知能は生まれつきか

知能は生まれつきのものだということが、よくいわれます。そうすると、どんなに努力してもしかたがないということになるのでしょうか。
知能が生まれつきの素質に影響されることは事実です。しかし、どんな素質があっても、知能が十分に発達するためには、学習が必要です。その点で、努力が有効でもあるし、また必要でもあります。
動物のなかでもっとも賢いと思われるチンパンジーを、人間なみに教育するという実験が何度かなされています。しかし、非常な努力にもかかわらず、チンパンジーが人間のように話したり考えたりできるようになった例はありません。ここには、人間とチンパンジーの程としての知能の差がみられます。
人間のなかでも、不幸にして知能が非常に低い精神薄弱者がいます。この人たちは、通常の小学校教育すら困難であることも稀ではありません。このように、知能の発達が妨げられる原因は、多くは生まれつきのものとみられます。
また、近親者どうしの間には、知能についての遺伝関係がある程度認められる。特に遺伝的素質が同じと考えられる一部性双生児どうしでは、知能の高さがかなり似ています。
これらのことを考慮すると、生まれつきの素質が知能の高さを左右することはたしかです。これはおもに遺伝的な要因ですが、胎児期の母体内の条件や出産時の条件の影響も働いています。
しかし、これから直ちに、知能が、生まれつきの素質で決定されてしまうものであるということにはなりません。それは、知能がしだいに発達してくるものであるからです。

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知能は、はじめから完成したものとしてあるのではありません。生まれたばかりの子どもの知的能力はまことに小さい。それがしだいに高まって成人の水準にまでなるのです。それは単に時間が経過しただけで、ひそんでいるものが現われてくるようなものではありません。知能の発達は、子供が多くの経験をし、それによる学習を積み重ねることによって、はじめて起こるのです。
このことは、たまたま人間社会から孤立して育った野生児が、非常な知能の遅れを示すという例からも推測し得ます。また、発達初期の経験を豊富にしたり貧弱にしたりしての、発達条件に関する研究結果もこれを裏書しています。
今、たとえ非常に商い知能の素質をもった子供が生まれたとしても、それがずっと乏しい経験しか与えられず、したがって学習の機会にも恵まれないとすれば、とても実際に高い知能を発揮するには至らないでしょう。逆に多少素質が低い者でも、それに応じて適切な環境条件のもとで養育されれば、それなりの知能の発達が期待されます。また、もし素質が同じ者がいたとしても、その成育時の環境条件が異なれば、知能の発達の程度が追ってくるでしょう。
もし、同じ環境条件下で知能の発達の速度を比べるならば、恐らくは素質の高い者の方が有利でしょう。さきの素質としての知能というのは、このような相対的な比較で優劣を問題としたものといえます。しかし、私たちにとってより重要なのは、いま託されている子供の能力を、最大限にまで引上げることです。そこに素質による限界があるでしょうか。いったい、その子の素質はどの程度のものでしょうか。それは、その能力を開発するあらゆる努力をしてみてはじめてわかることです。したがって、その子供の知的能力を形成するためには、その子供に応じた環境条件を与え、学習させる努力をする必要があるし、また、努力のしがいもあるはずです。

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