自主性のない子

幼稚園に通っている五歳の男児です。先日、担任の先生から自発性や自主性がないといわれました。絵画製作の時間も、描こうとしないでメソメソ泣いてばかりいるとのことです。先生は母親が子供の世話をやきすぎるのではないかといいます。私としては、きちんとしつけてきたつもりなのですが、どうすればよいでしょうか。
自主性は、他人の保護や干渉をうけずに独立的に行動し、自分に関することは自分の力で処理をする性質です。自主性は年齢が増えるにつれて発達していきます。一人一人の子供の自主性の発達の仕方は、すこしずつ違っています。自主性が年齢相応に発達している子供は、自主性のある子供といわれる。自主性が十分に発達していない子供は、自主性のない子供といわれます。

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本問の子供は、五歳児として自主性の発達が遅れています。そしてその原因は、担任の先生が指摘するとおり、母親の子供のしつけかたです。母親自身も、きちんとしつけていると言っていますが、この、きちんとを強調しすぎると、かえって自主性の発達を抑えつけることになります。例えば、画用紙を切って何かをつくる工作をするとき、まず、子供ははさみで紙にかかれた線にそって画用紙を切ります。五歳児には、大人のようにきちんと線にそって切ることができません。切りすぎてしまったり、切り残してしまったりします。親が見ていて、きちんと切らないと、上手にできないよ。と叱ったり、切り直しを命じます。最後には、親自身がはさみをもって、きちんと切ってあげるかもしれません。工作はうまくできあがる。けれども、子供にしてみれば、せっかくぼくがひとりでやろうとしていたのに、お母さんがつくっちゃった。という気持をもつ。これに対して、できあがりが多少歪んでいても、母親の助力なしに自分ひとりの力でっくりあげたときの子供のよろこびは大きい。親が、きちんと作ることにこだわっていると、子供の喜びをとりあげてしまう結果になります。
五歳の子供がすることは、おとなである親の目からみれば、すべてがきちんとしていないし、あぶなっかしくみえます。親がちょっと注意すれば、あるいは助言をあたえれば、ちゃんとできるように思えます。そうすることが、きちんとするための躾であると考えています。たしかに、このような助言や注意が有効で、役に立つこともある。ちょっとした助言が、課題を解決する大切な手がかりになる場合も多い。しかし、多すぎると子供は自主的に行動できなくなってしまいます。
絵をかくときメソメソ泣くのは、何をどうやってかいてよいかわからないからです。何か描こうとすると失敗しやしないかと思ってしまいます。自分の判断や行動に自信がもてなくなっています。この子が家庭で画を描くときは、親が側についていて、そこはもう少し大きく描きなさい。だめじゃないの、大きくっていったでしょ、とか、そこは赤くぬりなさいとか、自動車ばかりかいていないでたまには他のもの描きなさい。あの花びんにさしてある花をかいてごらんといっているのでしょう。このようなやりかたで子供を扱っていると、子供の自主性が発達するはずはありません。家庭では、もっとのびのびと行動させなければいけません。何をどうかこうと、失敗しても間違ってもかまわないから、親が口だしをせず、自分で最初から最後までやらせてみなければいけません。失敗をすれば、次は失敗しないように自発的に考えます。親にいわれなくても、すこし時間がかかるかもしれないが着実に進歩していきます。また、この子は自信をなくしている。親の助言や手助けなしに、自力で作業を完了するという経験が必要です。独力でできたという喜びを味わせてほしい。そして自分の力でやりとげたことを、どんな小さなことでもいいからほめてやってほしい。

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