片付けのしつけ

 親がいくら言っても、さっぱり子どもがそれにこたえてくれないのが片付けの問題です。というのも、幼児や小学校低学年の子どもたちは、片付けが必要とも考えなければ、片付けていて感じがいいと感じるセンスも未熟だからです。
 したがって、長い期間をかけて、気持を育て、技術を育てていくことがポイントです。あせらず、丁寧に、気持よくしつけていくことが大切です。
 でも、これは実際問題となるとなかなか難しい。
 原則的には、やらせたいことは、気持よくやさしくしつけなければならないのですが、なにしろ、片付けのしつけをするときは、たいてい、夕方。お母さんが忙しさと疲れでイライラしているときにしなければなり ません。叱ったり、怒鳴ったりした後で、「しまった」と気付く人が多いようです。これでは、子どもは片付けは嫌なことと思いこんでしまいます。
 といって、朝から片付けさせるわけにもいかない。そこで、片付けをしつける時間に、お母さんが穏やかな気分でいられるように、午後のひととき、ゆっくりお茶でも飲んで、気分を安定させておいていただきたいのです。
 そして、子どもがたっぷり遊んだ後、そろそろ、お遊びはおしまいにしましょうか。あした、使いやすいように、片付けてねと、ちょっぴり期持のもてそうな言葉で、片付けに誘うのがいいでしょう。

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 そろそろ入学、それ、かたづけの躾をといらだっても、こればかりはうまくいきません。段階があり、年期も必要。したがって、一応、発達段階とその課題を記しておきますが、それにとらわれないで、できるところから出発することにしてください。
 片付けのまねごとは二歳児でもしますが、躾となると、やはり、三歳から。
 最初は、毎日、一定の順序で親がやってみせながら、説明してやります。おもちゃはこの箱に入れて、絵本はあの棚に並べて、ごみはくずかごに捨てましょうと、子どもにもやらせてみて、コツを教えましょう。
 片付け終えたら、忘れずに、きれいになったことは気持がいいわねと、しばらくゆっくり親子で部屋をながめてみること。こうして、片付けるとはどういうことかを感じとしてとらえられるようにしてやります。
 四歳を過ぎたら絵本は、あなたの役目と、少しずつ子どもに責任を移していきます。もちろん、上手にはいきませんが、親が「だめねえ、こうするのよ」と、ケチをつけながら、手を出していては、やる気も失い、上達もしません。「どうやってか片付けたらいいかしら」と、むしろ、子どもに考えさせるようにもっていけば、だんだん、自分の仕事という意識も育ちます。
 五歳を過ぎれば、おもちやなど分類して一応片付けられる ようにはなりますが、親が声をかけてやらなければ、放り出してしまいます。こうして手は貸さなくとも、気持を支えてやることは、小学校低学年になっても必要です。「きれいにやれたわね」などと言うお母さんの励ましと承認が、かたづけを続けさせるカギでしょう。
 とにかく根気がいるのです。親というのは、一つ片付けてから、次を出しなさい一と言う人が多いようですが、子どもは遊んでいるとき、そんなことを考えてはいられない。考えられたら遊びに没頭していない証拠。それに、全財産を引っぱり出して創造性豊かに遊びたいときもあるはず。
 そこで、たえず片付けの催促をするのは、片付け嫌いをつくります。第一、それでは落ち着いて遊ぶこともできません。
 片付けは、時刻をきめて、一日、一回がせいぜい。夕食前か夕食後などはどうでしょうか。
 また、おもちゃを家中ひろげさせては、片付けも大変。他の家族も迷惑です。部屋をきめてひろげさせるのがいいでしょう。
 子どもが片付けを嫌がる理由の一つに、おもちゃが多過ぎることがあります。最近は特に、子どものおもちゃが豊富ですから、一定量だけ出して、他は仕舞っておき、ときどき交換してみると新鮮な感じもします。もちろんすくなすぎては、遊びが貧弱になりますから、収納しすぎも困ります。
 また、片付けやすい戸棚や棚、大きな箱など、子どもが扱いやすい備品を揃えてやることも大切です。ただあまり細かく分類すると、扱いかねて、かえってトラブルの種になります。大まかな分類で、さっさと片付けられるように考えてあげてください。
 きれい好きのお母さんの中には、完全主義を子どもに要求する人もいますが、これでは、片付けに好意をもたせることは無理です。おとなでも片付けの好きな人は少ないのですから、子どもに高い期待はできません。
 また、年令の近い兄弟が、いっしょに仕事をするのは、なにかとトラブルが起こりやすいものです。あっちが怠けた、こっちがずるいと。はっきり分担をきめて、順々にいろいろやらせてみてはいかがでしょうか。親も二人を比べたりしないで、それぞれのいい点を、本人にだけ言ってやります。

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