子供の意地悪

子供は自己表現が未熟であるため、ときには見当違いの行動をとることがあります。例えば、うれしいときに相手の頭をたたいたり、遊んでほしい子供の髪の毛をひっぱりまおしたりするなどが、それです。一見、乱暴で意地悪のようにみえますが、実は子供の真意は感情や意思を表現したいということにあるのです。特に元気がよい 子供や、社会性の乏しい子供の場合は、このような誤解を招くことが多い。しかし、なかには心の不満から、その反動として、意地悪をする子供もいます。小学校二年生のある子供は、とくに腕力の弱い子や女の子に対して、暴力をふるったり、手下にしたりするという困ったくせをもっていました。あるとき乱暴をとがめた子供にいきなり椅子をふり上げて投げつけ、それが運悪く額にあたり、五センチも縫うほどの大ケガとなり、父兄の間で大きな問題になったこともあります。この子供(T)のこのような意地悪がどのように形成されたかは、家庭環境を分析することで、ほぼ理解することができました。Tには兄と妹かおり、兄ははじめての男の子として両親や祖父母から可愛いがられ、愛情か一身にうけて育ったが、その兄より四年あとに生まれたTは、兄ほどの顧慮は得られず、また動きの激しい子どもで、親のいうこと をきかないことも多かったためか、両親は小さいときから手に負えない子という印象をもっていたようです。その二年後に生まれた妹は、女の子だということで、両親も祖父母も別の興味がわき、お人形のように可愛いかった。Tは家のなかでは孤立した存在でした。兄とはよく喧嘩をしましたが、そのたびに「大きい兄ちゃんに手向かう」といって叱られるし、妹をいじめると、「大きいくせに、小さい子をいじめる」と叱られました。ときには、少々気性の荒い父から折檻されることもありました。それは兄がやや病弱で腕力がないのとは逆に、Tは壮健で腕力も強く、向うみずに乱暴することもあって、父は兄のほうをかばってやらねばならない状態だったからです。Tは親に叱られ、体罰を受けても、自分は親に信頼され、受けいれられているという気持ちをもっていれば救われていたものを、残念ながら、親に対するあたたかい気持ちは全くなかったのです。つまり、Tが学校で乱暴するのは、家庭で抑圧された衝動や父や兄への敵を弱いものいじめに、そのはけ口を求め、それが成功することで、敵意や衝動からくる緊張を解消していたと解釈されます。

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子供のなかには弱いものいじめばかりでなく、火や猫をいじめたり、蛙をふみつぶしたり、バッタの手足をもぎとるなどの残忍な行為をするものもいます。これも誤に満たされない心がうずいている場合が多いと考えられます。もっとも、子供の破壊行為や動物虐待は社会性ないしは情緒が未熟なために、自分の行動を制御できないことからくる、いねば一過性の問題だと考えられる場合もあります。この場合は放置しておいても、自然に直ってしまうことになります。

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