教育法の法源

教育法の存在形式としての教育法の法新は、これを成文法と不文法とに分けることができます。成文法源、教育法の成文法源としては、憲法、法律、行政機関の制定する命令および、地方公共団体の自主法としての条例がありますが、教育法の分野で特に注目すべきは、法律の形式をとってはいますが、他の各種教育法令の基本となっている教育基本法の存在です。教育基本法は、日本国憲法と密接不可分の形で制定されたものですが、一方で、明治憲法下の教育勅語にかわる教育宣言的な内容と、他方で、教育法における直接拘束的な内容を持ちます。基本法的性格を有する点において、その後、1960年代以降に、数多く制定されるにいたった基本法が、一定の行政組織についての規定のほか、その内容のほとんどが、政府の単なる施策方針を表明したものにすぎないのと大きく異なっています。

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教育基本法は、その立法過程、憲法の付属法律性、施行法に対する本法たる地位などからして、その教育審法的性格、又は、準憲法的性格が認められています。一部の者は、教育基本法も法律である以上、それは他の教育法律と、その効力において対等であると説きます。この点、最高裁は、教育基本法は、戦後の教育改革諸立法の中心的地位を占める法律であり、一般に教育関係法令の解釈及び、運用については、法律自体に別段の規定がない限り、でぎるだけ教基法の規定及び同法の趣旨、目的に沿うように考慮が払われなければならないとしていますが、この見解は、両説の析勅説と評することができます。最高裁は、単純な後法優先、特別法優先の原則をも、また準憲法説をもそのまま採用しなかったのです。少なくとも、準憲法説をとるにせよ、折勅説をとるにせよ、教育基本法が他の教育法律と、法的、形式的に対等なものとされるべきでないことのみは、明らかです。それ故に、行政機関の制定する命令は、憲法、教育基本法およびそれに適合し、または適合的に解釈される法律に厳しく拘束されることとなります。特に教育基本法10条に関して問題となります。最後に、教育における、地方自治の現行法制下での重要性は、地方公共団体の自主法としての条例および、現則の法源としての重要性を導きます。住民自治を基調とする現行憲法下の地方自治の保障は、とくに教育および、教育行攻において強いものがあることは、最高裁も認めるところで。条例や規則の制定において、他の法分野における以上に、地方公共団体の自主性、創意性が教育法の分野では期待されています。文部省通達などにいたずらに拘束されることをやめなげればなりません。特に教育委員会規則については、それを制定する権限を有する教育委員会が、一種の行政委員会として、一般行政機関とは、その地位、権限において異なっていることを重視しなければなりません。不文法源教育法の不文法源としては、教育慣習法と教育条理法とがあります。教育判例法は、英米のような判例拘束性が認められていない、日本においては、慣習法の一種としてのみその法源性が、認められるものというべきです。慣習法は、教育がその自主的、創造的活動性からする教育社会の自律性に委ねられるべきところも多く、したがってまた、それに対する成文法による他律的規割は抑制されなければならないところが少なくないところから、教育法の分野では、きわめて重要です。例えば国公立大学の教員の懲戒は、成文法の視定にもかかわらず、当該教員の属する学部教授会の議にもとづくものとする慣習法があると解されます。小中高等学校における職員会議の内容も、多く慣習法によっているところがあります。条理法も、教育法の分野においては、なお成文法が不備不統一であるところから、重要な法源となっています。教育法が、教育の性質・原埋に照らして理解される必要がある以上、当然のことです。どのような慣習法および条理法が教育法の分野において法源として確認できるかについては、教育および教育行政に関する埋解の相違によって、きわめてはげしい論議の対象となるであろうことは、想像にかたくありませんが、具体的な事案に即して整序していくことになります。

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