小遣いの与え方

 小学校一年生ごろから、小遣いを与えるのがいいと思いますし、また、実際にそうしている家庭が多いようです。
 それは、幼児では、お金を数えることが難しいうえに、一週間とか十日間とかの幅のある日数の理解ができず、規則的に一定額の小遣いを一定の間隔で与え、自主的に使わせることが無理だからです。
 むろん、幼児にも機会を与えて買い物の経験をさせることは必要です。これにより、ほしい物は、お金を支払って買うということを理解します。はじめは親の買い物を見せてやり、その後、一回ごとに小遣いを与えて、買わせるということになります。したがって、特にねだられなければ、小遣いを与えなくてもいい。実際問題として、近所にお店がなければ、小遣いなしですんでしまうでしょう。
 この点についての調査では、幼稚園児の五一%が小遣いをもらっていて、約半数といったところです。
 しかし、同じ調査で小学校二年生をみると、その八七%がもらっています。となると、一般に、小遣いを与えはじめるのが一、二年生と考えられているのではないでしょうか。私も、だいたいこの方針に賛成で、このへんで親は小遣いの与え方、使わせ方など研究して、実践に移すのがいいと思います。
 小学校に入学すれば、一応、生活は一週間というルーテインで回転し、それに合わせて小遣いを与え、計画させ、使わせることができるからです。子どもも、一応、その範囲なら数えたり使ったりできるようになります。
 ちなみに、前記の調査によれば、四年生で九二%、六年生で九六%、中学生九七%が小遣いをもらっているそうです。
 しかし、子どもの金銭管理の能力や周囲の事情などによって、この問題は、親が自由に判断すべきですし、それだけに、親の理解や工夫が大切ということにもなってきます。

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 小遣いを与えると、家族で話し合ってきめたら、みんなで了解し合っておかねばならないことがあります。
 それは、一定の金額を、一定の間隔で、きまった日に、同じ人が与えるということ。これがいい加減になっては、小遣いの躾はできません。
 ねだれば、いろいろの人がこっそり小遣いをくれる。家庭の金銭の管理がルーズで、持ち出しても分からないなどというのは、躾以前ですが、そのほか、大人は「小銭がないから、この次にして」「テストの点がよかったから、褒美にお金を」と、かなりいい加減なところがあります。
 しかし、与える方がルーズでは、金銭教育の土台がぐらつくことになります。だいたい金銭教育は、実際にお金を与える親が主役ですから、学校の先生に指導を額んでなどと呑気に構えてはいられません。
 また、与える回数としては、一、二年が週単位で、月に四回、三、四年生は十日か半月の間隔でなどと言われもしますが、一年生はとにかく、三年生以上は月ぎめがいいと子どもたちが主張します。計画もたてやすく、金額の張るものも買えるからというのがその理由、もっともな意見だと思います。
 「みんなもっとたくさんもらってるよ」子どもは、よくこんなことを言って、小遣いの値上げを要求しますが、この場合の「みんな」とは、たまたま話をしてみた数人という場合が多く、大して客観性がないのが普通です。そこで、母親たちが先生に頼んで、子どもの小遣いの額を調べてもらい、その線にそろえるという方法もあるようですが、果たしてそれほど一律に他人指向でいくのがいいかどうかは疑問です。
 というのも、家庭の経済事情はそれぞれ異なり、むしろ、子どもは親の懐を考え、家庭の生活に合わせて小遣いをもらうべきではなかろうかと、私は思っています。病人が出た、家を修理した、家族旅行を計画したいとなったとき、子どもだけ別格などと考えない方が、家族の一体感、連帯感が強まるような気がするからです。「少しだけがまんしてね」と、協力させる方が教育的でしょう。
 ただ、この金額の中にどのようなものを含めるかで、多い少ないの解釈は異なってきます。普通、小学生の小遣いは、子どもの自由な判断で使える額にし、文房具や本、金額の大きなものは、親が買い与えます。
 また、お年玉などの臨時収入は、別枠で考えさせ、額が多ければ貯金の指導もして、いずれ高額の物を買うときに備えさせましょう。くれぐれも、守銭奴的に貯めるだけを目的にしないように話してください。
 最近、子どもの臨時収入が高額退ぎると話題になりますが、これは、むしろ与える側の大人の良識の問題です。
 一方、与えられた小遣いについては、あれこれ考えても、そのお金の出どころや経緯については考えないのが子どもです。
 家庭の収入やその際の親の努力や労働について語り、年長の子どもには、家計簿も見せて、理解させたいと思います。
 あるアメリカ人の父親が、わが家の経済、会社の経済、国の経済、世界の経済事情と話を広め、それと子どもの小遣いを結びつけて説明しているのを問いたことがありますが、時々はこんな視野の広い話も必要でしょう。

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