込めない違和感から友人とも疎外し自分から引きこもるようになるものです。その上学力が遅れていて理解できないとなったら学校がいやになるのは当然です。
 まず、担任の先生と十分相談し、不安定な子どもの気持をよく理解してもらい、彼女の特性を生かした指導によって自信を持たせてもらうようお願いすることです。クラス担任は各教科担任にも協力を依頼してくれるでしょう。学力の遅れは、社会、国語、数学、理科に多いようですから、各教科のどの点に遅れがあるかよく診断調査してもらい、家庭や学校で追いつくための特別指導をしてください。ある期間、家庭教師や塾を利用するのもいいでしょう。
 それから、一人でもいいから早く友人ができるよう先生やお母さんが手伝ってあげてください。親同士が親しいとか、家が近所だとか、何かのきっかけで友だちと結び合えるものです。また、日常の買い物、お使い、休日はハイキング、旅行、見学などに連れだし、できるだけ経験を豊富にし環境、文化になれさせましょう。
 こうして、先生や友人にあたたかく囲まれ、そのうえヘルパー役の親友でもできたら安心です。一方、学力や習慣のハンディキャップを早くとり戻すよう親や先生が援助してあげたら間もなく心配は解消すると思います。

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