戦後教育改革の成立

第二次世界大戦後の日本の教育は、教育基本法制と呼ばれるものを生み出しました。この法制は、日本国憲法、教育基本法を最高法規範とする戦後日本の教育法大系や教育制度の仕組みを指し、天皇制と明治憲法のもとで、戦前日本の教育法割ともいうべき教育勅語法制と対比されました。敗戦直後の時点で、日本の支配者は、国民を侵略戦争にかりたてた戦争責任に無反省のまま、国体護待と教育勅語擁護を基本とする、旧態依然たる教育政策をスタートさせましたが、連合国の初期民主化政策や、戦後再建された教育運動をはじめとする国民の厳しい批判を前に、教育政策は転換を余儀なくされ、憲法の教育案項や教育基本法の制定を始め、教育改革の立案と実施へと舞台を移して行きました。占領軍の4つの教青指今やアメリカ第一次教育便節団報告書などにみられるように、連合国は、占領初期、教育の非軍国主義化と民主主義化を二大方針とする教育改革の構想を大担に提示しました。日本国内でも、田中耕太郎、南原繁など代表的知識人が、文部大巨・教青刷新委員会委員など、教育改革当事者として、重要な役割を果たしました。

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戦後教育改革は、ファシズムを打倒した反ファシズム連合の勝利、国際民主主義の積極的支持という世界史的背景を持つと同時に、日本側関係者の自主改革推進への熱意と主体的力量をはじめ、日本国民の戦争体験の真剣な反省と民主教育への強い期待という、二つの契機がもたらしたものですが、占領末期、占領軍の教育政策が反共へと転換するにつれて、教育改革の実施にも様々な困難をもたらしました。このような反動化は、サンフランシスコ講和以後の反改革へとひきつがれていきました。
日本国憲法は、直接教育条項を設け、基本的人権の一環として、国民の教育を受ける権利を明記しているのをはじめ、学問の自由など、教育に関連する重要条項が多いです。教育基本法は、日本の教育の重要な指標を掲げた画期的な法律でした。教育基本法は、第一に、天皇制教学と国家主義教育、軍国主義教育を基本理念とした教育勅語を否定し、教育勅語に変わる、新しい日本の教育宣言として成立したものです。日本国憲法の基本精神を受け、憲法に内在する教育理念を具体的に明示したもので、教育憲法とも称せられます。法的地位に着目し、教育基本法の準憲法的性格が主張されました。
教育勅語と教育立法の勅令主義の慣行を否定し、国民の代表者からなる国会における、制定という民主的手続を重視したからにほかならないです。これに従って、教育基本法、学校教育法、教育委員会法、社会教育法、国立学校設置法、私立学校法、文部省設置法、教育公務員特例法、教育職員免許法などの重要教育法律が制定され、教有育基本法制が発足しました。
教育の機会均等原則が明記され、学校制度の単一化、九か年義務制、六・三・三・四制などが実現しています。公教育における、私学の重要な地位にかんがみ、私立学校の公共性と自主性、国民の自己教育・相互教育を本質とする、社会教育の分野における、国民の教育の自由の一環としての社会教育の自由の保障などが注目されました。
教育基本法は、日本国憲法の平和主義と民主主義を積極的な教育目的とし、これで、軍国主義的・国家主義的教育目的を排除しようとしました。戦前の皇国ゾ適二則リに変わり、教育基本法は、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を掲げています。次代の主権者である子どもに対する、政治教育の尊重が重視されるとともに、信教の自由と政教分難にもとづき、国公立学校における宗教活動の葉禁止が明記されています。教育内容改革として、学習指導要領の作成や社会科の成立、国定教科書から、検定教科書への移行、新制大学における一般教養の重視などがあげられます。
教師は、学校教育の公共性に伴い、国民全体に直接責任を負い、国民と直結した教育を行う事が期待されています。教師の教育活動の自由を認め、不当な権力支配が禁止されていました。教師の身分尊重、待遇の適正を強調し、国民統制を排した教員の資格、身分のあり方を定めています。民主教育を推進する、教員養成制度の改革、特に、開放主義、教育公務員の権利としての研修や人事の特例などの保障、大学自治の制度的保障などの規定がそれです。
教育行政は、教育の自主性確保の要請のもとで、教育内容に権力的に介入せず、教育を守り育てる、条件整備を任務とも限界ともしています。文部省は、従来の中央集権的監督行政を一新し、教育の民主化にふさわしいサービス機開として再出発しました。地方教育行政の段階でも、教育行政の官僚統制、中央集権、一般行政への従属を批判し、民衆統制、地方分権、独立性を改革原理とした、公選制教育委員会制度が発足しました。定めた教育委員会法が、公正な民意により地方の実情に即した、教育行政を行うとしているように、教育の地方自治を実現する制度として設けられたものでした。

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