退行現象

三歳二ヵ月の女児ですが、先月弟が生まれました。ところが私が病院から帰って三日目に、おねしょをしました。以前はこんなことはなかったのですが、それ以来四日に一度くらいのおりでおねしょをします。どうしたらよいでしょうか。
精神発達のより未熟な段階に逆もどりをすることを退行といいます。具体的にはいろいろな現象があって、質問のように夜尿が再び始まることもあれば、ふつうの食事をいやがって粉ミルクを哺乳びんで飲むといったり、言葉づかいが急に幼稚っぽくなったりすることがあります。
退行現象が顕著にみられるのは、この本問の例にもあるように、下に弟妹の生まれたときです。これまで母親の愛情を独占していたのに、母親が下の子の世話をやき、家族がその赤ちゃんのことを話題にしがちになるので、自分だけがとり残されたような寂しさを覚えるのです。
本人自身は、そのことをはっきりと意識し分析することはできませんが、私だってまだこんなに可愛いいのよとか、ぼくのことも忘れないで、という気持が無意識のうちに働いていることが考えられます。児童相談や教育相談をやっていてしばしば出会うのは、この退行現象の問題で、赤ちゃんがうまれてから急に上の子がいうことをきかなくなった、赤ん坊みたいになったという訴えが多い。ときには親の目を盗んで赤ちゃんの頭をたたいたり、つねったりしている子供もいます。
このように、退行現象はかなり普遍的にみられるものですが、共通する親の態度としては、下の子のことに追われて、上の子のことを以前ほどかまってやれないということです。

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たしかに赤ちゃんが生まれると、母親は多忙になります。そして、関心も赤ちゃんに集中しがちですが、次のような配慮が必要です。
しばしば、乳を飲んでいる赤ちゃんを真剣な表情でそばからみている幼ない兄や姉がいるものです。そんなときは「あっちにいって遊んでいらっしゃい」などというのではなくて、「あなたも赤ちゃんのときはこうやってお母さんのお乳をのんでいたのよ」というふうに話し、当人の赤ちゃんのときの様子を説明したりします。そのようなささいなことによっても、赤ちゃんが生まれたことによる気持の不安定性はよほど少なくなるのです。
本問の例のように、三歳になれば、嫉妬心も発達してくる反面、小さなものに対する愛情も芽生えてきます。上の子を赤ちゃんのライバルにしてしまわないで、保護者のような立場においてやるようにすればよいのです。
夜尿、拒食、聞きわけのなさなどの退行現象がみられたら、親は赤ちゃんの寝ているときなどを利用して、むしろ積極的にその子を可愛いがってやるとよい。抱いてやったり頭をなでてやったりして、決して赤ちゃんだけをかまっているのではないということを本人に体得させてやるのです。
退行現象というのは、上の子の様子が急にかわるので非常に心配する母親がありますが、これは一時的な現象であるから、ここに述べたような点を注意しておけば、それほど心配することはないのです。

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