読書困難児

読書困難とか、読書障害ということばには、次のようないくつかの意味が含まれています。
(1)文字がまだ十分に理解できていないために、文章をスムーズに読めないという意味での読書困難。これはいうまでもなく、文字学習を徹底的に行なうことが前提となります。
(2)文字は読めるのだが、文章の内容について理解して読むことができないという意味での読書困難。極端な場合は文章ではなく、単語の意味さえ、理解していないという場合もあります。例えば、「い」「け」「と」という文字は読めるし、「とけい」「けいと」と続けて読むことはできるのに、「その単語の意味は」とたずねると、十分に理解していない子供がいます。
(3)文章の内容については理解できるのですが、その文章がいいあらわそうとしている意味を把握することがむずかしいという意味での読書困難。これには、さらに算数の応用問題で、何を求められているのかが理解できない場合と、寓話とか教訓のような文意を理解できない場合とが、含まれています。
(4)好きな、あるいは得意な教科の文章はよく読めるのに、嫌いな分野の文章は抵抗感が強く、スラスラ読めないという意味での読書困難。いわゆる学科の好みの偏りが反映していると考えられます。ときにはマンガとか絵入りの本ならばよろこんで読むのに、活字だけが並んでいる、しかも読破するためには、かなりの努力を必要とするような本は読めないという子供もいます。
(5)情報が耳から注入される場合は理解できるのに、同じ内容のことを活字にした本を読むように要求すると、とたんに読書困難を示す場合もあります。これにはよい読書習慣がついていないために、本を読むことに興味がなく、無理すると気疲れして、内容の把握が困難になる場合と、子供の眼球運動が生理、心理的に読書に適合していない場合とが合まれています。
(6)その他、もともと情織的に注意散漫であったり、意志薄弱であったりした場合、読書という注意の集中ないしは意志緊張を必要とする活動を毛嫌いするということもあります。

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このように、一口に読書困難とか、読書障害といっても、その内実は複雑で、指導にあたる場合も、ケースバイケースで、慎重にその原因を究明し、指導プログラムを組んでゆかなければなりません。ここではこの分類にしたがって、読書困難児の指導のあり方について解説してみます。
(1)と(2)の場合は、就学前の子供にはあてはまらないが、学齢期に達した子供が、いつまでも、そのような状態にあるならば、知能の発達の上では問題はないか、文字学習ないしは文字の習得過程で問題はなかったか、といった面について検討してみることが大切です。特に文字学習に際し、「と」「い」「け」と文字を一つ一つ、意味のないままに教えた場合は、意味のある単語とか文章の理解は遅れることがあるので、注意しなければなりません。(3)のうち、特に算数の文章題の理解が不十分だという子供は意外に多いものです。それは難しくいえば、文章を論理的に筋道を立てて読むという学習が不十分な場合です。教授の工夫が必要になります。また、文章をただ漫然と読むのではなく、何が書いてあるのか、筆者は何をいいたいために、このような文章を書いたのか、といったことに留意しながら、文章を読むという習慣をつけることが大切です。出向の例は、最近、非常に多くなりつつある。テレビやゲームが氾濫し、子供は感覚的なレベルで、ものごとをとらえるということにならされているためかも知れません。これを是正するためには、子供の読書意欲を高める指導法を勘案してゆくことです。それには、はじめに、子供の興味に合った本を与え、文章を読むことで、いっそう興味がかきたてられることを知らせます。例えば、自動車が好きな子供には自動車について解説した本を、また、テレビでサッカーとか野球が好きになった子供には、サッカーとか野球のことについて書いた本や雑誌を与えて、そこから知識を得てゆくように導く。親が億劫がらずに、子供に本を読んでやり、ある程度、理解することができるようになったら、子供一人で読みつづけるように導く。例えば、親が最後まで読んでんでやらないで、最後の完結のところは、子供自身に読ませるとよい。子供が読書好きになるための条件の一つに、親自身が読書好きだということがあげられます。心理学の用語ではモデリングといわれるのが、これに相当します。子供にとってよいモデル(模範)が身近かにいるということが、結局、自然のうちに、子供をそのモデルに同化させることになります。家庭内に本が備えられているということも、その一つの条件になります。
なお、(6)の子供の性格の問題は読書指導に際しては、もっとも厄介なものですが、しかし、遂にいえば、読書のよろこびを発見することによって、情緒も安定し、落ちついて読書にむかうという性格が形成されることにもなります。あまり早くから、子供の性格を固定化したり、そのような見方をすることは禁物です。ただ、(5)で述べた眼球運動が読書に不適合になっている子供の場合は、一度、専門家にみてもらうのがよいでしょう。極端に読書速度がおそかったり、読書の後、疲労がはげしい場合は、このような眼球運動の問題があることが、よくあるからです。

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