浪人生活

自分なりに精一杯努力してもそれが不幸にして報いられなかったとき、人はどんな状態になるものでしょうか。なぜ失敗したのかと冷静に反省し、自分の不十分であっ た点や気がつかなかったことを考え、もう一度と勇気をもって障壁にいどんでくれれば問題はありません。幾週あるいは幾月かの後にはこのような状態になるにしても、不合格と決まったときのショックは大きい。
希望がかなえられず挫折に直面した人間には、大きく分けて二つの心理が働きます。
一つは敗北感です。目的が達成できなかったことから自分の能力に対して否定的な考えを持つようになり、自分自身に絶望するようになります。どうやってもダメな人間なんだといった感じで、自分がみじめに感じられ自己縮小慾が体験されます。かつての同級生で首尾よく合格したものとの差が痛切に意識され、決定的な敗北のように思われます。それらの人の顔を見ることもいやで、自分自身の中に閉じこもってしまいます。
もう一つは、自己の合理化意識である。これは、不合格の原因を、自分の勉強方法が悪かったからとか勉強時問が足りなかったという点に求めようとせず、それを自分以外のところに求めようとする傾向です。例えば、試験の日に風邪気味で調子が悪かったから、やまがあたらなかったから、いいコネがなかったから、ということに不合格の原因を見出そうとしたり、担任の教師の教え方が悪いとか父親が勉強部屋をつくってくれなかった、というような理由をあげるものもいます。なかには、あんな学校なんか入っても意味がないなどと自分にいいきかせるものもいます。

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イソップ物語に出てくるキツネは、みつけたブドウを取ろうとして失敗を重ねたあと、あんな酸っぱいブドウなんか欲しくないといって立ち去ります。この寓話から、自分の欲したものが自分の能力の不足のために獲得できないとき、そのものの価値を低くみることによって自分を納得させようとする心の働きのことを、心理学では、酸っぱいブドウの論理といっています。
ところが、このように屁理屈をつけて自分を納得させようとしても、心のどこかから真の原因は自分自身にあるのだという声が聞えます。しかし、これをそのまま認めてしまうと、やり切れない敗北感にとらわれてしまいます。絶望と酸っぱいブドウの論理がひとりの青年を交互に襲うことになる。浪人したものの心が不安定なのはこのためす。
生きているのがつまらない、何に対しても興味がわかない、寂しくてたまらないなどの憂鬱感や低迷現象。人の顔をみたくない、外に出るのが怖い、酒を飲んで何もかも忘れたい、という現実逃避。そして、ときにはたいした理由もないのに怒ったり家のものにあたり散らしたりします。
身体のほうも、このような感情に影響されていろいろ障害が出てきます。連動不足から食欲不振になって、顔色はさえなくなる。便秘をしたり下痢をすることもあります。夜よく眠れないと訴えるものも多い。体の不調は浪人のほとんどが体験するものです。このような状態にある青年に対して一番避けたいことは、安易な同情と特別扱いです。かわいそうだとか哀れといった目で見られることは、心の傷あとをいっそう深めることになります。特別扱いをされると、入試に失敗したことに重大な意味があるように思われて挫折感はますます大きくなります。
周囲のものとしては、一日も早く本人がもとの生活態度にもどれるように環境づくりをしてやることです。過敏でイライラしている本人をそっとしておいて、さりげなくまわりの条件を整えてやることが大切です。
以上に述べたような状態は一時的なもので、ふつうの健康な若者ならそう長くは続きません。しばらく予備校などに通って同じような苦しみや同じような悩みをもつ仲間と勉強するようになると、ほとんどの場合、自然に回復していくものです。

思春期の心理的特徴/ 思春期の告白性と閉鎖性/ 思春期の微妙な人間関係/ 身長の問題/ 痩せている/ 肥満/ 食事の問題/ 睡眠の問題/ 考え方ややることがいつまでも子供っぽい/ 落ちつきがない・内向的傾向/ 劣等感と優越感/ 虚無的と無感動/ 神経質/ 嫉妬深い/ 男の子らしさ女の子らしさ/ 短気で乱暴/ わがまま/ 協調性/ 情緒不安定/ 学校の様子を話さない/ 反抗期/ 弟妹との不仲/ 家庭での孤立/ 個室の要求/ 下宿をしたがる/ 親を馬鹿にする/ 祖父母との関係/ 友達ができない/ 先生ぎらい/ クラブ活動/ 教室での孤立/ 学校ぎらい/ 進路指導/ 勉強の成果が上がらない/ 成績が下がる/ 塾・家庭教師/ 進学拒否/ 志望校の受験に失敗した/ 浪人生活/ 登校拒否/

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