小学生の家庭教育

 家庭教育のあり方、親が子どもの指導をどうすべきかといった根本方針は、幼児期でも小・中学生でも変わりはありません。つまり、学校の教育と違った家庭教育、学校の学習と違った家庭学習のあり方をハッキリつかんで指導することが肝要です。そして学力だけでなく、人間として向上し、人間として成熟するような総合的な指導に中心をおくことが親の大切な役割といえます。

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 よく、こういうお母さん方の話をききます。それは、一、ニ年生ではのんびり体育教室にいれて、三、四年生から家庭教師か学習塾でみっちりしぼりはじめて、五、六年生で受験体制にのせて合格をめざす」というのです。
 このような考え方のお母さんは、家庭教育や家庭学習について本気で考えていないのです。すべて学校教育が基準で、そのために一生けんめいになってその下請けをすることが親の役目と考え違いしているようです。一、二年生にとっても家庭学習はあるのですし、三、四年生や五、六年生になっても、学校以外の幅の広い大切な学習があるのです。
 子どもの相談にのってやるといった、親と子の間に距離があり、ゆとりがあることが最も大切なことで、勉強は親のためでもなく、親の責任でもなく、もっぱら子ども自身のために、子どもの責任においてやることと悟ることが、指導の基本方針といえます。
 そこで、小学生の、広い意味での学習について、親がどのような役割を果たせばよいかを、発達順に具体的に考えてみましょう。
 まず、一、二年生の低学年の子どもに対する指導法からはじめましょう。
 低学年というのは、依存から独立への長い発達段階からみると、まだ依存期にあるといってよいのです。ですから、万事にわたって、子どもの質問に答えたり、学校のことや近隣、家庭内のこと、例えば宿題をやることやかたづけをするなど、すべてについて、親の方からの働きかけが必要です。
 子どもの話を聞いてやったり、説明してやったりして、親と子のふれあいや共同で何かやる経験が大切です。お手伝いやおつかいなど親子でいっしょに経験することを通して、多くのことを学ぶことができます。
 特に低学年の子どもは、抽象的な、観念的なことは苦手で、何ごとも具体的で実際的、生活的なことがよく理解できます。例えば、数字だけ扱うよりも実際のお金で計算するほうがわかりやすいのです。また言葉や文字を通してよりも、実際の物や場面のほうが理解しやすいのです。
 しかし、学校の勉強では、文字や数などを中心とする抽象的な勉強が多いので、低学年の子どもは勉強に興味をもちにくいのです。宿題もとかく基礎的なドリル的なものとなるので、やりたがらないのです。そこで「宿題をやりなさい」とか「勉強しなさい」とかいう声のかけ方では、子どもは意欲をもちません。
 そこで、もっと家庭的、生活的、社会的な具体的なことに結びついた話題からはいるとよいのです。例えば近所の家の姓名が表札に書いてあります。それを話題にして漢字に興味をもたせるといったやり方をするとよいのです。
 一言でいいますと、子どもが日常生活の中で必要を感じるとか面白いとかいう話題を親と子で話し合い、共に経験し、そこから文字や数、その他の学校の勉強と関達づけるのが親の指導法といえます。
 次に三、四年生の中学年になりますと、独立の階段を大きく上りますので、へ理屈やロごたえといった形での「自己主張」がはじまります。この時、素直でなくなったとか、なまいきになったとみるのでなく、独立の方向へ大きく発達段階を上ったのだと考えましょう。
 そこで、これまでのような親の指導型姿勢を改めて、大いに子どもの意見や話に耳をかたむける態度に変わるのが良い親です。そして何ごとも、子どもの考えや意見をいわせながら親の意見も述べ合うよう、対話でいくのです。親と子の間でルールをきめ、子どもに責任をまかせる練習をする好機です。
 この年令の子どもたちは、親 から勉強しなさいと命令されるのが大嫌いな時期です。出鼻をくじかれることにカチンとくるのです。ただし、まだ計画を実行することが難しい年ごろですから、短気をおこさず、何度でも失敗を重ねながら、責任のとれるような計画の立て直しの練習という気持で接しましょう。
 五、六年生の高学年になりますと、子どもは急に理論的な思考力や理解力が伸びてきます。したがって学校の勉強の内容も困難となってきます。そこで親がその面倒をみることができにくくなります。
 この時、親としては学校の勉強、つまり、理論、知識、技術の点で自信をもつことを考えると失敗してみじめなことになります。それはむしろ子どもから教えてもらうくらいの度量をもち、子どもに全責任を持たせる態度で接しましょう。
 しかし、人間性の面、対人関係や社会的経験といった面では絶対に子どもには負けませんの で、その面での自信をもっていることを態度で子どもに示すことが大切です。
 勉強の面で子どもが親を追い抜いても、人生勉強や社会勉強、社会生活能力、その他人間としての幅の広さや要領など、子どもよりもはるかに先輩なのですから親の自信ある生活ぶりをみせてやりましょう。

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