排泄のしつけ

 早いの遅いの、うまくやれないのと騒ぎたてても、せいぜい一〜二年のうちにかたづく問題です。そう悟って、できるときがきたら、できるでしょうと、達観している母親の子どもにはトラブルが少ない。隣がどうの向かいがどうの、平均的時期は、などと神経をとがらしているとうまくいかないようです。
 アメリカの小児科の医者は、はっきり二歳半を過ぎるまで、トイレのしつけはしないようにとアドバイスします。もっと早くできる子もいるのではと尋ねても、早くできてもいいことな んてないとのことです。あわてなければうまくいくはずのトレーニングで叱ったり、おどかしたりして、わざわざトラブルの種をつくるなんて。親も子も不幸です。
 教えてくれる日もあれば、自分でズボンを脱ぐ日もあるから、親はつい欲を出しますが、これが続くわけではありません。これが子どもの発達の常態なのです。一直線に、昨日より今日、今日より明日と進歩発達してはいきません。うまくいったと思ったら、また、後もどり、時にはちっとも前進しない、ジグザグと行きつもどりつしているようで、それでも、長い目でみれば伸びている。親としては、視点を遠くにおいて見守っているのがいいでしょう。

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 おむつに知らん顔で排泄していたのと比べれば、たとえ間に合わなくても教えようとしたり、ズボンを脱ごうとした事は一大進歩です。自立化の兆しに違いありません。大いに喜んでやり、認めてやってください。ここが大切なポイントです。というのも、うっかりすると子どもに混乱を起こさせるようなあいまいな扱いになりやすいからです。
 例えば、子どもが「ママ、オシッコ」と予告する。と、いやな顔をする。子どもは、てっきりオシッコはしてはいけないらしいと思いこむ。で、出たいのをこらえにこらえてがまんするが、とうとう、黙ってこっそりしてしまう。すると「なぜ言わないの」、またまたしかられる。子どもはすっかり混乱してしまいます。
 こんなことを繰り返していると、子どもは正常な生理現象に罪悪感をもつようになってしまいます。特に、敏感でかしこい子がいけない。いろいろ考えてかえって失敗しやすいのです。
 発達はジグザグなものとのんびり構え、そして、小さな進歩もマメに認めてやることがコツなのです。
 排泄の躾としては、排尿の躾より排便の躾の方が、うまくいくと言われています。
 一般には、排便の躾は、一歳半か二歳ごろに、便意をもよおしたと親が気付いたとき、便器にかけてやるところからはじまります。
 ここで「ウンチね」と、はっきり言ってやり、便器とかトイレとかの名前もきちんと教えながら使わせるのがいいのです。何をしているのか、曖昧なのはいけません。
 したがって、排便したら見せてやり、「いいのが出たわね」と喜んでやるのがいいでしょう。見せようとしないのは、子どもに排便を認識させそこねてしまいます。また、親がよろこんでやれば、歓迎されているのがわかり、ちゃんと排泄しようという気持ちになって、躾にプラスします。
 次の段階は、便器をトイレヘ入れるか、入口におくかして、トイレヘの移行を考えます。親に抵抗がないなら親自身が使っているのを見せるのが手っとり 早い。こうして二歳半ごろには、おとな用のトイレが使えるようになります。
 排尿は、こう簡単にはいきません。
 指導の準備として、七、ハか月ごろから、おむつを代えるとき「オシッコね」と言ってやらせてみましょう。やらせてうまく排尿しても、これはまぐれ当りのようなものです。
 次にチーチーと知らせてくれたら、一段階前進、大いにほめてやります。もちろん、たいていした後ですが、そして、二歳半近くなったら、トレーニングパンツに代えて、排尿の場所と仕方を幾度も教えます。失敗した時用に、自分で出し入れできるところに下着も用意してあれば、なんとかやれるのが三歳過ぎです。
 紙の使い方やよそのトイレにも慣れさせて、手がはなせるようになっていきます。

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