指しゃぶり

小学校二年生の女の子です。三、四歳の頃から指をしゃぶるくせがあり、今でも治りません。一人になると左手の親指をしゃぶっています。親の愛情が足りないと指をしゃぶるようになるということを聞きますが、私はこの子をかわいがってきたつもりです。どうすればよいのでしょうか。
指しゃぶりは夜尿と同じく、ある時期まではほとんどすべての子供がすることであって、探索行動の一種であると考えてよいでしょう。舌で物の性質を知ろうとする活動なのです。したがって、何歳ごろから指しゃぶりを問題行動とするかは難しいことです。

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指しゃぶりを気にする母親というのは意外に多いものです。なぜこれを気にするかというと、アメリカでさかんになった精神分析学の考え方に、実は非常に影響されているのです。その考え方というのは次のようなものです。一歳半くらいまでの乳児は、口や唇への刺激を快く感ずるので、お乳を吸ったり咬んだりすることを好んでやっている。このような喜びを十分満足させてやれば、子供の性格は円満に発達します。ところが、この吸うことの喜びをこの時期に十分満足させてやらないと、吸うことに関する強い要求不満が残り、乳房以外のいろいろなものをなめたり指をしゃぶったりする悪いくせが残る。指しゃぶりというのは、そういうわけで、要求不満のために子供の性格の発達が妨げられている証拠であると考えるのです。精神分析学の考え方をもう少し進めていくと、子供を愛していない母親はあまり子供にかまいたくないので、授乳時間もなるべく短くすまそうとします。それで要求不満を残し、指しゃぶりをするようになると説明されます。そこで本問のように、子供が指しゃぶりをしているのは自分の愛情がたりないのではないかと心配に思うのです。
いうまでもなく、子供を愛さないということは母親として好ましいことではありません。愛情不足の結果が必ず指しゃぶりということになるのなら、指しゃぶりが残ったということは母親として十分なことをしていないことを示していることになる。しかし、指しゃぶりはなめたりないということの結果ではあっても、愛情不足の結果ではないことがたびたびあるのです。それは次のようなことからも理解されます。人工栄義児は母乳児に比べて比較的授乳時間が短く、指しゃぶりの習慣を丸っことも多いのであるが、人工栄養で育てるということがすべて母性愛の不足とは考えられないのです。
結論として次のように考えることができます。もともと赤ちゃんのときの指しゃぶりは、なめてみることで物の性質を知ろうとする働きで、きわめて自然のことなのです。以上のことに、さらに人工栄養で育てられたとか母親がかまってやれなかったという事情があって、なめたりないという条件が重なると、指しゃぶりの習慣は強くなり、固定化されやすい傾向をもってくる。
したがって、母親が内省してみて子供を愛情をもって育てていたという自信があれば、指しゃぶりそのものを心配する必要はないのです。しかし、いつまでも指をしゃぶっていると歯ならびが悪くなるし、みた感じのいいものでもありません。指に包帯とかビニールテープなどを巻いてこのくせを直すように考えることも必要です。指しゃぶりは就寝時に多いので、そのとき、お話でもしてやって注意をそらせるのもいい方法です。
五、六歳を過ぎてからは、本人がその気になって直そうとしないと、なかなかうまくいきません。指の形がわるくなるとか、そんなことをするとおかしいというようにいって、自然にやめるのを待つようにすればよい。叱ったりしないで、知らないうちにできたくせを子供に気づかせて、自分でやめさせるようにしていけばよいのです。

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