思春期の心理的特徴

思春期は一二歳頃から始まります。その始まりは、身体の急速な発達によって特色づけられます。身長や体重の増大もさることながら、第二次性徴の出現は、これを迎えたものに、もはや子供ではなくなったという強い自覚をもたらします。
自分自身に関心が集中することも思春期の大きな特色です。すなわち、児童期まではどちらかといえば外界に向けられていた関心や興味が内面に向けられ、自分の身体、容姿、能力、性格などについて他との比較がなされ自分の特徴が考えられます。自分自身をひとつの対象として見ることができるようになって、見る自分のほかに見られる自分が分化してくるのです。そして、自分の欠点や短所が強く意識され、それに嫌 悪感や劣等感を感することもあれば、自分の優れているところを自覚して満足したり商揚した気分になることもあります。自分が他人にどう思われているかということが気になるのもこの時期です。
自分自身について各自が抱いている考えのことを自己概念といいます。青年の自己概念は極めて不安定で、わずかな体験をもとにして勤揺します。青年は自分自身についていろいろと考えます。しかし、社会的経験が乏しいために自分のことを正確に評価できません。したがって、いろいろな事象や他人からなされた批判をどのように受けとめたらよいかについて当惑したり、実情を過小に評価してしまうとか過大に評価してしまうとかします。
青年は、一方においては自分の現在をそのまま肯定したいと思います。しかし、理想とする自分の姿と現在の自分との距離は大きく、絶望的な気持にもなります。他方、また欠点の多い自分に嫌悪や失望を覚えても、自分という独自の存在の意義を否定しきることはできません。ここに自己に目ざめた青年の悩みの核心があります。
悩みというのは、自己あるいは自己をとりまく環境の中に不安、心配、恐れの原因があり、それを除去する手段や方法が見出せず、このために不安定になっている状態です。与えられる情報が多く、価値が多元化している現代では、悩みの内容も多様です。

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青年の自己概念は、わずかな刺激によってつくられたり壊されたりします。そして、それによって自信に溢れて高慢ともいえる態度を示していたものが、沈滞し挫折した消極的な態度へと目まぐるしく変化します。
人の生涯の中で、思春期ほど自分自身についての考えが変化する時期はありません。児童の心は、自分について考えることが少ないために安定しています。また、成人の心は、自分自身について一種のあきらめをもち、自分の現実をほぼ全面的に肯定しているために、青年の心よりは安定しています。心が不安定で動揺しやすいということは、そのこと自体が青年の心の大きな特徴なのです。
ごく一般的にいうと、性格は生得的な素質を基礎にして様々な人間関係や環境に対する適応過程を通じて形成されます。しかし、性格は、素質といういわば内側から働きかけるものと、環境といういわば外側から働きかけるものによって受け身の形でのみつくられるのではなく、意欲的、能動的に自分自身の手でつくっていこうという要因も無視できません。幼児期、学童期までは、性格は受動的に、また本人に特に自覚されることなく形成されるのに対し、思春期以降は青年みずからが自己の性格形成に対して自主的態度をとるようになります。
このようになりたいという理想像が設定されて、それに近付くように努力がなされるのです。よく中学生や高校生の机の上には、初志貫徹、真実一路、あるいは勇気とか決断というような文字を書いた紙が貼られています。これは、自分の性格に不十分なところを見出した青年が、それを是正し克服して理想的な自分になろうとする意欲を示したものです。自分の心を鍛えるということに、青年期ほど一生懸命になる時期はありません。肉体的に苦しいことを承知の上で、激しいスポーツの練習をしたり、座禅を組んでみたりするのも、その気持の表れです。
ところが、性格はそれほど簡単に意のままに変えられるものではありません。過敏で他人のことを気にするということを主内容とする神経質という特徴などは、なかなか変えられるものではないのです。周囲の人から言われ、また自分でも神経質であると自覚し、しかもこれが好ましくない特徴だと判断すると、青年はときと場合によって、本来の自分の性格とは違った性格を演技してみせるようになります。この過程は、つねに意識してなされるとは限りません。ときにはまったく無意識のうちになされることもあります。別の言葉でいえば、真の性格のほかに仮面としての性格が用意されて使われるようになるのです。仮面としての性格というと、それは偽りの性格であって価値的にみて好ましくないもののように考えられるかもしれません。しかし、性格は時により、また相手によってその表出の仕方が違うのがむしろ自然です。例えば、ある青年は自分が臆病であることを自覚していて、しかも実際にある情況で怖いなと感じても、その態度をみせるとみんなに軽蔑されると思うと虚勢をはってでも勇気のある人らしく行動しようとします。
見たままの性格がその性格であるのは、大体において小学校の四、五年生までである。子供たちは自分が相手にどう思われているかということに、青年ほど大きな関心はもっていないから、思うままに自分のすべてをさらけ出してのびのびと生活しています。したがって、子供の性格は外側から観察して得た印象から判断してもそれほど間違えることはありません。しかし、青年期を迎えると心の内部崩がしだいに複雑になって、見せかけの性格と実際の性格とのあいだに子供の頃には認められなかったような差違が生じてくる。青年の心の理解を困難にしているひとつの原囚はこのようなところにあるのです。

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