劣等感と優越感

自分と他人との違いが気になり、比較して考えるようになるのは、思春期の顕著な特微のひとつです。劣等感も優越感も、このようなことを背景にして発生する。
体格、容姿、能力などが他人より劣っていると感じ自分を低く評価する感情のことを劣等感といいます。何についてどの程度の劣等感をもつかということには広範囲にわたる個人差があります。学力、体型、体臭などが原因となることもあれば、親の職業、家の狭さ、自分の方言などが原因となることもあります。いずれにしても、自分がこうあってほしいと思っていることが満たされず、そのことにひけ目を感じている状態です。したがって、同じように肥満していても、Aはそのことをまったく意に介せず悠々と暮らしているのに、Bは太っていることを気にして人の前にも出たがらずみんなが自分をからかうと嘆いたりすることもあります。
劣等感というのは一種の心の弱みのようなものです。これに話題が及んだり注目されたりすると怒り、反発、弁解、逃避というような行動が生じます。深く根をはった劣等感をもつ青年には開放的でのびのびとしたところがなく、性格全般にゆがみが感じられます。例えば、ことさらに虚勢をはってみたり、しいてそのことを無視したり、このことは無価値なのだと自分にいい聞かせて気を紛らわせようとします。失敗することを恐れて必要以上に防衛的態度をとることもあれば、内向的になってしまうこともあります。何か無理をしているなという感じを接する人に抱かせます。

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幼児期の単純な自慢に比べて、思春期以降の優越感は劣等感から派生したものであることが多い。つまり、あることに劣等感をもつために、それの補償として優越感がつくられるのです。真にあることに誇りをもち自負しているものは、そのことを別に他人に誇示しません。他人に対して自分はこんなに優れているのだと語り、それを納得させ、それによって快感を得たいというのは、心に不安定なところがあり、その弱点をカバーしようとする場合に多い。
思春期にあるもので何の劣等感も優越感ももたないものは、よほど鈍感でない限りまれである。自分に絶対の自信がないので、同年輩のものなどとの比較において相対的な優位、劣位を自覚することになるのです。
劣等感をもつことは当人にとっては苦しみです。そのため何とかこれから脱したいと考え、これが向上への努力になり駆動力になることがあります。容姿に劣等感をもつものが、衣服を整えることで補おうととすることもあれば学問に専念するようになることもあります。
劣等感には、はっきりした事実の裏づけのあるものと、当人の考え過ぎにすぎない場合とがあります。例えば、幼児期に母親からお前の顔は醜いといわれ、実際には少しも醜くないのに、生涯、容貌についての劣等感をもつものがいます。
思春期は自分自身のことについて非常に敏感であるから、おとなが不用意にいった一言の言葉が当人の心にぐさりとつきささって終生それについて悩むようになることもあります。
劣等感の中には、解決の方法のないことに基礎をもつものがあります。その場合、このことに固執していたのでは、心の健康の上からも好ましくないし、社会的活動の範囲も限定されてしまう。視点をかえてみるとか、自分自身をそのまま受容するという態度が必要とされます。
何について劣等感をもっているかは、他人はもちろん、その本人も気がつかないことがあります。そして、ある話題を何となく避けているとか、ある角度から自分を見られると嫌な感じがするということなどで劣等感の存在を自覚することがあります。劣等感というものは非常に微妙であり、自分自身でその発生過程や程度を考えて解決していかなくてはならない問題です。

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