排便のしつけ

乳児期から幼児期へと成長していくときに、子供はいろいろなことを学ばねばなりません。それまではほとんど無意識のうちにおむつの中へ排便してきたものを、きまった場所で意識的に排便しなければならなくなるのです。離乳と同様に、古い習慣をすて、新しい習慣をつくることである。子供にとってはかなり困難な学習であるし、親にとっても気骨のおれる訓練です。この訓練をトイレトレーニングといいます。
決められた場所で、意識的に排便することができるためには、排便のための筋肉を自分の意志で自由に統制することが必要となります。このようなことは、身体的な成熟がある水準に達するまで、できることではありません。例えば、生後三ヵ月の子供にどんな訓練を行なっても、きまった場所で意識的に排便するという習慣をつくることはできません。早くから訓練をはじめれば、それだけ早くできあがるという考えがありますが、排便訓練にはこれはあてはまりません。母親にとっては、おむつがとれることは、おむつの洗濯から解放されるし、子供の成長を実感できるので、一目も早くおむつをとりたいという気持が強いことは十分に理解できます。けれども、排便の習慣の成立は、身体的成熟が前提となるから、子供の成熟を無視して早くから訓練をはじめても効果はありません。効果がないばかりか、子供の能力をこえる学習を強制することになるので、身心の発達に害をあたえることもあります。むしろ、おそく訓練をはじめたほうが、排便習慣成立までの訓練期間が短くてすむ場合も多い。

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一般に、生後九ヵ月頃から「おまる」などを使って、おむつを汚さないで排便する訓練をはじめるのが普通です。この時期には、うまくいかなかったりおむつを汚すことがあっても、子供を叱りつけないほうがよい。一歳前後にはときどき排便を予告するようになり、一歳半になればほぼ完全に予告して排便させてもらうことができるようになります。
このような一般的標準をみると、うちの子は一ヵ月も遅れている。普通の子供より劣っているのかしら、と心配になったり、遅れを取り戻すにはどうしたらよいのだろうと訓練をいっそう厳しくする親も多い。けれども、一般的標準はあくまで平均的な発達のめやすであって、この標準に達していなければならないというものではありません。親は標準にこだわらないほうがよい。むしろ、標準からヵ月ぐらいのズレはいくらでもあるものと考えていてほしい。
排便の習慣を身につけることはたしかに重要なことではありますが、例えば、小学校の児童で一人で便所へ行けない子供はいません。おむつがとれるのが近所の子供より数ヵ月遅いからといって、心配することはありません。いずれはできるようになると考えて、神経質になりすぎたり、むきになったり、きびしく叱らないこと。むしろ、うまくいったときはほめてやる位の母親の心のゆとりがほしいものです。
なお、つけ加えれば、ひとりで小便ができるのは三歳半、大便ができるようになるのは四歳、紙を使ってあと始末も一人でできるのは四歳半が一般の標準です。

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