子供の集団生活への参加

 人間が集団生活をして、社会からいろいろな規定を受けている以上、発達の過程において社会生活に合った行動様式を身につけてゆかねばなりません。こうしたことは生得的にはじめから備えているものではなく、生れた後に経験や学習によって習得してゆくのです。
 社会的行動様式を身につけていない乳幼児は、ただ自分の欲求の働くがままに行動をします。こうした幼いものの間にみられる、いわゆる自己中心的な行動は、幼いがゆえに許されますが、年令がすすむにしたがって、それは許されなくなり、社会の枠の中からはずれた行動としてみなされるようになります。しかも、社会的な枠の中からはずれた行動様式をとることは、自分自身が社会にうまく適応できないばかりか、社会の人たちにも大きな迷惑を及ぼすことになります。
 しかし、ほとんどのものは、年とともに、両親をはじめとするまわりの大人たちの影響や指導によって、自然のうちに社会生活をしてゆくために必要な行動様式を身につけてゆくのです。

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 私達が社会的にいろいろな規定を受けているのは、人間が集団生活を営んでいるからであり、そのために、社会的発達ということを問題にする場合、中心的な課題は人間の集団生活の中から見い出すことができるでしょう。
 私達は生れてから死に至るまで、いくつかの集団に属しており、その集団の中で、集団独自のルールに従って、また集団内の他の人びとと互いに協力しあって生活をしています。また、直接集団に属していなくても、何らかの意味でいくつかの集団にかかわりをもっており、まったく一生涯社会と関係なく生きてゆくことはできません。このことは、社会が発達するにつれて、一層顕著なものになり、集団の規定はより厳しいものとなり、互いの密接な連絡、協力があってはじめて集団そのものをスムーズに動かしてゆくことができるのです。社会的枠組の中では集団が個人の行動を規定しているだけでなく、個人も集団へ働きかけており、社会は相互関係から成り立っています。
 従って、集団の規定といっても、普遍的なものではなく、集団の種類によっても異なるし、地域的な違い、そこにある文化の差異によっても異なり、また、時代によっても大いに異なっています。
 しかし、いずれにせよ、その文化、その時代、その集団に属していれば、それらのもつ規定に従って人間は動いていかなければならないのです。そして、その規定にそくした行動をとり、生活がスムーズにいっていれば、適応行動、すなわち、社会的行動と呼ばれ、それからはずれると、不適応行動、あるいは、反社会的行動とか自己中心的行動と呼ばれるのです。

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