物を粗末にする子

 四歳児頃には、いろんな悪評判がたちます。乱暴ですうずうしい、お天気屋で怒りっぽい、できないくせになんでも手を出す、落ち着きがなくていつも動いている、おしゃべりで出しゃばり。
 ですが、これらの悪評判のどれを見ても、四歳児が活気にあふれ、活動的で、まさに伸びに伸びている感じがします。
 だから、彼らを発育ざかりと呼ぶ専門家もいます。
 でも、前進型の活動家は、細かく気持を働かせることができません。たとえ気持があっても、こう動きまわっていては、物をそっとやさしく扱ってはいられない。はたで見ている大人は「なんて乱暴な」と、受けとりますが、当人は別に乱暴をしようとしてやっているのではなく、活動の結果そうなったという感じです。
 子どもの発達とその時期の問題には、これと似通った関係のものがよく見られます。いわば、時期が過ぎれば自然に治ってしまう。おそらく、子どもが五歳を過ぎて、デリケートな感情を、それにふさわしい動作で表現できるようになると、お母さんはこの問題のことなど忘れてしまうにちがいありません。

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 お母さんの観察では、与えられたばかりで珍しくて気乗りがしている間は大切にしているが、あきてくると平気で捨てたり、壊したりすることが多いようですが、そこで考えていただきたいのが、おもちゃの数が多過ぎないかと言うこと。
 もちろん、おもちゃの数が少な過ぎては、遊びも発展しませんから、かなり多くていいのですが、全財産を広げておく必要はないでしょう。これではかたづけも大変ですし、遊びの時など、乱暴に蹴散らすことにもなりかねません。
 子どもの社会にも流行があり、遊びも変わればおもちゃも変わり、あきられたおもちゃは敬遠されるのが当然です。いま相棒をつとめているのがどれかチェックして、整理するのがよいでしょう。
 そこで、「あきたおもちゃは、粗末にされてはかわいそうだから、しばらくしまっておきましょうね」と、子どもと相談してしまうのも一つの手ですが、子どもが決断できにくいこともありますから、こっそり、人気のないものをお母さんがかたづけてくださるのも手だと思います。
 こうして、新鮮なおもちゃで新しい遊びを開発させるのがいいのです。現代は、子ども用品があり余っている時代ですから、どこかで制限しなければ、大切にすることも、じっくり一つのおもちゃとつきあうことも身につけずじまいになってしまいます。
 物を乱暴に扱ったり、粗末にしたりする子どもに対して、親はうっかりすると、「どうせ、壊してしまうのだから、安物のおもちゃでたくさんだわ。上等のものなんか、もったいない」と思いがちですが、とんでもな い。子どもはますます大切にしなくなります。
 というのも、すぐに壊れるようなおもちゃは、長いつきあいができないので、愛着も起こらず、やさしい気持で扱うはずもないからです。丈夫で出来のいいおもちゃは、高価でも、長い間子どもの相手をしてくれ、愛情も呼び起こしてくれて、結局はとくなのです。
 また、いろいろの遊びのできる積本のようなおもちゃは、あきられないのでつきあいも深くなり、子どもにかわいがられ大事にされるおもちゃです。
 それに比べ、複雑なメカニックでスイッチを入れたら、おもちゃが一人で遊んで見せてくれるようなものは、じきにあきられてしまい大切にもされません。これは、高価な割に、役に立たないおもちゃです。おもちゃと言うからには、子どもを遊びに誘いこみ、子ども自身に活動させるものでなければ意味がありません。こんなおもちゃは大事にされます。
 それにしても、子どもの扱いは荒っぽいですから、丈夫なうえにも丈夫なものを選びたいと思います。それでも壊した時は「かわいそうに」と、子どもの感情に訴えてください。感情はとても敏感ですから。
 小さな子どもが、心の中になにかわだかまりをもっていて、イライラしているときは、おもちゃに当たり散して、壊してしまうことがよくあります。
 例えば、いつも遊んでいる友だちが、このところ他の子どもと仲よしになって、仲間外れにされてしまった。二歳年下の弟が、急に活動的になり、遊びを邪魔されたり、おもちゃを取られたりでおもしろくない。こんなとき、当たり散らす相手としては、おもちゃが一番無難なのです。したがって、急に乱暴になったりしたときは、子どもの心の中をそっとのぞいてみるような気持で接してみてください。
 問題があれば、その処置や指導が先決です。
 しかし、考え方を変えれば、友だちや兄弟に乱暴されるより、おもちゃにされる方が無難です。

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