上手なしつけ方

 かわいい一方だった子どもも、四歳になると手触りが違ってきます。発育ざかりでどんどん多方面に伸びていく反面、親の言うことなどどこ吹く風です。
 世間には躾や教育に技術はいらないと言う人もいます。一見、もっとものようですが、教育相談などで、実際の親と子の問題を扱ってみると、そう簡単に言い切れないことに気づきます。というのは、親はちょっとした技術で失敗して、躾の自信を失い、親の役割まで放り出してしまうことがあるからです。
 やはり、躾の出発点で、躾とは何か、効果的な技術とはどんなものかを、しっかり身につけ自信をもつことが大切です。

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 テレビばかり見ていてはダメよと、お母さんは躾ているつもりで、子どもに命令を出します。でも、なぜテレビばかり見ていてはいけないかについては、子どもが納得できるように説明してやらないことが多いような気がします。だから、子どもは「どうして?」と聞き返してきます。その時も、「よく気がついたわね。それはこうなのよ」と言って説明する親は少ない。「ダメって言ったらダメよ」という無様な対応になってしまいがちです。
 ですが、躾にはかならず、目的があり、理があります。それをまず真剣に子どもに話すべきです。どんな小さな子どもでも、親の真剣さは分かるもの、きっと耳を傾けるはずです。
 むろん、聞いてから嫌とはねつける子もいるでしょう。この時は親が「なぜ、嫌なの」と子どもの意見を聞くチャンスです。批判や反論はさけてまず熱心に聞いてやります。
 そして、聞き終わったら、二点にしぼって整理をしてやる。一つは、子どもの意見のいい点を支持する。もう一つは、それと異なる親の意見を話して、しつけの目的を徹底させる。
 ただ、子どもは「テレビばか り見るのはよくない」と分かっても、すぐに生活を切り替えることは難しい。
 そこで、子どもと話し合って、少しずつ生活を変えていくように工夫させるのです。例えば、番組を選んで一定時間だけ見る。外で友だちを探す。というように。
 これが、当面の目標です。この目標は、いずれレベルアップしていくでしょうが、さし当たっての目標は、できそうなところにおきましょう。
 こうして、躾の目的と目標を、子どもに納得させることは、効果的な技術です。
 早くしなさい。遅刻するとせきたてても、遅刻のばつの悪さを知らない子どもには、ピンとこない躾です。遊んでいないで、ちゃんと食事をして、と言っても、なぜそれが必要なことかは分かりません。これを分からせるためには、さっさとかたづけてしまい、次の食事まで待てないほどの空腹の経験をすれば分かるはずです。
 そこで、躾の技術としては、具体的、実際的な結果から、躾ていくのが効果的です。子どもには、あらかじめ予告しておく式のしつけは無意味です。
 となると、失敗の場数を多くするということにも通じるわけで、まさに、失敗こそ学習のチャンスになるわけです。
 「よその人に迷惑をかけたら、ごめんなさいとか、すみません とか言うのよ」と、親は躾ます。すると子どもは、相手にすまないことをしたとも思わず、相手の迷惑が何かも考えず、ただ「ごめんなさい」「すみません」と言えばいいと思うようになってしまいます。
 これは、相手の痛みや迷惑を説明することを省いて、表面的、形式的なことに終始したため、躾が子どもの心まで届かず、上すべりしてしまったせいなのです。
 躾の技術としては、形式を仕込むことより、心に訴えかけることに重点をおくことが大切です。
 そして、子どもの行動の表面だけを見ないで、子どもの心の動きに焦点を合わせて考えてやることが必要です。でなければ、心がけの美しさ、立派さなど、躾るすべかないではありませんか。
 どんなにしつけ熱心でマメな親でも、四六時中子どもにつき添ってしつけるわけにはいきません。第一、子どもが逃げ出します。
 そこで、親がいない時でも、子ども自身で判断して、良い方向へ、良い行動へと向かわせたいと願うのは、だれしも共通の気持ちです。
 そのためには小さな子どもでも、子どもがいいことをしたときは、まめに認めてやり、励ましてやります。オーバーにほめるのは重荷になっていけません。これを繰り返していると、子どもは、「自分は親にいい子と思われているらしい」と自信をもつようになります。
 とくに、表面に現れない子どもの心がけなどを認めてやるのは効果的です。そうすると、子どもはもっとよくなろうと意欲を起こします。この意欲こそ、親のいない所でもがんばる原動力なのです。

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