子供は親はどう見ているか

 親に対する子どもの認知について考えてみると、親の性格や親の生活態度や親の考えていることなどを、一体子どもはどのように認知しているでしょうか。
 それは、自分の家庭を子どもがどのように認知しているかということにもなります。この程の問題については、質問紙法や面接法が行なわれ、直接面接によって、子どもの気持や考えていることを分析したり親察したりする場合が多い。これをより一般的にとらえるときには、何百人かの子どもに共通な反応を求めるために、質問項目を用意して、解答させる方法を用います。私の又は小さいときからよく世話をしてくれたり面倒なこともいやがらずに細かく行動してくれたいい人ですと子どもが認知している、また、母はわりにいいかげんかところがありますが、なんとなくあたたかいふんいきをつくるような人ですと認知しているとする。ほかの人が親についてしらべてみても、ほぼ同じような態度で子どもに接しているという解答がえられた場合は、親子間の認知は一致していることになります。こうして何項目かのなかで、どの程度の率で一致するか、また何パーセントの率が不一致となるかをしらべます。そして、不一致となっている面は、内容としてどんな認知か、一致しているところは、どんなことがらについてであるかということをあきらかにします。幼稚園児から中学生群までの年令では、このような方法によって、親子関係が探索されます。またこれに投影法、ロールシャッハ・テスト、TAT、CATなどを用いて、さらに深く心理学的な特徴をあきらかにしようとする方法があります。

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 CATなどは、動物のでてくる絵をみて自由に子どもがおしゃべりをしてみます。自分の好きな話をしている間に、ライオンと父親とを同一視してみたり、母親に対する攻撃の欲求がトイレにいこうとする話のなかででてきたりして、無意識的に形成された心の状態が自然にあらわれてくるしかけになっています。普通の方法ではとてもさがせなかったような深層の心のなかを、興味探くとらえでいくことができます。
 質問項目による分析結果か二つの規準にして、観に対する認知のわるい子どもの群といい子どもの群にわけてロールシャッハ・テストを実施した結果、わるい群はいい群よりは反応総数が少く、しかも感情的な統制のわるい特徴がはっきりみとめられている。また、心のはたらきが、固く、固執的であることもわるい群に強くあらわれている。そして全体に外界に対する現実的認知度もわるい子どもの群はわるく、主観的に感情的に親を認知している傾向の強いことがあきらかにされています。これに比べて認知のいい子どもの群の特徴は、感情をおさえるはたらきがよく、あまりこだわらない傾向か強く、客観的に冷静に親を認知していることがわかりました。
 結局、わるい子どもの群は、不安な感情があると、自分の親や家庭に対する認知が不安定になり、その結果は、問題行動となってあらわれてくることが多いといわれています。親に対する子どもの認知が適確に行われ、客観的にみても親子間の心の理解が主観的でないときには、心理的に安定した状態をたもっていることができるわけです。
 また、親は子どもに対してどのようなことを期待しているだろうかという研究をながめてみましょう。母親は男の子に対して勉強することをのぞみ、女の子に対しては情愛の深い行動を期待し、両親とも、子どもに対して素直であることを強く希望しているようです。こうした親の期待に対して子どもは、希望通りに行動するかというと、むしろ反対な行動にむかう傾向が強いといわれ、親子間 の役割がちがっていることを意味しています。
 わが国の家庭においては、子どもとかかわり合いの多いのは、まったく母親で、父親は子どもといっしょにいたり、よく話し合いをする時間などがきわめて少い。かくて、教育ママや、過保護な母親が多くあらわれたり、またむりな要求的なしつけが強制されたりして、親子関係は、決して正常なものだといいきることはできない。

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