悪い言葉と流行語

一口に悪い言葉というのは簡単ですが、しかしよく考えると、言葉の問題には復雑微妙なものがあり、単純にはわり切れないのに気づきます。
良い例は、流行語です。流行語には、ことさら奇をてらったり、わざと品の悪い語感を強調したりするなど好ましくない要素もありますが、しかし、大流行するような言葉には、やはりそれなりの魅力が備わっているのではないでしょうか。ある有名な言語学者は、流行語は都会生活の産物に他ならないとのべています。たしかに、その中には、生き生きした新鮮な言葉の感覚があふれていることがあるのです。
こう考えてくると、流行語の語感も理解できないようでは困りものともいえます。まして、幼児では、既成の言葉使いの標準がまだ確立していないから、なおさら、流行語の生き生きしたセンスにひかれるところが大きくなるのです。

スポンサーリンク

子供が、品の悪い流行語をさもわかったようにわめきちらしているのは、あまり聞きよいものではないかもしれません。叱りたくなる気持もわからないではありません。しかし、子供に流行語の意味を訪ねてみても、的確には知らない場合のほうが多いでしょう。彼らは、ただ、音の感じの面白さに惹かれ、わけもわからず口まねしているだけなのです。流行語をしゃべりちらすからといって、子供の品性まで下落したように考えるのは、心配のしすぎである。むしろ、言葉に対する感受性の芽ばえだとみるならば、幼児ではなかばやむをえない現象だと考えられます。
小学校の児童の流行語について調査を行った結果、上級学年に近くなると、必ずしも流行語はテレビその他から直接浸透するわけではありませんでした。クラスに、二、三人の感受性の鋭い子供があり、その子らが大人の流行語のうち面白そうなものを子供の社会生 活に適用できるように変形してから、仲間に伝えるのです。だから、無制限かつでたらめに大人の流行語がうのみにされているわけではありません。小学校に入るようになれば、流行語の問題には、それほど気をつかう必要はありません。
ただし、流行語の受け入られ方は、地域によってかなり差があります。下町では、概して流行語は面白いものとされるのに対して、山手の中産階級では悪いとみなされる傾向が強い。だから、違う地域に急に移転したりすると、親の考える言葉使いの標準と、まわりの子供の言葉とが食い違って困ることがあります。しかし、この場合も、子供の仲間づきあいや地域生活を尊重したいのなら、言葉使いのギャップにはある程度目をつぶるよりしかたがないのではないでしょう。
悪い言葉で本当に困るのは、大人の下品な隠語とかののしり言葉などを偶然覚え込み、得意になって人前もかまわずわめきちらすといった、ごく特殊な場合に限られるのではないでしょうか。この場合も、しかし、子供は本当の意味がわかりもしないからこそ、それをオウム返しにくり返すのです。だから、あまり感情的に叱りつけるのはかえって得策ではありません。落ち着いて、そういう言葉は子供には不適切だし無作法だということをよくいいきかせれば、しだいに収っていくはずです。

離乳の時期/ 添寝/ 排便のしつけ/ 食事のしつけ/ 厳しい躾と過保護/ 退行現象/ おんぶとだっこ/ 母乳と人工栄養/ 玩具の選び方/ 本の与え方/ テレビの見方/ マンガしか読まない/ 母子家庭・父子家庭/ 継母子関係/ どんな叱り方をしたらよいか/ 指しゃぶり/ 夜泣き/ 噛みつく子/ 夜尿/ 偏食/ 恐がり/ 悪夢にうなされる/ 第一反抗期/ 動物をいじめる/ おばあちゃん子/ 男の子らしさと女の子らしさ/ 兄弟/ 末っ子/ 一人っ子/ 乱暴な子/ いたずらの激しい子/ 父親っ子・母親っ子/ 幼稚園の効果/ 幼稚園ぎらい/ 保育園/ 集団保育/ のろい子/ 自主性のない子/ 内気/ 遊べない子/ いじめっ子・いじめられっ子/ 幼児の嘘/ 悪い言葉と流行語/ 良い性格/ 知能は生まれつきか/ 幼児と読み書き/ 幼児の数教育/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク