登校拒否・学校嫌い

登校拒否とか学校嫌いという現象は、一昔前には、あまり見うけられなかったものですが、最近は、急上昇の勢いで増えています。おそらく、かつてのように学校が子供にとっては楽しい、能力のあるところではなくなり、逆に、苦しい、やや大げさな表現でいえば、地獄のようなところになってきているためなのでしょう。もちろん、子供が学校嫌いになる理由は学校側に問題があるだけではなく、家庭の側にもあります。特に幼少期では、例えば、朝一定の時刻に超きて、朝食をとってといった生活習慣の規律化ができていない場合は、毎日きまった時刻に、いやおうなしに登校しなければならないことへの抵抗が強く、ついぐずり出すということもあります。また、就学前に母親が学校について話すとき、「ちゃんとしない子は入れてくれない」とか、「そんな泣き虫では学校の先生がおこり言すよ」といった恐怖感をおこさせるようなことを口にしていれば、子供は学校について悪いイメージをもってしまうことになります。その他、家の中にばかり、とじ込めていて、ほかの子供と平等な仲間づき合いができない状態になっている子供も、はじめのうちは学校嫌いになることがあります。
さらに、小学校の高学年になると、学科の好き嫌いがはっきりしてきて、嫌いな学科のある曜日には登校を拒否したり、担任の教師にたいする嫌悪感から学校嫌いになることもあります。特に子供が内向的な性格の持ち主である場合、教師がそれを無視して、級友の前で非難したり、厳しい態度でのぞんだりすると、子供は教師を憎んだり、あるいは反抗心を燃やしたりすることがあります。
中学生になると、教師や親を困らせる手段として、登校を拒否するようになることもあります。

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登校拒否が学校恐怖に根ざしている場合は学校恐怖症とよばれることもあります。そこに至るまでの経過には、おおよそ次のような特徴がみられます。
第1期(軽い精神身体症状を示す時期)夏休みが終わりに二学期の第一日日とか、長期欠席をしたあと、はじめて登校する日、あるいは普段の曜日では、特に月曜日などに多く表れますが、登校時刻の前になると、「お腹が痛い」とか、「頭が痛い」と訴えることが、そのはじまりである。無理に登校させようとすると、泣きわめいたり、ふくれたりして、親を手こずらせることが多い。たいていの親は、結局、子供に負けて休ませてしまうが、子供のほうは一時間もすると、ケロリとして、好きなことをして遊びはじめたりします。しかし、翌朝、また登校時刻がくると、再び「お腹が痛い」とか、「頭が痛い」と訴えます。
第2期(登校しないことに理屈をいう時期)朝、腹痛や頭痛を訴えて、登校を拒否しつづけているうちに、しだいに自分が登校しないことを合理化するようになります。例えば、「学校へ行って、あんなくだらない勉強をしたって、つまらない」とか、「先生の教え方がわるいから、勉強がおもしろくない」とか、さらには「僕は学校へ行かなくたって、立派な人間になれるんだ」といった理屈をこねて、登校しない自分を正当化しようとします。学校へ行くことの目的とか意義について親といい争いをするのが、この時期です。
第3期(無気力状態に陥る時期)やがて、一〜ニカ月も登校を拒否しつづけると、そのような理屈をこねることや、いい争うこともしなくなり、目は虚ろになり、なにもしようとしない虚脱状態に陥るようになります。第2期までは、学校へ行かねばならないという気持はまだ残っていたのですが、この第3期になると、そのような気持さえ、起らなくなり、さらには「学校」とか「先生」という言葉を聞いただけで、狂乱状態になることも、稀ではありません。学校恐怖症という言葉は、正しくは、この第3期にすすんだ子どもの症状を 指していいます。
第1期の段階にある場合は、親が付き添ってでも、強制的に、毎目学校へつれてゆくことで、かなり効果をあげることもできますが、第2期以後では、専門家による心理治療を施す必要がおこってきます。子供には必ず子供なりの要求や訴えがあるのであるから、それをあたたかく受容し、子供自身が主体的に立ち直るきっかけを与えることが必要なのです。親の一方的な説得や、教師の説教はそういう意味では逆効果でしかありません。
このような子供は、だれかに自分の本当の気持を知ってほしいという願いをもっているものです。しかし、大抵の場合、親は厳格な態度を示したり、あるいは子どもの気持を十分に汲まないで、適当に解 釈したり、また、教師は学習の能率をあげることしか念頭になく、子供の心の中を理解しようとしないことが多い。登校拒否をする子供は、その拒否という形で、じつはそのような親や教師に反抗しているのだ、と解釈されます。心理治療は子どもに必要なばかりでなく、親や教師にも必要だといえます。

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