教育経営

 教育経営とは、教育の目的を効果的に達成するための諸条件を整備し、これを有機的に運営する営みであって、学校経営、教育行政と社会教育経営を内包する包括的な概念である。教育行政は、教育経営を効果あらしめるために、国および地方公共団体が、主として法制的な枠組みを設定し、運営することによって、教育活動のための諸条件を整備することを通して、これを制度的に保障するという機能を受け持つ。教育行政は、学校(教育)行政と社会教育行政に大別される。

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 学校経営は、単位学校における教育目標を効果的に達成するための諸条件を整備し、これを有機的に運営する営みである。学校経営は、この機能を果たすために、学校運営と学校管理を二本の支柱とする。学校運営は、学校における教育実践を、人的、物的、財政的条件の組み合わせにより効率的・能率的に促進する機能を受け持つ。学校管理は、学校(教育)行政を通じて導入される公教育の実施に関する制度的枠組みを、単位学校に即して再構成し、その教育活動の水準の維持・向上を保障する機能をもつ。
 社会教育経営は、社会教育行政を通じて、社会教育(家庭教育を含む)に属する領域について設定された枠組みのなかで、固有な教育活動を展開する。
 教育経営は包括的な概念であるから、学校の内部についていえば、校内組織として設けた各領域・各単位ごとに存在する。例えば、学級・学年段階での教育経営が存在する。これは一般に学級・学年経営と呼ばれるものであるのは周知のとおりである。教育委員会段階での教育経営は一般に教育行政と観念されるのもまた、一般的である。
 関連用語として、教育管理、学校行政などがあるほか、例えば学校経営といっても、依然多義的であったりして、概念の統一化は必ずしも進んでいないのが現状である。ここでは十分な検討はできないが、本書の立場としては、できるだけ広義にとらえることにしている。
 今日、教育の質が国際的な課題になっている。そのためには、教育の材料に当たるカリキごフムの開発と教師の役割の重要性とならび、マネジメントの果たす役割が大切であるといわれる。したがって本書では、広い意味で教育経営をとらえながら、教育において指導的な役割を果たしている人と機関・施設・団体等に着目し、現状と課題を探ろうとしたわけである。
 学校については、校長、教頭、主任を、教育行政については、文部科学省、教育長、指導主事を、そして社会教育等については、社会教育委員、社会教育主事、社会教育施設・団体等を取り上げて考察したほか、教育の実践的研究の重要性にかんがみ、地方教育センター、校内研修、研究団体等、大学について、その役割を検討したというわけである。

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