子どもへのプレゼント

 小学校五、六年生に、もらってうれしかったプレゼントを持ち寄ってもらって、話を聞いたことがありました。なんと子どもたちの持ってきてくれたのは、どれも、その子どものために、だれかが心をこめて作ってくれた、この世に一つしかない手作りプレゼントでした。
 おばあちゃんが、昔から大切にしまっておいた真綿で作ってくれた肩かけ。それには、真綿を毛糸のように色鮮やかに染めた糸で、刺し子風にかわいらしい図柄が刺してありました。
 何から何まで全部お父さんの手作りという凧。
 子どもが赤ちゃん時代から着た衣服の切れ端をパッチワーク風に仕上げたポンチョ。
 そして、子どもたちが口々にこんなことを言うのです。「もう物はいらない。でも、自分のために、長い時間、一生けんめい作ってくれた物なら、やっぱり、ほしいし、うれしい」。
 たしかに、これはその子にぴったりの物のはずですし、真心をこめて作っている過程を目にしているのですから、感激もひとしおでしよう。
 プレゼントの本質は、まさにこれで、贈る側の愛情や好意の証になるようなものが、一番贈られた人を感動させ、よろこばせるのです。といって、忙しい親もいれば、手作りの苦手な親もいます。しかし、その子のために、考えぬき、選びぬいたプレゼントには、やはり愛情と好意がこめられていることを、子どもは敏感に感じます。

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 プレゼントをむやみにする親は、お金を使い、時間を使っている割には、よろこばれません。世間には、忙しくて子どもの相手もできないので、その罪亡ぼしにお土産をと、つぎつぎ買って帰る父親もいますが、子どもは、父親はお土産を運ぶ機械ぐらいに思い、少しも父親に対して感謝の気持をもたないことがあります。あまりにもおざなりだからです。
 プレゼントは、量より質、質より好意というところでしょうか。多ければ多いほど、よろこびも感謝も少なくなります。
 その意味で、お誕生日のプレゼントは、年一回のチャンス、多少値が張っても、心のこもった質のいいものをあげてください。きっと大切に使うはずです。
 あらかじめお子さんの希望を 聞いて、望みの物をプレゼントするのも、逆にこっそり用意してよろこばせるのも、心がこもっていれば意義があります。
 そのほかは、クリスマスとかお正月とか、年に数回、心のこもったいい物をあげてください。子どもによってはお金をねだるそうですが、特別の場合を除き、品物をプレゼントする方が、気持がこもっている感じがします。
 子どもの誕生パーティーでの相互のプレゼントは、子どもたちで話し合って、お上その金額をきめさせるのが無難でしょう。
 いずれにしても、親からもらったこづかいか、あるいは自分の貯金から支出するわけで、大げさなことはできないのが普通です。
 そこを親が援助して派手なプレゼントをと考えるのは問題です。それでなくとも、物に埋っている現代の子どもたち、食傷ぎみで感激どころではありません。
 また、一人が派手にすれば、すぐにエスカレートして、ほかの子どもも派手になります。この点は、子どもだけでなく、お母さんたちも話し合って良識の線を出しておくべきではないでしょうか。
 あるお母さんは、子どもたちに誕生パーティーでは、品物でなく、遊びのアイデアをプレゼントしてもらい、一緒にそのアイデアで遊ばせてもらうことを提案したそうですが、すばらしいプレゼントだと思います。
 ところで、子どもへのプレゼントで、少々気になることがあります。
 それは、大して子どもとはつき合いもないのに、手土産として持参した物を「お子さんへ」とプレゼントする習慣です。職場の上役や同僚の家を訪問するとき、よくこの手が使われます。
 親は「子どもへ」と言われたら悪い気はしないとか、大人にというには少々手軽すぎるとか、いろいろ理由があって、子どもがだしに使われるのでしょう。
 しかし、子どもにしてみたら、理由もないのにプレゼントされ、しかもうれしくもない物に対してもお礼も言わねばならない。日本の子どもは、この種のつきあいに慣らされていて、いやな感じを与えないよう要領よく振舞いますが、考えてみればおかしな話です。
 いただいた物をつき返すわけにもいきませんが、親としては「子どもには、ぜいたくはさせていませんので、お心づかいのないように」と、やんわり断っておくのがいいでしょう。
 「パパの友だちだよ。お嬢ちゃんにこれあげよう」などと近づいてくる誘拐魔もいる世の中、子どもにも、納得できる筋のプレゼントか、納得しがたい筋のプレゼントかの区別をきちんとしつけておくべきでしょう。
 また、物やお金については、日ごろから親しくしている人以外には、理由もなくもらわないという潔癖性も養っておきたいものです。
 その意味で、よその子どもへのプレゼントには、大人も慎重を期してやらねばならないでしょう。

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