添寝

添寝をしていると、子供の自立性が発達しないと主張する立場があります。この主張の根拠となっているのは、欧米の子供たちの生活習慣です。彼らは、赤ちゃんのときから一人でベットに寝かされ、添寝などしていないのです。しかし、日本人が畳の上にふとんを敷いて寝、欧米人がベットで寝るのは習慣の相違であって、どちらが良いとか悪いとかいうものではありません。日本の家屋はすきま風などが入って寒いうえに部屋全体をストーブで暖めるのでなく、こたつや火鉢などの局所的暖房しか使わなかったので、子供を寒くないように親のふとんの中に入れて寝るという習慣は古くからありました。正確な資料ではありませんが、農山村の子供では実に九〇%以上が幼児期に親といっしょに寝ていたのです。農山村の貧しさや、子供のふとんを別につくるという煩わしさが、添寝を多くしている一つの原因であったことも否定できません。都会の子どもでも七〇%前後が幼児期に親と同じふとんで寝ているという調査もあります。

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すべてが欧米のようにならなければならないというのならとにかく、そうでなければ添寝を積極的に否定する根拠はないのです。現在の日本の大人たちは、その大半が幼少時に添寝をしてもらって成長したが、日本人が特に自立性がないとは考えられないのです。
子供は、ときに親、特に母親に非常に甘えたがります。母親の暖かさ、柔らかさ、優しさを求めます。添寝をしてもらった経験のある大人なら、寒い夜の母親のからだの暖かみやそれに触れたときのやすらかな気持というものを幼い幼年時代の記憶としてもっているでしょう。欧米の子供でも、朝、起き上がる前のしばらくの間、母親のベッドのなかにもぐり込むこともしばしばあるのです。
また、添寝をしてもらいながら童話を聞いたり静かに子守り歌をうたってもらったりすることは、幼児の心をやすらかにし、気持のいい眠りに導くものです。
添寝というものを頭から否定する母親のなかには、自分を進歩的だと自負している反面、子供をつき離すような冷たさがあります。特に、外国でやってないことなのだからという理由で否定をする母親のなかには、きわめて未熟な母親がいることがあります。
一つの臨床例ですが、子供が夜尿をして困ると相談にきた母親に、子供が寝つくまでそばにいて、お話をしてやったり、頭をなでたり、手を握ってやりなさいとすすめたところ、それだけで夜尿がなおってしまったという例もあります。
子供はいつも甘えるものではありません。しかし、ケンカをして負けたり何か面白くないことがあった日などには、母親との身体的接触を求め、それが得られると安心して気持が落ち着くのです。そんなときに、もう大きいのだから一人で寝なさいとつき離すよりは、今日は特別ですよといってそばにいてやる母親の方がはるかに好ましいのです。
子供といっしょに寝ていると、母親自身の睡眠は妨げられ、あまり衛生的ではないということもあります。したがって、添寝をする習慣をつけるというのは好ましくはありません。なるべく子供を一人で寝かせるべきです。しかし、ときどき、子供が甘えてきたとき、あるいは親からみて子供の気持が乱れているとき、静かに手を握ってやったり、暖かく抱いてやることは必要なことなのです。

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