物をしゃぶりながら寝る子

 子どもは自立する力の弱い存在ですから、何かに頼りたいのです。普通、頼るのは親ですが、眠るときはひとりで眠らなければならない。そこで、いろいろの物を頼る相手に探してきます。多くは、身近な毛布や枕や赤ちゃん時代のおくるみなど。また、触れた時、感触のいいやわらかい布、スカーフやハンカチなども選ばれます。
 いわば、眠るときの慰め、眠るときの道づれと言ったところでしょうか。だから、無理に取りあげたら、きっと別の物を見付けてくるにちがいありません。
 それに、いつまでもハンカチをくわえているわけではなく、成長につれて別の楽しみを見出し、そのときどきに就寝時の演出を考えるようになるのが普通です。
 したがって、無理にでも取りあげなければ直らないという心配は無用です。親はなるべく子どもに意地の悪いことをしない方がいいのです。それにより子どもも意地悪くなるおそれがありますから。

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 子どもは二歳ごろから、生活が一定の方法と順序で進行することを好むようになり、儀式好きなどと言われています。その儀式好きの中でも、特にきちんとお膳立てされていないと納まらないというのが就寝儀式です。
 そろそろルールヘの関心が出てきたこともありますが、それ以上に、一定のきまりに依存して、それに安定感を見い出しているからで、就寝儀式には特にこの傾向が強いようです。
 眠るときぐらいは安心し、満足して眠りたい。そこで、枕はこう、毛布はあれ、ペットはここで、電気スタンドはあそこと、お定りの位置にそろっていないと落ち着かない。ハンカチをくわえるのも同じような意味があるのではないでしょうか。
 こうして、子どもは安定感を確保するわけですが、より以上に安定感のあるものが現われれば、むろん、そっちへ乗りかえます。そのより以上のものとは、親なのです。
 大人が見ると多少こっけいな就寝儀式も、うまく利用すれば、一定の習慣づくりに効果をあげることができます。例えば、寝る前には、歯を磨き、トイレヘ行き、パジャマに着替え、脱いだ衣服を一定のところへかたづけ、おやすみなさいのあいさつをするというように一定の順序を守らせて習慣化するわけです。もちろん、習慣化を重視して、就寝時の安定感がかき乱されては大変ですが。
 ハンカチをくわえることによって満たされ安心できた子どもが、このハンカチを手離すのは、それ以上に魅力的でよリ強い安心感、満足感が得られるものが現れたときです。そして、最高の魅力ある存在とは、ほかならぬ親なのです。
 ハンカチをくわえて寝てはいけませんとは言わないで、お母さんが子どもの手を握って、好きな歌をうたってやったり、絵本を開いて一緒に見たり、読んだりしてやります。と、この方がより満足感が大きいので、ハンカチの方は忘れてしまうかもしれません。むしろ、ハンカチは手手離さなくても、親と子の関係は深まり、子どもは安心します。
 いわば、取りあげないで、それ以上のものを与えて方向転換をさせるわけです。
 儀式好きの時期ですから、夕食前後から「おやすみのとき、絵本を読みましょうね」と、楽しい儀式があることを予告して、心づくりをさせておきます。
 そして、相手をする時は逃げ腰にならないで、精いっぱいいい気分になるようにしてやります。親がソワソワしていると、子どもも落ち着きません。それなら、ハンカチをくわえている方がましということになってしまいます。
 三歳前後から、大人が起きているのに、自分だけ寝かせられることへの不満と寂しさが強くなります。そのうえ、昼寝を長時間させられている子どもは、寝かされてもなかなか寝つかれない。眠れないままに、いろいろやってみることになる。指をしゃぶる、爪をかむ、毛布をかむ、耳をいじるように。
 したがって、寝かせることだけでなく、子どもが眠いかどうかを考えてやる必要があります。
 まず、長時間の昼寝。特に三歳を過ぎると昼寝を嫌がる子どもが多くなります。それをむりやり寝かせたりすると、夜、眠れなくて変わったことをやり出します。
 運動不足、遅い夕食、空腹、昼間のショックなど気を配ってやりましょう。
 そして、就寝時にちょうど眠くなるように、生活の運営を工夫してやります。親が不規則な生活をしていて、子どもだけきちんとというのは難しいものですから、小さな子どものいる家庭では、親も規則的な生活に切りかえねばなりません。
 床に就いてから、眠りに落ちるまでの時間が短いことが、問題を防ぐ効果的な方法だからです。

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