勉強のできない子供

勉強のできないことを学業不振といっていますが、この言葉は他の子どもに比べて学力の進歩が遅れていることを指すこともあるし、その子の知能の高さにふさわしい学力を示さないことを意味することもあります。このうち、ここでは前者の場合を考えてみることにしましょう。
ところで、一口に学業不振といっても、その様 相は様々です。どの教科の成績もかんばしくないという場合もあれば、ある特定の教科だけの成績がよくないという場合もあります。また、国語、算数、社会、理科などはよいが、音楽、図工、体育はよくないとか、あるいはその逆の場合、国語に比べると算数がよくない、算数の勉強のうちでも文章題が苦手であるなど、子供の一人一人に特徴がみられます。
したがって、これらの子供の指導を考える時には、まず、その勉強のできない状態がどんなものかをはっきりとつかまねばならないし、その上でその原因をいろいろの角度から詳しく調べてみる必要があります。

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学業不振という現象は、子供が抱えている様々の問題の特徴として現われてくるから、その原因も多方面にわたっています。予想される原因を列挙すると、およそ次のようになります。
人格的要因。知的な側面としての知能の構造、基礎学力など、身体的な側面としての難聴、弱視、身体虚弱、肢体不自由、言語障害異常など、性格、行動的側面としての学習意欲、学習興味、学習 習慣、情緒の安定性、社会的適応性など。
環境的要因。家庭における人間関係、養育態度、教育的関心、文化的設備など、学校における教師の指導技術、教師および友人との関係、施設、設備など、地域社会における教育的関心、教育的、文化的施設など。
これらの要因のうち、人格的要因はいずれもそれだけでも学業不振の直接の原因になりうりますが、環境的要因のほとんどはそれが直接に学業不振をひき起こすというよりもむしろ、まず子供の人格に影響を与えて、その結果として間接的に学業不振をひき起こすと考えられています。また、これらの要因は一つ一つがバラバラにではなくいくつかが同時に働いていることも多い。
学業不振の原因がこのように多様であることを考えると、一人の子どもについてその原因を探るには、これらの要因の全般にわたっての総合的な判断が要求されます。
知能の構造における欠陥をみるためには、専門家による診断的テストが必要です。一般に、学業不振の子どもは、言語能力や思考力が劣っていることが多い。基礎学力をみるためには、標準学カテストのようなものが考えられますが、特に読解力や数を扱う能力は、すべての教科の学習の基礎となるものであるから詳しく調べなければなりません。
学習意欲や学習興味、情緒の安定性、社会的適応性などは、日常の観察やテストなどで判断されます。また、規則的な学習生活や効果的な学習方法などを含む学習習慣はこれまであまり重視されていなかった面で、それを調べる方法も十分に発達していないが、観察によってかなりの程度までわかるはずです。
また、勉強についての子供の考え方もぜひ調べておきたいものです。勉強の意義をしっかりつかんでいないと、勉強に対して積極的にはなりにくいからです。
ある学習をするためには、それに必要な基礎となる学力があります。例えば算数の文章題を解くには、数学的な思考や計算力のほかに、問題の意味や構造を読みとる能力が必要です。小学校高学年になると、文章題が不得意だという子供が増えてきます。それらの子供たちの中には、読解力が劣っているものが少なくありません。その問題が何を求めているかさえつかめないことがあります。
社会科においても、身のまわりの問題を考えるとき、直接経験が少なかったり、知識が乏しいために、考えを進めていくための材料が不足している場合も少なくありません。また、過去の学習の中で、基礎となる知識が整理されてしっかりとつかまれていないことも多い。
どんな勉強でも学習の積み重ねによって効果的になされるのであるため、それぞれの学習における基本的事項はたえず振りかえって思い出される必要があるし、そのように低学年の段階から指導されなければなりません。勉強がうまくいかない時に、自分は頭が悪いと思い込んでしまう子がいるが、そのつまずきをよく調べてみると、現在の能力というよりはむしろ過去の学習がうまく定着していないことが多いのです。

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