のろい子

五歳の女児ですが、何をするのもひと一倍遅く、いつでも最後になるのでハラハラします。やり方は丁寧なのですが、要領が悪いのです。運動神経もにぶく、体育方面は何をやらせても駄目です。どうすればよいのでしょうか。
このような子供は、案外数多いものです。そして、はた目には大した問題のようにみえないのですが、母親にとっては頭痛の種ということも多いようです。
典型例は、次のようなタイプの子供です。動作は全体にゆっくりしていて、力強さ、活発さに欠ける。体も小さいほうで、体力も劣る。早生れで、年少である。性格は、おだやかでひっこみじあん、内気で非社交的、積極性や競争心がまったくない。ようするに、家でも外でもおとなしく消極的という特徴がめだつのです。

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このような子供は、ひっこみじあんで積極性がないから、集団の中では、いつも仲間に圧倒されて万事にちぢこまっている状態にあります。自分から進んで、積極的に行動するなどはとんでもないことである。よくできるはずの事柄にも自信がなくなって、仲間の様子をみて後からついていくので、いつでもワンテンポずつ遅れることになってしまいます。
運動や体育の方面では、のろまの特徴はさらに強く発揮されます。多くのスポーツには競争心という要素がつきものだし、大勢の前で人目を恐れない態度が必要なのですが、これらの子供にはその種の特性が欠けているからです。体力上の劣勢も、これに拍車をかけています。
のろまの原因ひいては対策という問題は、結局このような性格上の特徴に帰着することが多い。もちろん、これ以外にも健康上の故障が理由になっていたり、反抗の一つの形態であったりする場合も考えられるが、数としては少ない。すると、このような性格の指導ということが、中心的な問題になるでしょう。
しかし、残念ながら、内気や引っ込みじあんはある程度まで素質的なものです。競争心のなさとか消極性なども、そこから派生してきた副次的な特徴とみてよいでしょう。したがって、このような性格を正反対に変えようと望んでも、それは難しい。
問題はむしろ、この種の特徴を社会的脱落者の特徴のように思いこみ、ひと一倍気に病む親の考え方のほうにあるのではないでしょうか。このような子供の母親には、自分も幼児期に似た体験をもち、それがよくなかったと信じこんでいる例が多いのです。そのために、必要もない叱責や皮肉を浴びせて、なおさら子供から自信をなくさせ、よけい引っ込みじあんにさせている場合が多い。
内気や消極性などは、社会的適応という点で問題になるとはいえようが、しかし、自分からそれに打ち克っていこうとする意志や努力は、もう少し後になってから現われてくるものです。幼児の段階では、内気や消極性がいわば生まの形のままでおもてにでてくるので、しかたがないのろまのようにみえるのです。
これらの子供も、小学校に入り、しだいに社会生活に順応していけば、それなりに欠点を克服していくことができます。のろまは、徐々に、慎重、ていねい、しんぼう強さといった形に変わっていくでしょう。
むりやり正反対にしようなどとは望まないこと、自信をなくさせるような叱り方をしないこと、長い目で見守る心構えなどが、大切ではないでしょうか。

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