偏食、小食

 偏食、小食、その他食事についての子どもの問題は、家庭のムードや親の態度とかかわりが深いと言われます。
 たとえば、親が神経質で子どもの食事について、いつも気にしている。それを言葉で言わなくても、心配そうに子どもの食べ残したお皿を見つめていたりすると、子どもは敏感に親の気持を見抜いて、圧迫感や緊張感から食欲を失うことが多いようです。
 あるいは、食べさせたいあまりに、これにはビタミンCが多い、これは便秘を防ぐ、などと、栄養学の講義をするのも逆効果。どちらかといえば、話題は食物以外のものの方が無難です。
 少々荒っぽい言い方ですが、子どもが病気もせずに育っているなら、多少の偏食や小食に神 経質にならない、大さわぎしないと割り切ると、問題も深刻化したり、長引いたりしないようです。というのも、子どもは日々成長し変化していくにつれ、食欲も変わり、同じ問題がずっと続くことはありえないからです。偏食や小食を心配するより、積極的に楽しい食卓の演出を考えた方が、結果がいいというのが経験からの結論で す。

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 偏食児の親には偏食の人が多いと専門家はいいます。たしかに、親が偏食なら、きっと献立が偏り、特定の食物が好意的に語られるということは、まず、ないといっていいでしょう。これでは、子どもは好意的に慣れていくことは難しい。無理と分かっていますが、そこを努力していただきたいものです。
 偏食退治の具体策は、だれしも考える調理や盛りつけの工夫。嫌いな材料と好きなものを一緒にして、味付けは好みのものを強調する。嫌いなものは目立たせないで、好きなものを大きく飾る。味、色、形、香りを少しずつ変化させて、いろいろの食物への適応の幅を広くしてやります。
 また、子どもに献立を立てさせ、料理をさせるのも効果的です。小学校四年生くらいになれば、かなりのことができます。家族のためにおいしい物をと考えれば、偏食献立とはいきません。それに、料理を作ってみれば、それぞれの食物に愛着も感じるはずです。
 学校の給食では、がまんして食べても、家庭ではだめというのは、一種のわがまま、甘えで す。昔は、偏食の子に嫌いな食物だけを毎日与えて、わがままの矯正もあわせて考えたようですが、なんとなく意地悪い感じがして、あまりおすすめしかねます。
 でも、学校で食べられるのは、集団の影響、いわば友だち仲間と同化したい気持があるからでしょう。小学生以上の偏食には、その意味で、集団生活、共同炊事がいい結果をもたらすようです。
 キャンプなどで友だちと一緒に作った食べ物を、みんなと共に楽しく食べる。嫌いな物も、それ以上の魅力ある要素でかき消されてしまいます。こうして、嫌いと思っていた食べ物を、ロへ入れてみると、感じが変わり、考え方が変わり、そして自信がつく。人参だって平気だったとなります。そこで、家庭でもそれを認め励まして、きらいなものを克服させます。
 アメリカのある小児病院で入院中の子どもの患者の偏食の内容を調べたら、それぞれ、自分の病気に必要なものを好んで食べ、不必要なものを嫌っていたことがわかったそうです。時には、こんな見方も必要かもしれません。
あまり偏食ときめこまないのがが良策です。
 子どもとは、毎日、機械のように一定量の食べ物を消化するものと、キマジメに考える母親が、この種の問題で失敗します。
 子どももおなかのすく日もあれば、すかない日もあるはずと割り切っていれば問題は悪化しない。なにしろ、自ら餓死する子どもなどいないのですから。
 それを、毎回、食べ残しの量を測るように神経をとがらせていては、子どもは親の様子を見ただけで食欲を失ってしまいます。なるべく食欲よりも子どもの体調に気をつけて、変わったことがなければ、食べ物のことは話題にしないことです。かなりの個人差があって、小食でも健康な子どもはたくさんいます。
 小食、小食と食事の量にばかり目を光らせるより、総合的な生活管理が大切です。運動不足、睡眠不足、朝ねぼう、勉強時間が長い、友だち関係の不調、興奮、怒り、悲しみ、不安、しっと、うるさい親、沈滞した家庭のムード、間食、特に甘い食べ物のとり過ぎなど、生活全体を点検して、問題点を改善することの方が近道かもしれません。家庭での勉強時間を滅らし、外での活動の時間を増やしただけで、食欲がでた子もいるのです。
 小食の子どもには、食卓の演出が大切。きれいな器に、ごく少量盛りつけてやり、圧迫感を与えないようにします。食事の時刻も空腹時を見計らって気持を引きたてるように誘ってやります。
 もし、食事途中で食べなくなったら、やさしく小さな声で「お しまいなの」と尋ね、強制しないでさっさとかたづけます。無理強いしない方が次の食欲を増させるからです。
 ですが、次の食事までの間に、おなかがすいたと訴えても、特別料理など出さないことです。
 ある保健所で耳にした話ですが、うっちの子は小食で困ると訴えるお母さんに、日ごろ子どもに与えている量を盛りつけてもらうと、その量が多いのに、所員はびっくり、こんなに与えたら肥満児になると。愛情はたっぷり、食べ物はほどほどにと指導しているそうです。

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