路上で遊んでいてはねられた

私の小学校二年生の子供は、家の前で近所の友達とカンけり遊びをしていたところ、通りかかった牛乳配達車に接触し大けがを負いました。運転していたのはアルバイトの学生でした。補償を請求しようと考えていますが、どうしたらよいのでしょうか。
運転をしていたアルバイトの学生と、その雇主の牛乳屋両方に賠償の請求ができます。実際は、賠償能力のある雇主を相手にすることになるでしょう。
なお、雇主の方は運転者が正規の従業員でないことを理由に責任がないといい張るかもしれませんが、もしそういうことがあるとすればまったく間違いです。すなわち、自動車が雇主のものであれば、運転者が誰であろうと運行供用者責任を免れないのです。
次に相手方は、おそらく、子供にも過失があったことを理由に、賠償金の減額を主張してくると予想されます。このように、事故に遭ったとき被害者にも過失があった場合には、被害者の過失を理由に賠償金を減額することができるものとされており、過失相殺とよびます。

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ところで、被害者が児童、幼児の場合に、被害者の過失を理由として過失相殺ができるでしょうか。かつては、過失相殺をするには、被害者に過失を問いうるだけの知能のそなわっていることが必要であるとして、児童、幼児が被害者の湯合には、原則として過失相殺は許されないという考え方が有力でした。ただし、親などの監督義務者に監督不行届の点があれば、監督義務者の過失を理由に、被害者本人の損害について過失相殺を認めることになります。
例えば、親が幼児を連れて買物に出たところ、ちょっとの隙に子供が車道に飛び出して事故に遭ったという場合には、子供から目を離した親の過失を理由に賠償額が減らされます。これに対して、子供だけで住居の近くで遊んでいて交通事故に遭ったという場合には、子供の年齢によって違ってきます。二、三歳の幼児を一人遊びさせていたようなときは、一人遊びさせたこと自体が親の落度といえますが、少なくとも小学生ぐらいになれば、近所に遊びに出るのにまで親が付添う注意義務はないといってよいでしょう。
さて、このように子供白身の過失が不問とされる年齢は、交通の危険を認識できる能力の有無を基準として判定することになります。現在では小学生くらいになれば、交通の危険を認識できると見てよいと思われます。
つまり、小学生以上の場合には、親の監督不行届は問題にならないかわりに、本人自身の不注意な行動を理由として過失相殺をすることが許されるわけです。ただし、道路上でカンけり遊びをしていただけで過失ありとされるかどうかは別問題です。自動車の往来頻繁な表通りなどの場合には車道で遊ぶこと自体問題ですが、静かな裏通りなどでは、むしろ車側が子供たちの存在に十二分な注意を払うべきです。したがって、路上遊戯というだけで過失相殺の対象となるとは限りません。いずれにしても、本問の場合には、事故の際の子供自身の行動をよく確かめたうえ、補償の請求や交渉に臨む必要がある でしょう。
なお、最近で、子供の年齢如何を問わず、つまり幼児の場合でも、本人の行動によって過失相殺の有無または程度を含め、親の監督不行届の有無をあまり重視しないでよいとの意見も、専門家の間から出ています。

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