家庭での孤立

児童期まではなんでもよくしゃべる明朗な子供が、思春期にはいると無口になり、陰気な子供に変わることがよくあります。家庭でも親や兄弟と話すことも少なくなります。食卓をかこんでも皆の会話に加わろうとせず黙々と食事をし、食事がすめば自分の部屋にひきこもってしまう。親としては、なにもしゃべってくれないし、毎日暗い顔をしているので、一体何を考えているのかわからず不安になってきます。
無口になるのも思春期のひとつの特徴です。それまでは、興味の対象は自分の環境にあるいろいろな事 物でした。それがいまや自分自身や自分の内部が興味の中心になります。具体的にいえば、自分はなんのために生きているのか、人生の目的は何か、死とは何か、という問題です。こんなことは食卓の話題としてはふさわしくないし、家族と話しあうのもなんとなく恥かしい。だから自然と無口になっていきます。

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現代の親たちは、思春期の子供についていろいろな情報を与えられています。思春期は躾が難しい時期で、失敗するととりかえしのつかないことになる、親は子供の心を理解していなければならない、などです。新聞を読むと、毎日のように青年の自殺や家出や非行の記事が目につきます。今までは人ごとだと思っていても、自分の子供が無口になってくると急に強い不安にかられます。
また、特に母親は、自分が生み育てた子供なんだから、子供の心は隅々までわかるはずだというたいへんな自信をもって暮らしてきました。子供がしゃべらなくなると、子供の心が分からなくなります。自信が強かっただけに、不安はさらに強いものになります。
母親にとっては血をわけ肉をわけた分身のような子供であっても、子供は他人である。他人の心は、そう簡単に理解できるはずはありません。
子供の心を完全に理解せねばならぬという考えをすてたほうがよい。大体のところが分かっていれば十分です。親の不安が強ければ、子供は敏感にそれを感じとり、ますます話をしなくなります。
例えば、無口になった子供のところへ異性の友だちから電話がかかってくる。親は強い不安にとらわれて子供を呼びつけ、今の電話は誰からなの。あなたとはどういう関係なの。と聞きただします。こういう直接的な訊問には、子供は返事をしないのがふつうです。ブスごとした顔をして、黙って座っています。親はますますいらだって、叱りつけたり愚痴をこぼしたりします。子供はさもつまらなそうな顔をして聞いていますが、適当な機会をつかまえて立ちあがり自分の部屋にとじこもってしまいます。
これは親のやり方がへたなのです。直接聞きだそうとしてもます絶対に答えてはくれません。こんなときは、間接的な方法を使うのがよい。たとえば、子供といっしょにテレビドラマをみる。ドラマを題材にしてなにげない話しあいができる。ドラマは、愛情の問題、生と死の問題、自殺や家出や非行の問題、人生の問題を扱っている。お母さんは、この主人公の行動をこう考えているわ。あなたはどう思った。という質問をしてみます。あまり深刻にならずに、日常の軽い会話の調子で話すのがよい。子供も直接自分に関係することではないし、架空のテレビドラマが主題であるから、比較的気軽にしゃべれます。こういう話から、今この子は人生の諸問題についてこのように考えているらしいということを推測することができます。こういう会話の際に注意しなくてはならないのは、子供の意見を批判して叱りつけたり、すぐに子供の具体的な行動に結びつけてはいけないということです。そんなことをすれば、子供は再び沈黙の殻の中にとじこもってしまいます。あくまでも、フィクションの世界を題材にした楽しい会話でなければなりません。題材はテレビドラマにかぎることはありません。小説もまた、会話の材料としては有効です。親子が同じ小説を読み、それぞれが感想を自由に述べあらても、楽しい会話はできます。

思春期の心理的特徴/ 思春期の告白性と閉鎖性/ 思春期の微妙な人間関係/ 身長の問題/ 痩せている/ 肥満/ 食事の問題/ 睡眠の問題/ 考え方ややることがいつまでも子供っぽい/ 落ちつきがない・内向的傾向/ 劣等感と優越感/ 虚無的と無感動/ 神経質/ 嫉妬深い/ 男の子らしさ女の子らしさ/ 短気で乱暴/ わがまま/ 協調性/ 情緒不安定/ 学校の様子を話さない/ 反抗期/ 弟妹との不仲/ 家庭での孤立/ 個室の要求/ 下宿をしたがる/ 親を馬鹿にする/ 祖父母との関係/ 友達ができない/ 先生ぎらい/ クラブ活動/ 教室での孤立/ 学校ぎらい/ 進路指導/ 勉強の成果が上がらない/ 成績が下がる/ 塾・家庭教師/ 進学拒否/ 志望校の受験に失敗した/ 浪人生活/ 登校拒否/

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